途転の力学

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help リーダーに追加 RSS 「ねじれ解消」の至上命題と限界だった「切崩し作戦」(福田首相辞任の真相と総裁選の行方を探る:その2)

<<   作成日時 : 2008/09/03 08:11   >>

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前任者同様、あまりにも唐突過ぎた
福田首相の辞任劇だったが、実はその予兆は存在した。
それは、何とまたしても「給油」だった。
私たちの知らないところで
福田さんは「給油継続」の約束をしていたのだ。


しかし、その「約束」は福田さんにとって何のメリットもなかった。
前任者がその「約束」によって
消えて行ったのを目の当たりにしていたからだ。


自分も同じ轍を踏むわけにはいかない。
公明党の反対で再議決が使えないので、
「ねじれ」が解消しない限り、
この「約束」が実現するはずがなかった。


【参考】自公幹事長ら非公式会談 臨時国会で大型補正で合意 召集時期溝埋まらず(080813:産経)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080813/stt0808131325000-n1.htm

最大の懸案はインド洋での海上自衛隊の補給活動を継続するための新テロ対策特措法の延長問題。政府・自民党は外交・安全保障上の観点から延長は不可欠として憲法59条の「60日ルール」に基づく衆院再議決を視野に入れ、「9月下旬への召集先送りは難しい」(党幹部)としている。

これに対し、年内解散を念頭に置く公明党は、野党に批判の糸口を与える衆院再議決に慎重姿勢を崩していない。



それがわかっていながら福田さんは「約束」をしてしまった。
というよりも、
「させられたしまった」と考えた方が自然だ。



そして、結果は去年と同じことが起こってしまった。
政権を投げ出さざるを得ない状況に
追い込まれてしまったのだ。


では、なぜ福田さんは「9月1日」に辞任したのか。
そして、その辞任発表のタイミングは
なぜ「午後9時半」だったのでしょうか。



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<昨年の状況と違っていた点>


福田首相が「給油」で散っていったのは、
前任者の安倍さんの「デジャブ」だったが、
福田さんと安倍さんとでは状況が違う点が1つだけあった。


それは今年の11月にブッシュの任期が切れて
米国は新大統領が誕生するということだ。



昨年の安倍さんの状況は、「給油」が継続できなかったら
ブッシュに消される運命にあったが、
今回の場合は違っていた。


なぜなら、最後通牒を与えるはずのブッシュが
先に消える運命にあったからだ。



「させられた」可能性が高いとは言え、
福田さんもただ言質を与えるほど馬鹿ではなかったはずだ。


新大統領がマケインであればまだしも、
オバマになれば、米国自身の方針転換によって、
この「約束」がご破算に出来る可能性があった。



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そこまで福田さんは読んでいたとしても不思議ではない。
だから、安倍さんと同じ轍を踏む道も
選択することが出来たのではないだろうか。


しかし、そう考えるとおかしなことに気づく。


それは、

マケインになることが
まだわかっていないにも関わらず、
なぜ9月の段階で早々と辞任を決断してしまったのか


ということだ。









<至上命題となった「ねじれ解消」>


ブッシュと「約束」してしまったことによって、
「給油継続」は福田首相にとって、
何よりも達成しないといけない懸案になってしまった。


しかし、連立相手の公明党が衆院での再議決に
慎重姿勢を崩さない状況下にあって、
福田さんに残された選択肢は、
参院の「ねじれ現象」を解消すること以外になかった。


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「ねじれ現象」を解消する方策は2つあった。
ひとつは参院民主党を分断させて、
与党側に鞍替えさせることだ。



野党側から「17人」奪うことが出来れば、
参院の「ねじれ現象」は見事に解消する。

【参考】参議院の議席配分(Yahooみんなの政治)
http://seiji.yahoo.co.jp/guide/sangiin2004/

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しかし、これはローリスク・ローリターンの方法だ。
選挙を介さない分断工作はなかなか成功しないからだ。
ましてや、追い風の吹いている野党側から
人を引き抜こうとすればなおさらだ。


