途転の力学

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help リーダーに追加 RSS 小沢代表辞任の真相を探る(その1:連立の「根拠」に対する疑問と小沢の苦悩)

<<   作成日時 : 2007/11/05 16:30   >>

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自民党総裁選で明らかになった政局の5人の役者たち。
小泉が政局に絡む意志を見せて先手を打ち、
野中が「大連立」打診で仕掛けたが、
大博打を打ったのはやはりこの人小沢だった。

【参考】ポスト安倍と政界再編の可能性を探る
http://keyboo.at.webry.info/200709/article_23.html
http://keyboo.at.webry.info/200709/article_24.html
http://keyboo.at.webry.info/200709/article_25.html
http://keyboo.at.webry.info/200709/article_26.html


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自民党との連立政権樹立を党内に打診して
拒否された民主党の小沢代表は、
突如、代表辞任の意向を発表しました。

【参考】民主党の小沢代表、辞職願提出「党内混乱の責任取る」(読売)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20071104it04.htm

小沢氏は記者会見で、「民主党代表としてけじめをつける。党首会談で要請のあった連立政権の樹立をめぐり、政治的混乱が生じたことを受け、代表を辞することを決意し、辞職願を提出し、執行部に進退をゆだねた」と述べた。


この話は福田・小沢のどちらが持ちかけたのかで
舌戦となりましたが、読売は「ナベツネ」さんが
大連立構想を支持していたこともあってか
こんな記事を出しています。

【参考】「民主党内、絶対まとめる」大連立は小沢氏が持ちかけ(読売)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20071104i101.htm

小沢氏は「これで決める。(連立参加で)私が党内をまとめます」と明言。首相が「大丈夫ですか」と問いかけると、小沢氏は「絶対にまとめます」と重ねて強調した。そもそも、10月30日の最初の党首会談を持ちかけたのも小沢氏の側だった。打診は10月半ば。30日の会談では、2日の再会談を確認するにあたり、31日の国会の党首討論をどうするかが話題になり、首相は予定通り行うことを主張したが、小沢氏は難色を示し、延期が決まった。


【参考】大連立協議の裏に「ナベツネ」 混乱に拍車(iza)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/96792/


この「どちらから」というのは
非常にデリケートな問題のようで、
この報道に激怒した小沢氏は辞任会見でマスコミ批判を展開。

【参考】小沢氏、「連立持ちかけは全く事実無根」と報道を批判(読売)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe8400/news/20071104ia26.htm


どっちから仕掛けた話であろうが、
双方とも自分からとは「タテマエ上」言えないでしょうが、
福田・小沢両方とも連立の意思があったことだけは間違いない。

【参考】連立持ちかけ 首相「あうんの呼吸、そんな感じ」(朝日)
http://www.asahi.com/politics/update/1105/TKY200711050139.html

連立協議をどちらが持ちかけたかについては、「互いにそういう気持ちが多少でもないと、そういうことにならない。あうんの呼吸、そんな感じじゃないか」と語った。


しかし、小沢氏は民主をまとめきれず
あえなく連立は断念。自らは代表を辞任。


この小沢の一連の行動の真意は何なのか。
そして、これは彼の計算どおりの筋書きだったのでしょうか。


今回はその「ナゾ」について、
勝手に推察してみたいと思います。
(思いっきり仮説かつやや小沢さん寄り(?)です)





<辞任会見で語られた連立の「根拠」に対する疑問>


まず、安倍さん辞任の時の考察手法と同様に、
小沢さんの場合も、辞任表明会見から見てみることにしましょう。
ちょっと長いですが、引用させて頂きます。

【参考】小沢氏辞任会見詳報(iza)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/071104/stt0711041742006-n1.htm

(引用)**********************************************

民主党代表として、けじめをつけるに当たり、私の考え方を一言申し上げる。福田総理の求めによる2度の党首会談で、総理から要請のあった連立政権の樹立をめぐり、政治的混乱が生じたことを受け、民主党内外に対するけじめとして民主党代表の職を辞することを決意し、本日、鳩山由紀夫幹事長に辞職願を提出し、執行部をはじめとして同僚議員の皆様に私の進退を委ねた。

