途転の力学

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help リーダーに追加 RSS 排斥感情のウラにあるものは何なのか(外資排斥論は本当に正しいのか:その6)

<<   作成日時 : 2008/03/04 12:54   >>

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これまで考察してきた「外資規制」の問題は、
規制そのものの是非を問う問題であり、
それは「日系」であろうが「外資」であろうが
同列で論じるべきものであるはずだし、
それでも外資に買収されるのを防ぎたいのであれば、
「そもそも上場しない」というのが合理的判断となる。


従って、市場全体に影響を及ぼす資本規制は
正当化されない可能性が高いことがわかった。

【参考】これまでの議論の過程
http://keyboo.at.webry.info/200802/article_12.html
http://keyboo.at.webry.info/200802/article_13.html
http://keyboo.at.webry.info/200802/article_14.html
http://keyboo.at.webry.info/200802/article_15.html
http://keyboo.at.webry.info/200802/article_16.html



合理的に判断すれば
「資本規制」をかけるのではなく、
「上場しない」という判断が正しいはずなのに、
では、なぜ賛成派は「外資規制」を主張するのか。
その背景を探る必要がありそうです。


そう考えると
ちょっとおかしなことに気がつきませんか。



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<「対外資」だけではない「排斥感情」>


私たちは、この「外資」に対する憎悪にも似た「排斥感情」を、
別の場面でも遭遇した記憶がないでしょうか。

【参考】「M&Aを止めろ!」キャンペーン(トラックバックピープル)
http://tbp.jp/tbp_9217.html
【参考】郵政民営化とは、郵政ロックフェラー化の事だったんです。
http://www15.ocn.ne.jp/~oyakodon/newversion/yuuseiminneika.htm
【参考】「スティール・パートナーズはハゲタカ」と国益を考え骨太な発言を続ける経済産業省・北畑隆生事務次官(2億5540万の瞳 ビューティフル・ジャパン)
http://fadjap.exblog.jp/5750428/
【参考】サンプロはなぜ外資の手先ばかり出すのか?今でもホリエモンを称賛する木村剛と竹中平蔵(株式日記と経済展望)
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/541d18b06c4cff9c76cf64a9c2419882
【参考】平蔵・木村は外資の手先(2ちゃんねる)
http://money.2ch.net/eco/kako/1034/10342/1034260813.html


そう、この人たちに向けられた「排斥感情」と
非常によく似ていますよね。

【参考】堀江貴文(wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A0%80%E6%B1%9F%E8%B2%B4%E6%96%87

ほぼ同時期に発覚している日興コーディアルグループ、カネボウの粉飾決算問題等の額の違いや悪質性、量刑、逮捕者が出てないこと、検察やマスコミの対応が違い過ぎるとの声がある。



【参考】村上ファンド(wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%91%E4%B8%8A%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%89

インサイダー取引事件での実刑は異例であり、インサイダー取引と認定される事例が増えてしまうのではないかという不安や、裁判官は、結局は利益至上主義を罰したかっただけであり、法曹の世界には証券、金融業のプリンシパル、メカニズムを理解している人が非常に少ないのではないかといった意見がある。



「外資」に対する「排斥感情」と
「外資でない」
ホリエモンや村上ファンドへの「排斥感情」。



非常に似ているように思われる両者の「排斥感情」。
この共通点は一体何なのでしょうか。









<「排斥」を擁護する勢力の存在>


一つは「成功者に対する嫉妬」です。
この「嫉妬」という日本人が極めて強く抱いている「感情」が、
出る杭を打つという「排斥感情」生んでいるのです。

【参考】格差拡大に対する不快感の弾力性の高さ
http://keyboo.at.webry.info/200802/article_4.html
【参考】時代の大きな変化に対する不適合症
http://keyboo.at.webry.info/200802/article_6.html


では、この「出る杭を打つ」という感情は
どういう行動をもたらすのか。


それは「既得権益を守る」という行動であり、
そのことは、買収を持ちかけられて
拒否反応を示している経営側の反応を見ればわかります。

【参考】サッポロHD、スティールの買収提案拒否
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20080227AT1D260A326022008.html

経営方針が不明確などスティールには「真摯(しんし)に経営に参加する意志がない」とした上で、買収はサッポロHDの株主全体の利益を損なうと判断した。


【参考】ブルドック、買収防衛などで19億円の赤字
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/102827/

防衛策発動の結果として赤字になった点についてブルドックは「中長期的にみて、スティールが株を取得すれば企業価値が損なわれると判断した。間違ったとは思っていない」(佐藤貢一取締役)と説明した。


【参考】TBS 楽天に事実上のゼロ回答
http://www.sponichi.co.jp/society/special/2005raku-tbs/KFullNormal20051117014.html

