途転の力学

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help リーダーに追加 RSS 「中国分裂」問題・シナリオの再点検(仮投稿)

<<   作成日時 : 2008/03/30 08:00   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 5 / トラックバック 8 / コメント 22

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謹慎中の身ではありますが、
台湾総統選の結果を受けて、
今後の見通しを提示して欲しいというご依頼を頂戴致しました。
まだ十分に思考が詰めきれていないため
どうしようか非常に迷ったのですが、せっかくご依頼頂きましたので、
現時点での私の「予測」を臨時にアップさせて頂こうと思います。
従って、今後「予測」が変わる可能性がある点はご容赦下さい。


また、ご利用の際は、

これは「予測」であって私の「思想信条」ではない

という点も予めお含み置き頂くようお願い致します。
無用な誤解を避けるため、この点は十分ご留意願います。

【参考】当ブログをご覧頂いている皆様へ
(趣旨をご理解頂いた上でご利用下さいますようお願い致します)
http://keyboo.at.webry.info/200803/article_20.html


では、まずはじめに、
今世界中が一番気にかけているであろう
「チベット問題」から見ていきたいと思います。


(注)
この記事は2008/3/26に書いたものですが、
ランキングサイトでの表示の都合上、更新日時を変更する場合がございます。



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<自由を求めるムーブメントが成功するためには>


チベット問題に関しては、今回の出来事によって
「五輪」と「チベット」が完全に人々の記憶に結び付けられましたので、
「一時的な弾圧でもみ消せば終わる」ということにはならず、
このムーブメントは拡大していくものと思われます。

【参考】ここがヘンだよ!北京五輪
http://keyboo.at.webry.info/200708/article_12.html
http://keyboo.at.webry.info/200708/article_13.html
http://keyboo.at.webry.info/200708/article_15.html


ただし、これが成功を収めるかどうかに関しては
いくつかの懸念点が考えられます。


まず北京政府としては、
チベットの要求する「完全な自治」を認める
という可能性は極めて低いと考えられるでしょう。



理由は、分裂が連鎖的に広がるのを怖れていることと、
チベットにある豊富な鉱物資源を手放したくないであろう
と思われるからです。

【参考】チベット高原に銅、鉛など大量の鉱物資源(中国情報局)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0213&f=business_0213_020.shtml

中国地質調査局は中国南西部のチベット高原で新たに銅、鉛、金、銀、鉄の鉱床など600カ所以上が見つかったと発表した。13日付で香港・経済通が伝えた。

銅の埋蔵量は3000−4000万トン、亜鉛・鉛は4000万トンにのぼる見通し。同局では「中国で不足している鉱物資源を補うことになるだろう」と期待を寄せている。


しかし、「独立」を果たすだけなら一つ方法があります。
それは、

チベットが一方的に独立を宣言してしまって、
米国等の主要国がそれを「承認」してしまえばいいのです。


それって、「コソボ独立」と全く同じパターンですよね。

【参考】コソボがチベットに影響 露外相、米欧を非難(産経)
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080318/chn0803181955015-n1.htm


実は、「コソボ独立」は
「台湾独立」の前例というよりは
「チベット独立」の前例となるイベント
だったのかもしれません。



それが実現する可能性は
もう少し見てみなければわかりませんが、
しかし、私はチベットが「コソボ方式」で独立を果たせる
可能性は今のところ低いと考えています。


なぜか。





<「独立」を果たすこと以上に重要な論点>


それは、コソボと違って、
チベットは「軍事的裏づけが弱いから」です。



これは意外に語られていないことかと思いますが、
仮にチベットが「独立」を宣言したとしても、
現実問題として

「チベットの安全保障をどうやって確保するのか」

という問題があるはずであり、
これは「独立」を果たすこと以上に
重要な論点ではないかと思っております。


「軍事的裏づけ」がないまま
一方的に独立を宣言したところで、
今回のように北京政府に弾圧されてしまう可能性が高い。


コソボがセルビアから弾圧されなかったのは、
「NATO」という「軍事的裏づけ」があったからです。

しかし、チベットにはそれがない。

【参考】NATO事務総長「コソボ独立後も責任は継続」(iza)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/123460/


従って、チベットが自由を手に入れるためには、
このムーブメントの拡大がチベットに留まらず、
現状「おいしい思いをしていない層」の結集にまで
つながる必要があるのではないかと考えられるのです。