 ひとつ。11月2日の党首会談において、福田総理は衆参ねじれ国会で自民、民主両党がそれぞれの重要政策を実現するために、民主党と連立政権を作りたいと要請するとともに、政策協議の最大の問題である、わが国の安全保障政策について、極めて重大な政策転換を決断された。

 そのポイントは、1、国際平和協力に関する自衛隊の海外派遣は、国連安保理、もしくは国連総会の決議によって設立、あるいは認められた国連の活動に参加することに限る。したがって特定の国の軍事作戦については、わが国は支援活動をしない。2、新テロ特措法案は、できれば通してほしいが、両党が連立し、新しい協力態勢を確立することを最優先と考えているので、連立が成立するならば、あえてこの法案の成立にこだわることはしない。福田総理は、その2点を確約された。

 これまでのわが国の無原則な安保政策を根本から転換し、国際平和協力の原則を確立するものであるだけに、私個人は、それだけでも政策協議を開始するに値すると判断した。

 ふたつ。民主党は先の参院選で与えていただいた参院第一党の力を活用して、マニフェストで約束した年金改革、子育て支援、農業再生をはじめ、国民の生活が第一の政策を次々に法案化して、参院に提出しているが、衆院では依然、自民党が圧倒的多数を占めている現状では、これらの法案をいま成立させることはできない。逆にここで政策協議を行えば、その中で国民との約束を実行することが可能になると思う。

 3番目。もちろん民主党にとって、次の衆院総選挙に勝利し、政権交代を実現して国民の生活が第一の政治を実行することが最終目標だ。私もそのために民主党代表として全力を挙げてきた。しかしながら民主党はいまださまざまな面で力量が不足しており、国民の皆様からも、自民党はダメだが、民主党も本当に政権担当能力があるのかという疑問が提起され続け、次期総選挙での勝利は大変厳しい情勢にあると考えている。

 その国民みなさんの疑念を払拭(ふっしょく)するためにも政策協議を行い、そこでわれわれの生活第一の政策が取り入れられるならば、あえて民主党が政権の一翼を担い、参院選を通じて国民に約束した政策を実行し、同時に政権運営への実績も示すことが、国民の理解を得て民主党政権を実現する近道であると私は判断した。

 また政権への参加は、私の悲願である政権交代可能な二大政党制の定着と矛盾するどころか、民主党政権実現を早めることによって、その定着を確実にすることができると考えている。

 4つ目。以上の考えに基づき、2日夜の民主党役員会において、福田総理の方針を説明し、政策協議を始めるべきではないかと提案をしたが、残念ながら認められなかった。それは私が民主党代表として選任した役員の皆様から不信任を受けたに等しいと考えている。よって多くの民主党議員、党員を指導する民主党代表として、また党首会談で誠実に対応してもらった福田総理に対し、ケジメをつける必要があると判断した。以上が私のコメントだ。

(引用おわり)**********************************************


この会見で小沢さんが言いたかったことは何か。
私が印象に残った部分は以下の3点です。


@ 福田総理は「安保政策」に関して、自分の主張に
  完全に譲歩した点を評価


A 民主党の政権担当能力には疑問があり、
  次期衆院選は厳しい戦いになる


B 自分たちの政策を実現させるためにも
  自民党との連立を党内に打診したが拒否された
  ため、代表辞任を決断した



つまり、福田さんの政策転換を高く評価し、
民主党の政権担当能力のなさを痛烈に批判している。
一見すると、とても「民主党」代表の発言とは
思えない内容です。


たしかに、この会見内容は、
安倍さんのそれと比べれば、
わかりやすいものとなっているように見えますが、
ここで一つ疑問が沸いてきませんか。


それは、

先の参院選では「生活が第一」というスローガンを
掲げて自民党と対峙したはずなのに、
「生活」とは直接関係のない「安保政策」での合意が
連立の根拠となるという小沢さんの論理は
ちょっと「ヘン」なんじゃないか