そして、もうひとつの策とは、
衆院の「解散総選挙」に打って出て「勝つ」ことだ。


衆院選で勝てば、選挙のためだけにいやいやながらも
我慢して小沢代表に結集していた民主党は必ず割れる。
衆院選での与党の勝利は、「ねじれ」解消につながるのだ。

【参考】続・政界再編の可能性を探る(後編)
http://keyboo.at.webry.info/200802/article_1.html


衆院選で与党が再度3分の2を獲得することは
万に一つもないだろうが、
辛うじてでも過半数を確保して民主党を分断し、
参院での「ねじれ」を解消できれば、
衆院で失う議席よりもよっぽど価値がある。



しかし、衆院で見事に与党が勝てばいいが、
負けてしまえば、全てを失ってしまう。
解散総選挙はハイリスク・ハイリターンの方法なのだ。


だから、これは出来れば使いたくない。
最後の最後まで取っておく必要がある策だったのだ。


では、結果は一体どうなったのでしょうか。









<限界だった「切り崩し作戦」>


オバマが新大統領になって
「約束」が反故に出来る可能性は残されていたが、
それでもマケインになった場合の保険もかけておく必要がある。


当然、いきなりハイリスクの方法を
取るわけにはいかないので、
与党は「ねじれ解消」のための「分断工作」を始めた。


そして、その結果、
なんと、民主党から「3人」の離反を含めた「5人」が
電撃的に新党を結成したのだ。


【参考】民主激震!「参院新党」にあの姫井議員ら5人参加へ(080828:産経)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080828/stt0808281359004-n1.htm

参加予定の民主党参院議員は28日、都内で記者団に対し「民主党は政局優先で国民のためになっていない。(新党結成で)参院の本来の役割を取り戻したい」と述べた。複数の関係者によると、新党には渡辺、大江両氏のほか、民主党の姫井由美子参院議員、無所属の荒井広幸、松下新平両参院議員の計5人が参加する見通しだ。

参加予定議員は「新党は(福田政権に対して)是々非々の立場で臨む」と強調しているが、新党は与党寄りの立場をとるものとみられる。



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これには民主党に激震が走った。
引き抜かれた3人はみな「参議院議員」だったからだ。


しかも、新党結成を小沢代表の出馬表明に合わせて来た。
自民党の分断工作が見事に功を奏したのだ。

【参考】小沢氏出馬に「ぶつけてきたな」(080828:産経)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080829/stt0808290002000-n1.htm
【参考】自民党が切り崩し工作(080829:産経)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080829/stt0808290126001-n1.htm
【参考】新党との協力、首相「できる」(080829:日経)
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080829AT3S2801J28082008.html


これで切り崩しの流れが一気に加速するかと思われた。


しかし、ここで思わぬ大ドンデン返しが待っていた。
それは、当初新党への参加を表明していた「姫」の離反だ。

【参考】「改革クラブ」、4人でスタート=姫井氏は参加を撤回(080829:時事)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080829-00000152-jij-pol

新党に参加する予定だった民主党の姫井由美子参院議員は同日夜、党本部で会見し「(改革クラブが)自民党による民主党切り崩しの受け皿と分かった」として、新党への不参加を表明した。
これにより、新党は渡辺、荒井両氏と大江康弘、松下新平両氏の4人でスタートすることになった。政党助成法は、国会議員が5人以上いることを政党交付金支給の条件としており、改革クラブには交付金は支給されない。



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助成金をもらえるギリギリの「5人」を集めたのに、
9回ウラ2アウト2ストライクからの裏切り。
「4人」と「5人」の差はデカい。


結局政治は最後は「カネ」だ。
新党が頓挫するのも時間の問題かもしれない。


功を奏したかに見えた「切り崩し作戦」は
残念ながら、ここまでが限界だった。
そうなると、残された道は「解散総選挙」しかない。



しかし、これはまだ最後まで使いたくない。
まだオバマになる可能性も十分あるのに、
自らフライングしてリスクを取りに行く必要はない。


少なくとも雌雄が決する11月までは様子を見るのが
賢明な判断だったはずだ。


それなのに、福田さんは、
早々と「9月1日」に辞任を決断した。
これは一体なぜだったのでしょうか。


(すいません。今回は意図せざるして引っ張ってしまいました。
「9月1日」の謎は次回で必ず解明いたしますm(__)m)
http://keyboo.at.webry.info/200809/article_3.html

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