【参考】中国内部が抱える対立構造
http://keyboo.at.webry.info/200710/article_19.html
http://keyboo.at.webry.info/200710/article_20.html
http://keyboo.at.webry.info/200710/article_21.html


画像



そして、中国とインドの緩衝地帯のような位置づけとして、
多国間での安全保障の枠組みを作る必要があるんだろうと思います。

【参考】多極化時代のパワーバランスを読む
http://keyboo.at.webry.info/200708/article_17.html
http://keyboo.at.webry.info/200708/article_18.html
http://keyboo.at.webry.info/200708/article_19.html


画像

(ちょっと古い絵ですが。。。)


特にチベットは鉱物資源が豊富な点から、
他国から狙われやすいという要素を持っていますので、
それを「どこが」主導で行うのかという点で、
つばぜり合いが起こりそうな気がします。



この点でも米国はもちろん、
インドとロシアの出方に注目だと考えています。

【参考】「中露vs米」から「米露vs中」の構図に変わった!?
http://keyboo.at.webry.info/200803/article_18.html









<選挙を通して見えた台湾の「民意」>


そして、台湾問題なのですが、
今回の総統選及び先の立法院選挙を通して見えた台湾の民意を
私なりに解釈してみると、こんな感じかなと思っています。


「たしかに本土に併合されてしまうのは怖いけど、
現実問題としてそんなことが
起こる可能性って低いんじゃないの?
それよりもメシのタネを何とかしてくれるほうが先でしょ」


という感覚の人が多かったのではないかなあと。

【参考】国際的な問題が先送りされる可能性
http://keyboo.at.webry.info/200801/article_5.html


その感覚が正しい
(倫理的な観点ではなく、正確さという意味での「正しさ」)
かどうかはわかりませんが、
そういう感覚を持っている人からすると、
陳水扁総統の政策は極めて「ポピュリスト的なもの」としか写らず、
嫌気が差されてしまった可能性があるような気がするのです。






<「同胞」ゆえに感じる「シンパシー」>


それともう一つ、これは韓国の人が
北朝鮮に感じる感覚と似ているのかもしれませんが、

台湾の人は我々外様の人間が思っている以上に、
本土に対して「同胞ゆえのシンパシー」を
感じている部分があるのかもしれない


ということです。


だから、「独立」すること自体が目的というよりは、
本土が自分たちの存在を脅かすものでなくなるのであれば、
わざわざ敵対する理由はないという感覚を持つのは自然だし、
実際そう感じている人が我々が考えるよりも多いのかもしれないなと。

【参考】2006年 両岸関係の世論調査総合報告(台湾週報)
http://72.14.235.104/search?q=cache:oJscCAn4z7wJ:www.roc-taiwan.or.jp/news/week/07/070219d.htm+%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E3%80%80%E4%B8%96%E8%AB%96%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E3%80%80%E5%AF%BE%E4%B8%AD&hl=ja&ct=clnk&cd=8&gl=jp&lr=lang_ja&client=firefox-a
(理由は不明ですがキャッシュページになっています)

72%の人は両岸が行っている各種交流が台湾にとって重要性を持っていると考え ており、31%〜36%の人が両岸交流の速度は「ちょうど良い」、25%〜35%の人が「遅すぎる」、20%〜26%の人が「早すぎる」と考えている。調査結果は現在、両岸の交流速度は「ちょうど良い」と考えている人が多数を占めていることを示している。

〜(中略)〜

台湾企業の対中投資に対し、政府が「積極的」に「管理」の責任を担うべきであり、これに賛成する人は賛成しない人を上回り、同時に63%の人が両岸の経済交流の管理強化は台湾にとって有利であると考えていることを明示している。

〜(中略)〜

65%の人が直行便は台湾企業にとって最も利益があると考え、70%近くの人が両岸の週末チャーター便の運行に賛成しており、50%以上の人が、もし、両岸の交通がますます便利になれば中国への観光、居住、就学及び就職といった希望が増えることになると見ている。

〜(中略)〜

全体的には広い意味では「現状維持」が71%〜92%となっており、毎年の調査結果と一致する。「すぐに独立」あるいは「すぐに統一」の比率はごく少数で、10%〜16%だった。

〜(中略)〜

また、67%の人が、もし両岸の経済交流がより密接になった場合、中国は台湾に武力侵攻する可能性はより低くなり、さらに53%の人がもし中国が台湾を武力侵攻した場合には米国が台湾に派兵し助けてくれると考えている。


