途転の力学

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help リーダーに追加 RSS 「手打ち」を重ねて築かれた壮大な「網」(五輪開催に向けて仕掛けられた中国包囲網:その7)

<<   作成日時 : 2008/05/24 08:00   >>

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2003年に発行された某投資銀行のレポートは
「中国が世界一の経済大国になる」
という最大級の賛辞を送るものであった。
しかし、「安定かつ持続的な」成長パターンを求める
中国政府にとって、そんな賛辞は余計なお世話でしかなかった。
そんなことをすれば、世界中から投資家が殺到し、
溢れるマネーがバブルを引き起こしてしまうからだ。


案の定、このレポートは
中国に「バブル」を引き起こす引き金となった。
そして、目論み通りにバブルは崩壊した。
作戦は成功したのだ。


しかし、これだけではなかった。
為替介入で外貨準備が膨らみに膨らんだ瞬間を待って、
人民元切り上げを断行させた。
安価に放置されていた人民元は一本調子に上昇した。

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そして、それは同時に大半が米ドルで構成される
外貨準備の大幅減価をもたらした。
大量の米ドル保有によって、
中国は米国に人質に取られたのだ。



困った中国は外貨準備を分散化させた。
しかし、米ドルを売ることはできないので、
期待収益の高い株にシフトさせることにした。
ところが、それがさらなる「ワナ」だったのだ。


中国は金融市場においては、
運用経験のない「ズブの素人」だった。
一方の米国は、それが基幹産業であるだけあって、
金融については「プロ中のプロ」だ。

【参考】サブプライム問題で明らかになった米国の事情
http://keyboo.at.webry.info/200804/article_3.html


そんなプロに勝負を挑んでも勝てるはずなどなかった。
カネをたんまり持っている素人は最大の「お客様」だ。
うまくおだてられた結果は猛烈な「はめ込み」だった。
完全に米国に「カモ」にされてしまったのだ。



「ほめ殺し」の威力はかくも強力だった。
しかし、これでも終わりではなかった。
さらに中国を苦しめる「仕掛け」がまだ用意されていた。


実は、この「大仕掛け」に参画していたのは
米国だけではなかったのです。


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<30年間の制裁を解いた「歴史的」合意>


今から約3年前の2005年7月、
米国は「ある国」と「ある合意」を結ぶための
交渉を開始しました。


これは「30年にも及ぶ制裁を解く」という、
40年前の「米中国交正常化」には匹敵しないまでも
「歴史的な」合意に向けた一歩として話題になりました。

【参考】電撃的米中国交正常化のナゾを解く
http://keyboo.at.webry.info/200805/article_2.html


では、「ある国」とは一体どこの国のことなのでしょうか。


それは「インド」だ。
そして、「ある合意」とは「原子力協定」のことなのです。


2005年7月、米印は原子力協力に向けた交渉を開始したのだ。
これは「米国がインドの核保有を正式に認める」ということだ。
この米国の決定は、世界中に驚きを持って受け止められた。

【参考】米印原子力協定にみる米国の対インド政策の転換(三菱東京UFJ銀行)
http://www3.keizaireport.com/file/WDC039.07.pdf

1974 年にインドが核実験を行って以来30 年間、米国は核拡散防止条約(NPT)に加盟しないインドとの原子力協力を禁止してきた。しかし、ブッシュ大統領は2005 年7 月にこれまでの方針を転換し、インドのシン首相との間で原子力協力に向けて交渉を開始することで合意。

〜(中略)〜

そして、2007 年7 月に米印原子力協力協定を締結。同協定は米国がインドに大幅な譲歩を行った形で最終段階を迎えた。



さらに驚くべきことに、
交渉に際して譲歩したのは何と米国の方だった。
そして、その米国の大幅譲歩の結果、
昨年7月、ついに「歴史的合意」に至ったのだ。

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【参考】米国、インドと「歴史的」原子力協定合意(AFP通信:2007/7/28)
http://www.afpbb.com/article/politics/2260456/1923845