ということです。


では、なぜ小沢さんは「安保」で
連立を決断したのでしょうか。





<「政策純化」のタイミングを狙っていた?>


まず考えられるのは、
小沢さんが先の参院選の勝利は、
自民党自滅による「たなぼた」の要素が大きかった
ということが自らわかっていたのではということです。

【参考】小沢民主党大勝の原因を探る
http://keyboo.at.webry.info/200707/article_22.html

(引用)***********************************

「格差是正」をキーワードに、自民党がいわゆる改革政党に変わる
過程において捨てた勢力を見事に拾い上げることに成功したわけですね。
実際の政策はともかく、そういうスローガンを掲げれば地方はついてくる。
地方での一人区の圧勝がそれを如実に現している。

(引用おわり)***********************************


しかし、今度の衆院選は違う。
自民党も参院選の反省から「地方」及び「格差」に
目を向ける姿勢を鮮明にしてきた。
(実現可能性は別にして)


しかも、その選挙参謀は野中の秘蔵っ子の「古賀」だ。
自民党は衰退したといっても今だ地力を残している。


衆院選は参院選と違って、本当の政権選択選挙だ。
それは本当の政権担当能力が問われることになる。
「地方」「格差」をキーワードに自民党が本気を出せば、
層の薄い民主党には不利だ。


【参考】小沢氏、連立急ぎ孤立 総選挙情勢も影響 辞意表明(朝日)
http://www.asahi.com/politics/update/1105/TKY200711050002.html

民主党の総選挙に向けた候補者の擁立作業は遅れ気味で、小沢氏自身、党首会談前に選挙担当議員に「総選挙が早まるかもしれない。擁立作業を急ぐように」と指示したばかり。


それを証拠に「いけいけドンドン」だった7月に比べて
自分たちへの完全フォローの「風」が変わってきた。

それは、古賀氏のこの決意発言にもあらわれている。

【参考】古賀氏「退路断つ」 衆院選敗北なら議員辞職(産経)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/88776/


政治家が自ら退路を断つ発言をするのは余程のことだ。
古賀は何かつかんだものがあるのかもしれない。
そして、小沢自身も自らそれを肌で感じとってしまった。

【参考】小沢氏、連立急ぎ孤立 総選挙情勢も影響 辞意表明(朝日)
http://www.asahi.com/politics/update/1105/TKY200711050002.html

民主党の総選挙に向けた候補者の擁立作業は遅れ気味で、小沢氏自身、党首会談前に選挙担当議員に「総選挙が早まるかもしれない。擁立作業を急ぐように」と指示したばかり。10月下旬に地方行脚を再開した小沢氏は参院選大勝の要因となった地方の動きが鈍いことも感じていたようだ。


これはまずい。


さらに、これは前回の政局ウォッチでも
ご紹介しましたが、民主党は参院で第一党とは言っても
過半数があるわけではない。

【参考】(政局ウォッチ)「大連立」は「アリ」なのか
http://keyboo.at.webry.info/200711/article_3.html


野党共闘で政権とっても組む相手は社民や共産。
そんな野党で政権をとってもうまくやっていけるわけがない。
小沢も磐石ではないのだ。


【参考】「大胆かつ複雑」「成功と挫折」 小沢手法の軌跡(iza)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/97210/

「オレは(海部俊樹政権で)自民党の幹事長をやって、権力も何もかも手に入れたし、どんなものかも分かった。だからもう欲しいものはない。オレにとって、あとはこのお国がどうなるかということだけなんだ」


もし、この「信条」が本当であるならば、
このままなんでも反対で「左」に寄ってしまうのは
自らの本意ではない。


「政策純化」のタイミングを計る必要がある。
まさに「自由党」を結成した「あのとき」と
同じ心境になったのではないか。


【参考】「大胆かつ複雑」「成功と挫折」 小沢手法の軌跡(iza)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/97210/

6年12月には共産党を除く野党を結集して新進党を結成、7年12月には党首に就任した。ただ、旧公明、旧民社など旧政党ごとの溝は埋まらず、寄せ集め状態が続いたことから、小沢氏は「これでは政権をとれない」と政策などでの「純化路線」を推進したが、党内の反発を強め、9年12月に新進党は分党、小沢氏は10年1月、自由党を結成した。