それが北京政府が
併合のために用いている「アメ」作戦に
台湾が思惑通りになびいているという見方も
できるとは思います。


しかし、北京政府にとっても
(台湾問題には本音では関わりたくないはずというのが私の見方)
「StatusQuo」が最も望ましいはずだと思いますので、
我々外様の意見を置いておけば、
台湾・北京双方にとって、今回の総統選の結果は
お互いハッピーだったと言えるのかもしれません。


【参考】台湾問題とは何なのか
http://keyboo.at.webry.info/200711/article_1.html
【参考】台湾総統選:馬氏当選で中台関係に春(朝鮮日報)
http://www.chosunonline.com/article/20080324000013


もちろん、馬新総統もどのような出方をしてくるかわかりませんので、
もしかしたら憲法改正をして本土の領有権放棄という
「ワザ」を出してくるかもしれません。


ただ、これまでの「融和」路線を継承するという
下馬評どおりに事が進むのを前提で考えるならば、
もう一つのシナリオを考えておく必要があるような気がしています。


それは「中台融和・反日転換シナリオ」です。








<「台湾」が日本にとって「脅威」となる可能性>


もし台湾と中国本土が「StatusQuo」のまま手を取り合って、
外交面でも協力する関係なんかになったとしたら、
あれだけの軍備を持っていて、
しかも尖閣諸島の領有権も主張している台湾は、
日本にとって実は新たな「脅威」となる可能性があります。

【参考】中華民国(wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E6%B0%91%E5%9B%BD

さらに、日本の主権下にある尖閣諸島に1969年、「青天白日旗」を掲揚し、付近海域の石油採掘権をアメリカ企業に与えた上に、1971年6月以降は中華人民共和国による同様の主張に対抗するべく、領有権を主張している。

〜(中略)〜

中華民国では、沖縄地域を「琉球」と称し、貿易統計の項目や世界地図の色分けでも「日本」と「琉球」を区別してきた。これは、琉球王朝が明および清朝と進貢関係にあったこと、また、アメリカによる日本への沖縄返還が中華民国政府との協議を経ずに進められたことを不満として、沖縄地域に対する日本の主権を認めるか否かについて態度を曖昧にしているためである。したがって、上記「中華民國全圖」の(沖縄の日本本土復帰後に発行されたと思われる)地図において沖縄と中華民国の間に国境線が無いのはミスによるものではない。


私が台湾が憲法改正をして
台湾以外の領有権を放棄する必要がある
と言った理由はここにあるのです。


【参考】台湾「独立」の要件とは何か?
http://keyboo.at.webry.info/200711/article_2.html


日本では北京との対比から
盲目的に台湾を擁護する意見が少なからずありますけど、
それには十分注意したほうがいいと思っております。


これは私の勝手な推測に過ぎませんが、
中国本土の(特に沿岸部の人たちの)中には、
「はるか西側にいる異民族と同居するよりも、
近くの同胞である台湾と仲良くした方がいいんじゃないの」
と考えている人が少なからず居るのではないかと思うんですね。


そういう人たちから見れば、
中台関係は「StatusQuo」が一番望ましいわけですし、
このあたりの事情も、分裂する火種があっても
なかなか中国が分裂しない要因の一つなのかもしれません。





<まとめ>


以上、論点整理なく色々書いてしまいましたが、
ポイントとしては、

● 「チベットの独立」は「中国の体制転換」と
  セットでないとその実現可能性は高くないのではないか


という点と、

● その「体制転換」のためには
  現在「おいしい思いをしていない層」の結集が
  恐らく必要なのではないか


という点かと「現時点では」考えております。

【参考】台湾「独立」が爆弾になる可能性
http://keyboo.at.webry.info/200711/article_4.html

画像




そして、もう一つ注意しておかなければいけないのは、

もし「体制転換」が実現した場合でも、
それが日本にとって「ばら色」の姿になるのか
というと必ずしもそうとはならない可能性


も考慮に入れておく必要があるという点です。


その一つの可能性として、

本土沿岸部と台湾の融合、
そしてその融合勢力が結託して
日本に矛先を向けるというシナリオ


は頭の片隅に置いておくべきかもしれません。


こう書くと私が「台湾」を嫌って
「本土」に肩入れしていると誤解される方が
出てきたら困るのですが、そうではありません。
あくまで可能性の一つとして排除すべきでない
シナリオであるということを申し上げたいだけです。