27日付のニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙によると、米政府はインドの原子力燃料貯蔵庫の建設支援や、インドに対しる原子力燃料の代替燃料確保、また法的制裁の回避について合意したとされる。

2006年12月、米議会は、インドに対して初めて、民生用核燃料および核関連技術の供給を認める法案を承認していた。これはインドによる核実験に対する30年におよぶ制裁を無効にするものだ。


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(出所)アジアを読む 「米印原子力協定に揺れるインド」(NHK解説委員室ブログ)
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/600/5401.html



つまり、ここからわかることは、

インドと「手打ち」をしたかったのは米国の方だった

ということだ。


イランの核保有は容認しないにも関わらず、
インドの核保有は「ほぼ無条件で」容認した。


これは「ダブルスタンダード」と非難を浴びたが、
それでも米国はインドと和解することを選んだ。

【参考】ブッシュのダブル・スタンダード 崩壊するNPT体制(SENKI:2006/3/25)
http://www.actio.gr.jp/editorial/20060325-1.htm

こうした米国の強硬姿勢に対してイランは、@インド・パキスタン・イスラエルなどNPT未加盟で、核兵器保有や保有が確実な諸国の問題を放置する一方、なぜイランの「平和利用」だけを問題視するのか、A米国は核兵器を保有するインドになぜ原子力技術供与を決めたのか――と米国のダブル・スタンダード(二重基準)を鋭く批判している。イランの「核兵器開発疑惑」の真偽はともかく、ブッシュ政権のダブル・スタンダードは全く道理に反する。


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そうまでして
米国がインドと「手打ち」をしたかったのはなぜなのだろうか。








<もう一つの「手打ち」>


場所は変わって東アジア。
ここにも「核問題」が存在していた。
2005年2月、北朝鮮が公式に核兵器保有を宣言したのだ。

【参考】北朝鮮の核実験 (wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E3%81%AE%E6%A0%B8%E5%AE%9F%E9%A8%93_%282006%E5%B9%B4%29

# 2005年
  * 2月10日 - 北朝鮮が核兵器保有を公式に宣言。
 * 11月25日 - 朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)解散、清算。

# 2006年
* 7月5日 - 北朝鮮がテポドン2号など7発の弾道ミサイル発射実験。
* 10月3日 - 北朝鮮の朝鮮中央通信が核実験を実施すると予告。
* 10月9日 - 北朝鮮の朝鮮中央通信が「地下核実験に成功」と発表。
* 10月15日 - 国際連合安全保障理事会が北朝鮮に対して制裁決議を全会一致で採択。
* 12月18日 - 第5回六者会合が再開。


世界中が「ほんとかよ〜」とタカをくくっていたら、
翌年の10月、地下核実験を成功させて世界中を震撼させた。
核保有なんて冗談かと思ったら本気だったからだ。

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(注)
北朝鮮が本当に核を持っているのか、またこの核実験が本当に成功したのかについては、
未だにその真偽を疑う声も根強くあって、私も正直疑いを持っている一人だったりするのですが、
この議論を始めると終わらなくなってしまうのでここでは割愛させて頂きます。



そして、この北朝鮮の核問題を
協議するための六カ国協議が開かれた。
(これは核実験の前からありましたが)

【参考】六者会合(wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AD%E8%80%85%E4%BC%9A%E5%90%88


この会議を主導する米国は
当初北朝鮮に対して強硬路線をとっていた。



イラン・イラクと共に「悪の枢軸」呼ばわりし、
「テロ支援指定国家」に認定し、
六カ国協議の枠外での米朝二カ国協議を拒否していた。

【参考】悪の枢軸発言(wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%82%AA%E3%81%AE%E6%9E%A2%E8%BB%B8%E7%99%BA%E8%A8%80

