途転の力学

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help リーダーに追加 RSS 根本的な問題はどこにあるのか(外資排斥論は本当に正しいのか:その7)

<<   作成日時 : 2008/03/05 12:12   >>

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外資排斥論のウラにあるのは、
より自由な世界が実現したことによって台頭してきた
新興勢力に対する排斥感情であることがわかった。


それは「合理的判断」によるものではなく、
「自分たちの既得権益を守る」という「生存本能」である。    
従って、それを脅かす存在は
「日系」であろうが「外資」であろうが関係なかった。


そして、その排斥感情は
お上によって異常なまでに歓迎された。


大衆から有難がられることを欲し、
大衆を支配・指導したいがために
「自由」と「好景気」を極度に嫌う彼らこそ、
実は「既得権益層」の最たる存在だった。

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つまり、「外資排斥論」は
資本市場を管理しようとする官僚たちの
巧妙な議論のすり替えだったのだ。


では、ここから何が見えてくるのでしょうか。
そして、我々は何を考えなければいけないのでしょうか。


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<規制が正当化される条件は何だったか(おさらい)>


ここで議論を少し整理してみたいと思います。


「外資規制」を題材にしてきましたが、
それは「外資」の問題ではなく、
「規制」そのものの問題であるとして考察してまいりました。


「規制」は強化すればするほど良いわけでは当然なく、
かといって緩和すればするほど良いわけでもない。


つまり、完全自由競争の経済においては、
「独占」という弊害が発生してしまうため、
「需要者の選択の自由を確保するため」であれば、
「規制」は十分正当化されるということがわかった。



ここは非常に重要なポイントです。


このことは、逆に言うと、

需要側のことを考えずに、
供給側の保身のみのための規制であれば、
それは正当化されない。


ということであり、

規制を緩和していれば、
消費者の選択の幅が広がるのに、
供給側の保身のために規制をかけて、
その可能性を奪う規制はダメだ


ということなのです。

【参考】規制が正当化される条件は何か
http://keyboo.at.webry.info/200802/article_13.html
http://keyboo.at.webry.info/200802/article_14.html


では、この観点から見た場合、
日本の「官」のかける「規制」は
果たして正当化され得るものなのでしょうか。








<本当に正当化できる規制なのか>


さて、ここは理屈をこねくり回すよりも、
実際の例を見て頂きましょう。


これをご覧になって、どのような感想をお持ちになるでしょうか。
本当にこれは消費者の選択を確保するために
かけるべき規制だと言えるでしょうか。

【参考】空港外資規制−天下り先維持のための法改正なら言語道断(ダイヤモンド)
http://diamond.jp/series/keywords/10019/

今回の改正案について、もう1つ頭に入れておくべきポイントがある。それは、空港運営会社や施設関連企業は、国土交通省関連の有力な天下り先であることだ。現在のわが国のシステムでは、それらの企業に莫大な利益が落ちる仕組みが存在する。そこに、官僚は目をつけているのだ。これらの企業には、極めて有力な既得権益が存在し、その既得権益に、多くの官僚OBなどが群がっているという状況なのである。



【参考】国交省に産業界から非難の嵐「役所仕事の悪い面が…」(iza)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/dompolicy/123745/

国土交通省に対して、産業界から大ブーイングが起きている。耐震偽装などの不正を防止するため改正建築基準法が昨年6月に施行されたが、これにより建築手続きがかなり煩雑になって現場が大混乱。住宅着工件数の激減や、中小建設業者の倒産増加といった形で景気の足かせになっているのだ。同省は混乱を収束させようと躍起だが、その対応がまた「お役所仕事」と評判が悪く、火に油を注ぐような事態になっている。



【参考】投信の売れ行きに急ブレーキ サブプライムに加え、金商法が影響(J-CAST)
http://www.j-cast.com/2007/11/11013132.html

野村アセットは「ここ1、2年の動向をみても、株式相場が悪いときに連られて売れ行きが鈍ることはありましたが、50%も減ったことは記憶にありません」と話す。つまり、売れ行きが落ちたのは、株式市場の低迷だけが理由ではないというのだ。投信会社が口を揃えて指摘するのは「金融商品取引法」の施行の影響だ。この法律は、投資家が投資商品を購入するときの説明責任や情報開示など、投資家保護に細心の注意を払うよう定めている。