もちろんこれは実現して欲しくない
シナリオであることは言うまでもありません。
みんなが日本と仲良くしてくれれば
それに越したことはないわけですから。


(ご訪問頂きありがとうございました。
今回は臨時に記事をアップさせて頂きました。
正式な再開はまた時期を見て行いたいと思います。)


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コメント(22件)

内 容 ニックネーム/日時
「中露vs米」から「米露vs中」の構図に変わった!?
という可能性を慎重に読んでいかなければならないのはわかるのですが、
その他に、
「米中vsその他」という図式への推移の可能性も少なからず見えている気がするのですがいかがでしょう?
gujin
2008/03/27 02:30
gujinさん>
コメントありがとうございます。ご質問の件に関しては再開第一稿のエントリーとして回答させて頂きたいと思います。少しお時間下さい。結論だけを超簡単に述べますと、今世紀の最大のテーマの一つが「資源確保」であることを考えると、「米・露」は共存できるが「米・中」は共存できないのではないかと。そしてその観点から見た米国の最大の競争相手はロシアではないということではないかと考えております。
新快速 播州赤穂行き
2008/03/27 08:57
台湾についての情報、以下のサイトも参考になるかも知れません。
http://blogs.yahoo.co.jp/kim123hiro
敬介
2008/03/27 21:25
おお、この勢いで謹慎なんか解いてください。
中国はチベット人を何人殺そうが、資源の確保のため、統一を維持しようと考えるでしょうね。やがて台湾とは、組めるところは組んで、周辺を脅かすこともあると思います。もともと外交ですべてが一致なんてありません。組めるところ、組めないところを使い分け、押したり引いたりで国益を確保してゆくものと思いますが、ウチの国は、白か黒かとここだけ江戸っ子になってしまうんですよね。おかげでJAPAINです。
SAKAKI
2008/03/28 22:37
ヒステリックな口吻に、言葉を尽くして冷静に対応なさっている途転さんに感服しました。でも、もうそんなにお気遣いなさらず、思い通りに書いて下さいませ。又の更新を心待ちにしています。
野良
2008/03/29 16:00
初めてですが、一言だけお送りし度いと思います。
休筆宣言以降も毎日覗いています。
仮復帰が見られ嬉しく思います。
一日も早い完全復帰をお待ちしています。
パパ
2008/03/29 16:06
お久しぶりです。冷静な分析主義、バランス感覚と 妙にユーモアと熱い心のある此処ブログ。とても好きです。頑張ってください。 安倍以降日本丸は操舵室を空けて厨房に集まってもめるばかりのような気がします。大きな編成期の波に船は不安ですね。
さるさ
2008/03/30 14:30
>本土沿岸部と台湾の融合、そしてその融合勢力が結託して日本に矛先を向けるというシナリオ