本来であれば、衆院選で勝ってからやるつもりだったのが、
どうも勝てないかもしれないということがわかってきた。


自らの政策を実現させるためには、
衆院選まで待っていられなくなったというわけだ。






<小沢は既に党内にジャブを放っていた>


小沢さんは「安保政策」に関して、
「国連重視主義」へ転換を表明した福田を評価し、
連立に値すると判断するに至りました。


しかし、「国連重視の安保政策」は小沢氏が
かねてからの持論として主張している政策であるが、
「民主党」が党是として以前から掲げていたものではない。


【参考】「国連常備軍」を創設する(小沢一郎ウェブサイト)
http://www.ozawa-ichiro.jp/policy/04.htm


小沢は民主党にとって、
「自由党」から合流した「外様」の存在。
もともとその豪腕振りには警戒感を持っている人が多い。


それでも代表として「豪腕」を発揮できたのは
先の参院選で「選挙に強い小沢」が証明できたからだ。

「選挙に勝つ」というのは
それだけの神通力を持っているのだ。

【参考】全権掌握し選挙戦を展開 小沢氏、党内には不満も(静岡)
http://www.shizushin.com/feature/saninsen/kiji2/2007071601000433.htm


しかし、情勢がそうはいかなくなってきた。
今度の衆院選では勝てないかもしれない。
選挙の洗礼を浴びて負けてしまうと、
退路を断った身としては、もはや復活できない。

【参考】「衆院選にも政治生命懸ける」=小沢代表が民主幹部に表明(名古屋を知るニュースサイト)
http://nagoyasi.blog106.fc2.com/blog-entry-1956.html


世間の下馬評とは裏腹に
実は小沢もピンチに立たされていたのだ。



それがわかっていたからこそ、
小沢は早期「政策純化」のためのジャブを放った。
アフガンへの陸上自衛隊派遣を主張した
いわゆる「小沢論文」である。


【参考】小沢代表論文「政権とればISAF参加」 国連中心強調(朝日)
http://www.asahi.com/politics/update/1006/TKY200710060001.html


そして、こう言い切った。
「反対するなら離党しろ」と。


あまりにも唐突な論文発表に
皆その真意をはかりかねていたが、
実は、これこそがまさに「政策純化」のための
リトマス試験紙に他ならなかったのだ。



そうは言っても、やはりあまりに唐突過ぎた。
党内から異論が続出したのだ。

【参考】異論続々も“剛腕”小沢「イヤなら離党」波紋(ZAKZAK)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/90155/

民主党の小沢一郎代表は10日、党機関誌などで提唱したアフガニスタンの国際治安支援部隊(ISAF)への参加について党内若手などから異論が出ていることについて、「イヤなら離党する以外にない」と断言した。小沢氏としては政党政治における“正論”を述べた形のようだが、今後の党内対立の火種にもなりそうだ。


この小沢のジャブは失敗に終わった。


そして、この出来事が
小沢を「連立」に傾けさせた要因だったのではないか。



思いっきり後講釈なのですが、
小沢さんの心境をこんな風に考えてみました。


そうなると、あとは連立の「タイミング」の問題となるわけですが、
それは次回考察したいと思います。


(次回に続く)
http://keyboo.at.webry.info/200711/article_6.html


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。
「ウェブリブログ」利用の方にはトラックバックが通りません(たまに通る方もいます)。
コメント欄TB(?)で失礼します・・・。m(__)m

小沢さんのするべきこと
http://kihachin.net/klog/archives/2007/11/shinrai.html
喜八
2007/11/05 21:00
こんばんは
小沢さんの心境はこのエントリーに近いと思います。

・参院は単独過半数ではない。
・総選挙も単独過半数をとる確証がない。
・集団安全保障に対して「小沢理論」を採用する

しかし、「集団安全保障」は民主党としては、「完全に理解」されていないため、役員会で否定されました。
@隼人正
2007/11/07 21:40

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