投信を販売する銀行や証券会社では、たとえば70歳以上の高齢者に販売する場合は家族の同意を求めたり、説明を受けたことを確認するために印鑑やサインを求めたりと、買うまでの手続きが面倒になっていて、「説明の途中で時間がなくなったり、嫌になって帰ってしまう人もいます」(メガバンクの関係者)という。



【参考】ETFで進むウィンブルドン化?〜国内運用会社の不満(日経ヴェリタス)
http://veritas.nikkei.co.jp/scramble/index.aspx?id=MS3Z1900F%2019022008

国内運用会社は国内ETFで多様な商品を投入したい考えだが、それには政省令や法改正を待つ必要がある。一方で、外資系は基本的に「海外ETFの日本での重複上場しか考えていない」(外資系大手運用会社)。東証の場合、3月以降にも海外ETFを自由に上場申請できる状況になるため、規制緩和の実施時期を巡り国内ETFと海外ETFの間で大きな隔たりが生じることになる。

「これは逆差別ではないか」。ある国内運用会社の担当者は不満を漏らす。現在の不安定な国会情勢を考えると法改正の時期は見通しがたたず、最悪の場合、施行時期が来年にずれ込む可能性もある。

〜(中略)〜

多様な国内ETFの設定を可能にする法案は早く通らないものか。低迷する株価同様、不安定な政治情勢はここでもひずみを生じさせている。



私個人的には、
残念ながらそうは見えませんでした。


消費者の選択の自由を確保するどころか、
逆にその自由を奪う結果になっているものが多い。


さらには自分たちの既得権益を守るための
規制も見受けられる。
「空港外資規制」なんかはその典型ですね。


つまり、「正当化されない」規制が多いんです。
だからその規制の行使主体である
「官」が問題となるわけなのです。








<根本的な問題はどこにあるのか>


「格差」の問題を考える際にも見ましたが、
社会全体の効用を高めるという観点からすると、
純粋な資本主義も純粋な社会主義もどちらもダメであり、
政府が一定の関与をして、
再配分機能を果たさなければならない。

【参考】 「純粋資本主義」も「純粋社会主義」もどちらもダメ
http://keyboo.at.webry.info/200802/article_7.html

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その再配分機能には、

● 全体の所得のパイを増やさないやり方(税制)



● 全体の所得のパイを増やすやり方(財政出動) 

2通りがあると考えてきましたが、
「再配分」という意味では、
「規制」もその役割を果たすものと考えられる。


「規制」がなぜ富の再配分機能の役割を果たすのかというと、

「規制を強化する」=「既得権益層の利益を守る」

ということですから、
規制緩和によって恩恵を被るであろう人たちから
その潜在所得を強制的に既得権益層に移転させていると
考えられるからです。


従って、ここで見えてくる問題は何なのか。


それは、

「お上が『再配分機能』を果たすために
一定の関与をしないといけないことは
間違いないのだが、
それを今の日本の政治家・官僚に任せてよいのか」


という問題なのです。

【参考】政府の再配分機能は信頼に足るものなのか
http://keyboo.at.webry.info/200802/article_8.html
http://keyboo.at.webry.info/200802/article_9.html


これこそが日本の抱える根本的な問題であり、
この問題に目を向けることをせずに、
「外資」や「新興勢力」を排斥しようとする行動は、
本当に正しいと言えるのでしょうか。


(最終回に続きます)
http://keyboo.at.webry.info/200803/article_7.html

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
結局は選挙制度を弄らないと駄目なんでしょうね。
hbar
2008/03/05 17:02
hbarさん>
官僚についてはひとまず置いておいて、政治に関しては、日本に二大政党制はまだ早いと思っていますので、おっしゃるように中選挙区制に戻して第三の選択肢が取れるようにするべきだと考えています。しかし最終的には国民自身が政治への参画意識を高めないことには問題は解決しないでしょう。選挙にすらいかないで文句だけを言うのは民主主義を理解していない証拠ですからね。
新快速 播州赤穂行き
2008/03/05 20:41

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