この場合、恐らく上海沿岸部(南)VS北京&内陸(北)になるでしょうが、どちらが強いか?上海沿岸部は海陸両面から攻められれば終わりです。従い、台湾と結託したとしても日米とは対決しないと思いますが。また、米ロ接近とは言ってもそれはあくまで中共が一枚岩で脅威である間に限った話なので、中共が分裂すればロシアは米国への対抗上北京側を支援するのではないでしょうか?
tousan
2008/03/31 05:59
SAKAKIさん>
こないだたまたま竹中さんの講演をBloombergで見ていたのですが、彼がロンドンで講演をしていたちょうどその時に例の「JAPAIN」の記事が出たんだそうです。彼はその中で「Perception is a part of the reality.」と言っていたのが印象的でしたね。「外交ですべてが一致なんてない」というのはまさにおっしゃる通りだと思うのですが、外交における「本音」と「建前」の使い分けが下手だというか、どうも「プロパガンダ」というか「インテリジェンス」の部分で日本は決定的に世界に劣っているように思います。「江戸っ子」になる必要のない時にだけ「江戸っ子」になってしまうんですよね。痛い。。。
新快速 播州赤穂行き
2008/03/31 13:40
野良さん>
コメント及びお気遣いありがとうございます。「言葉」だけで自分の思いを表現しつくすのはなかなか難しいのですが、またみなさんにご覧いただけるような記事を書きたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願い致します。
新快速 播州赤穂行き
2008/03/31 13:40
パパさん>
コメントありがとうございます。もうまもなく復帰させて頂こうと考えておりますので、またこれまで同様よろしくお願い致します。お気遣い感謝致します。
新快速 播州赤穂行き
2008/03/31 13:41
さるささん>
ごぶさたです。コメントありがとうございます。厨房で国会議員が揉め事が起こっている裏で、着々で足場を固めている官僚組織の影が日本を暗く覆ってきているような気がしており、国会のねじれ現象なんかよりもこっちの方がよっぽど危険に思えてなりません。船長も副操縦士も完全に官僚の「マリオネット」になってしまっています。暫定税率と環境問題を絡めてくるなんて詭弁も甚だしいのですが、それに突っ込みを入れる人もいない。私も含めた国民の民度の低さが現れているんだと思います。ちょっと話が逸れてしまいましたが、今後ともよろしくお願い致します。
新快速 播州赤穂行き
2008/03/31 13:41
tousanさん>
コメントありがとうございます。おっしゃられているシナリオも十分考えられると思います。ただ、中国が仮に分裂した場合、その分裂後の姿の青写真は私にはtousanさんのようには正直描けておりません。なぜなら「核兵器」を誰が握るのかによって地図がガラッと変わる可能性があると考えているからです。そしてそれがどこにあるのか外部の我々にはわからないわけです(知ってる人いるのかな?)。また上のSAKAKIさんのコメントにもありますように、外交は全てが一致するということはあり得ないわけですから、仮に中台と日米の全面対決がないと仮定しても、それが個別案件ベースでも日本にとって脅威とならないかというとそういうことではない考えています。
新快速 播州赤穂行き
2008/03/31 13:41
(続き)
また米露接近の永続性に関しては、私もtousanさんのような認識を持っているのですが、ただ中国が分裂したら即ロシアが北京側に回るかと言うとそれはどうかと今のところはよくわかりません。分裂してもロシアにとって(膨大な人口を抱える)中国は潜在的脅威であることは変わりないわけだし、それは米国のロシアに対するスタンスとロシアにとっての中国の利用価値との兼ね合いで決まるのではないかと思われます。以上即興で書いてしまいましたので、これらの問題もまた時期を見てじっくり考察したいと考えております。
新快速 播州赤穂行き
2008/03/31 13:42
 結局のところ、米中の連携は今後も進んでいくと思われます。米国はひきこもるのが前提にあるわけですからアメリカがやる気の無い状況においてはエネルギー云々が米中関係を決定的に悪化させるシナリオは考えにくい。そこでポイントになってくるのはやはりロシアになります。日本はそのときにどういった立ち位置をとるべきかが今後の鍵になりそうです。
 チベット、台湾について。チベットの方は欧州の反応の勢いを見る限りこのままフェイドアウトしていきそうです。どうも本気さや勢いが感じられない。台湾については完全に勘の域ですが、何気に中国とは距離が離れるような気がします。理由としては今後の展開としてはますます米中とその他の関係が露骨になっていくからです。つまり変化の途中であり、その内部で動くリスクはとってこないだろうと、こんなところです。
鮫島
2008/04/01 01:54
鮫島さん>
コメントありがとうございます。米中関係をどう見るかは、数ある二国間関係の中でも一級品の複雑さを呈していますので、予測はなかなか難しいですね。頂いたご意見も十分考えられるシナリオだと思います。私もそれをメインシナリオと考えていた時期がありましたし。ただ、私は米国が「ひきこもる」というのがどの程度の引きこもり具合かにもよると思いますが、かつてのような「モンロー主義」に回帰するという選択は、心情面は別にしても現実的には難しいのではないかと考えています。米国の巨額の貿易赤字にそのことが現れていると思うんですね。貿易収支が赤字と言うことは、自分たちの欲しいものは外国から手に入れる必要があることを意味しているという一面もあるわけですが、金融以外が半ば空洞化している今の米国が本当に「引きこもる」ことができるのかというと、ちょっとそれは難しいんじゃないかと。
新快速 播州赤穂行き
2008/04/01 12:05
(続き)
ということは「新帝国主義」という言葉が適切かどうかはわかりませんが、海外にある「限りある果実(=資源)」の取り合いに参加せざるを得ない状態になっている。その「配分」が秩序だって行われるうち(均衡が保てている状態)は表立った問題は生じなかったのですが、その「秩序」を台頭してきた中国が乱そうとしている。そしてその動きに世界中が警戒している。なので、その「秩序」を乱す動きを一旦止めないといけない。それが「崩壊」させるためのバブル形成であり、場合によっては中国の「分裂」もあり得ない話ではないのかなと。そういう意味で中国は米国にとって潜在的な「仮想敵国」であり続けていると私は考えています。
新快速 播州赤穂行き
2008/04/01 12:05
(続き)
もちろん「秩序」が回復した段階でまた手を握りあう可能性は十分あると思いますが(生かさず殺さずうまいこと「利用する」という観点。日本に対しても同じ)、今のところはそんな感じで見ております。また、ロシアがカギになるという見方は恐らく同じ認識だと思います。あと、チベットのフェイドアウトの可能性については、私はまだ判断できる段階ではないのかなと思っていますが(結論をわざと引っ張っている可能性もある。まだ8月まで時間があるので)、それも含めたサルコジの活発な立ち回りが最近気になっています。いずれこの辺りのこともエントリーで起こしたいと思っています。
新快速 播州赤穂行き
2008/04/01 12:06
チベットにはかつてCIAが関わっていた事がありますね。今時アメリカも中国を敵に廻してまでチベットを支持するメリットがないので、チベットはむしろ中国叩きのネタにされているような印象も一方ではあります。