楽天の経営統合提案に対するTBSの最終回答案の概要が16日、明らかになり、経営統合を切望する楽天にとって事実上のゼロ回答となることが分かった。



この彼らの反応は、
自らの「保身」のためでないと言い切れるのか。

本当に「株主利益を損なわない」ものであると言えるのでしょうか。

(注)
もちろん、買収側の彼らが100%正しいと言ってるわけではないですよ。
しかし、買収される側のこのリアクションは本当にこれでいいのか
という疑問を投げかけているわけです。



そして、この「保身」の動きを
異常なまでに擁護する発言が
何とこんなところから飛び出してきたのです。

【参考】デイトレーダーは「バカで無責任」経産省次官が失言
http://www.zakzak.co.jp/top/2008_02/t2008020801_all.html

経済産業省の北畑隆生事務次官(58)が先月、株の短期売買を繰り返すデイトレーダーや投資ファンドを「バカで強欲で無責任で脅かす人」などと誹謗(ひぼう)中傷していたことが明らかとなり、大きな波紋を広げている。

〜(中略)〜

同次官は官房長在任中、部下が省内の裏金を使って株で運用益を得ていたことが発覚。監督不行届きで戒告処分を受けた“前科”もあるだけに「デイトレの功罪を語る資格があるのか」(キャリア官僚)と厳しい指摘も出ている。



そう、
その出所はなんと「官僚」なんですね。


この官僚のむき出しの「排斥感情」が、
今回のシリーズを解く大きなカギとなるのです。


では、彼らはなぜそんな感情を抱くのでしょうか。
そして、それは何に対する拒否反応なのでしょうか。








<排斥感情のウラに潜む「生存本能」>


「ホリエモン」や「村上ファンド」や
「スティール」や「デイトレーダー」という存在は、
これまで見られなかった「新種の金持ち」の部類に入ると思います。

【参考】時代の大きな変化に対する不適合症
http://keyboo.at.webry.info/200802/article_6.html


では、彼らのような存在はなぜ生まれたのでしょうか。


それは、

経済のグローバル化によって規制が緩和され、
「より自由な経済活動ができるようになったから


ですよね。

【参考】世界を読み解く3つのキーワード
http://keyboo.at.webry.info/200708/article_9.html
http://keyboo.at.webry.info/200708/article_10.html
http://keyboo.at.webry.info/200708/article_11.html


このような環境で生まれた彼らは、
「自由な環境を求める」存在であり、
「自由な環境を求める」ということは、
「自由を阻害するもの」つまり「既得権益」を否定し、
破壊しようとする存在になる。



そして、その欲求は
当然「政府の関与を否定する」ことにつながるわけですから、
自分たちの存在利益を守りたい「官僚」とは、
決定的に利害が対立してしまうわけです。


自分たちに痛みが伴う改革を自らできる人はそういない。


官僚だって同じである。
自分たちの裁量と取り分が減ってしまう
「小さな政府」を官僚自身が
望んでいるはずなどないのです。


【参考】財務省は経済成長が嫌い/若田部昌澄(早稲田大学教授)
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20080215-01-1401.html

こうしてみると、「財務省は増税には賛成する一方で政府資産の売却には反対する。歳出に対しては抑制的であるものの、それもある程度の範囲内にとどまる。そして景気安定化のためのマクロ的政策の発動には消極的である」という特徴が浮かび上がる。このことが意味することは何か。まず財務省のめざすのは明らかに「小さな政府」ではないということだ。

〜(中略)〜

次に、財政赤字への忌避と懸念がある。これは金庫番としての財務省の本質にかかわるが、より具体的には予算編成における自由裁量部分を確保したいという利益とつながっているのだろう。

〜(中略)〜

金庫番としての財務省の財務当局としての本性は変わりようがないし、予算拡張傾向をもつほかの省庁を抑えるには必要でさえある。問題はその財政保守主義が経済政策運営に多大な影響を及ぼしていることだ。



自分たち(官僚)は、
一般大衆から有難がられなくてはいけない。
そのためには景気は悪い方がいいし、
政府は大きい方がいいに決まっている。


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だから、そんな自分たちの存在を脅かすものは
徹底的に否定し排除しにかかるわけだ。


これは「合理的判断」ではなく
彼らの「生存本能」なのです。



以上のことがわかれば、先の大物官僚の発言が
「合理的判断」ではなく、
資本市場を管理しようとする勢力の
巧妙な議論のすり替えであることがわかるし、
今回の「外資排斥論」の問題で、
本当に考えないといけないことが見えてくる。


そして、この先に見えてくるものは、
これまで当ブログをご覧になって頂いた方にとっては、
妙なデジャヴ感をもたらすものなのです。

(その7に続く。あと1〜2回で終わります。)
http://keyboo.at.webry.info/200803/article_5.html


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