私は中国人、台湾人、香港人から東南アジア華僑まで知人が多いですが、その中で見ているといつでも感じるのが、台湾人があくまでも「中華」だという事です。政治的に対立していようが、彼等の関係は「近親憎悪」に近いものがあるし、中国から見れば台湾人が「中華の内輪」で、日本人が「中華の外側」という、それ位の距離感の隔たりがあります。

日本のアンチ中国層には、反中感情から台湾を美化する論調が強いですが、彼等が親日親米になる理由は単に中国の脅威であり、国際的に弱い立場にあるからであって、その中身は中華な人達です。実際そういう「中華な意味」では台湾は信用してはいけないと思っていますが、それを言うとかなり日本の右派の人達から「感情的」に噛み付かれます。
文太
2008/04/07 03:42
しかし日本が8年間戦争をした相手は国民党であり、仰る通り国民党台湾は尖閣諸島の領有権を主張していますが、日本との関係をこじらせたくないから黙っているだけと、そういう面はあると思います。

ネットで出回っている情報で仰天したのが「蒋介石が東京裁判で涙ながらに南京大虐殺はなかったと主張した」という話ですが、東京裁判の時点で国民党は中国政府であり、東京裁判に対し「30万人」という数字を提出しており、そのトップである蒋介石がそれを覆す発言をする筈がないのに、中国憎さの余り敵の親玉の蒋介石を美化するとは、どういう論理なのだか理解に苦しみます (笑)

現状維持を望んでいるのはむしろ台湾で、中国は建前的にはそれは認めないでしょうね。というのは、中国は徹底的に国民党悪玉教育を行っており、中国国民が台湾に対して悪感情を持っているので、中国が今更その方針を撤回するのは難しいだろうし、つまり中国にとっての「現状維持」とは、軍事侵攻しないまでも台湾の領有を主張し続ける以外の選択はないと思います。
文太
2008/04/07 04:12
文太さん>
コメントありがとうございます。単純な発想なのかもしれませんが、やはり今の世界の潮流は、「膨張しすぎてしまった中国をどうにかしないといけない」という流れになっているんだろうと思います。おっしゃるように米国は「オモテ」に出てくるメリットは小さいので、プロパガンダに徹するのだろうとは思いますが。直接的なバイオレンスがオモテに出るか出ないかの違いはありますが、この動きはかつて目覚しい経済発展を遂げた日本が、あの手この手でバッシングされた様によく似ているような気がします。台湾の見方は私も文太さんと同じような見方をしていると思いますので、所詮打算的に見ておく必要があるのだと考えています。あと、中国本土が「建前上」台湾と和解できないというのも、その通りなのでしょう。その際の視点としては、やはり中国本土における「人民解放軍」の存在が大きいのだろうと思います。
新快速 播州赤穂行き
2008/04/07 13:25
(続き)
革命によって生まれた政権は、その支配の正統性を軍事力に頼るしかなく、その意味で「人民解放軍」の存在は指導部にとっては無視できない。そして、彼らのレゾンデトールは「緊張関係」にあるわけですから(平和になったら軍の存在意義が失われるので)、ご指摘頂いた「国民党悪玉教育」と加えて、こうした事情も中国が振り上げた刀を下ろせない事情なんだろうと思います。逆に言うと、見方によっては中台関係は、永遠に武力衝突のない「作られた緊張関係」であると言えるのかもしれません。
新快速 播州赤穂行き
2008/04/07 13:26

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