悪の枢軸発言(あくのすうじくはつげん)とは、アメリカ合衆国のブッシュ大統領が、2002年1月29日の一般教書演説で、反テロ対策の対象として北朝鮮、イラン、イラクの3ヶ国を名指し、これらの国を「悪の枢軸(axis of evil)」と総称して批判したものである。


【参考】米国務長官「北との直接対話には応じない」(朝鮮日報:2006/7/24)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe4100/news/20060622i204.htm

ライス米国務長官は21日(現地時間)、韓国は北朝鮮に対し、核兵器開発を阻止するための影響力を行使すべきだと求めた。また、6カ国協議の枠でなければ北朝鮮との直接対話は行わないという立場を繰り返し強調した。



小泉元首相の訪朝時に金正日が拉致問題を認めて以来、
北朝鮮に対する圧力路線に転じた日本は、
この米国の強硬路線の流れに乗じ、
六カ国協議の中での「拉致問題」解決を図ろうとした。
そして、米国も「拉致問題解決」について理解を示していた。

【参考】北朝鮮による日本人拉致問題(wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E6%8B%89%E8%87%B4%E5%95%8F%E9%A1%8C

2002年9月17日、小泉純一郎首相(当時)が北朝鮮の平壌を訪問し、国防委員会委員長・金正日と会談した(日朝首脳会談)。その席で北朝鮮側は、日本人13人を拉致したことを認め、口頭であったが謝罪した。犯人については、「一部の妄動主義者、英雄主義者」のせいとし、金正日の責任回避を試みた。また、「死亡」したとされる8人に関する「死亡診断書」などの情報を提出したが、これらはすべて捏造であったことを日朝実務者協議(2004年11月)で認めた。日朝平壌宣言では「国交正常化の後」、「経済協力を実施」することとなっているが、日本政府は「拉致問題の解決なくして国交正常化はありえない」と繰返し述べている。


しかし、この日本の目論見は辛くも崩れ去った。
強硬路線の米国が突如方針転換したのだ。

【参考】共和党ジョージ・W・ブッシュ政権の方向転換(wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E6%A0%B8%E5%95%8F%E9%A1%8C#.E3.82.A2.E3.83.A1.E3.83.AA.E3.82.AB.E5.90.88.E8.A1.86.E5.9B.BD

2007年2月に共和党ブッシュ政権はコンドリーザ・ライス国務長官主導で対北朝鮮宥和政策に大きく舵を切った。



米国は一環して拒否していた二カ国協議に応じ、
それをきっかけに急速に問題は解決に向けて進展した。


【参考】6カ国協議:米朝ベルリン会合で双方歩み寄りか(朝鮮日報:2007/1/22)
http://www.chosunonline.com/article/20070122000012

米国と北朝鮮は16日から4日間、ドイツのベルリンで会合を開き、北朝鮮の核廃棄の初期段階措置として寧辺の5メガワット級原子炉をはじめとした核開発活動を中断し、これを国際原子力機関(IAEA)が現場で監視する案で歩み寄ったことが21日、分かった。




そして、出てきた結果は北朝鮮の「完全勝利」で終わった。

【参考】6カ国協議・合意文書の骨子(産経)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/071003/kor0710032123012-n1.htm
【参考】六カ国協議で核問題は本当に解決するのか
http://keyboo.at.webry.info/200702/article_4.html

北朝鮮は原子炉を「停止」する
(shut down and seal)だけで「支援」が頂けるというわけです。
これは北朝鮮の「勝利」以外のなにものでもないでしょう。


さらに「拉致問題」については具体的な言及はなく、ただ
「日朝関係正常化のための部会を設ける」としか書いていません。


これは拉致問題を条件にしてきた日本にとっては
「敗北」以外のなにものでもないでしょう。



この問題でも譲歩したのは米国の方だった。


何の前触れもなく、いきなり方針転換し、
「拉致問題」を置き去りにしたとして非難を浴びたが、
それでも米国は北朝鮮との和解を選択したのだ。

【参考】米朝、解釈に幅持たせ最終調整 核申告の2争点(iza:2008/4/4)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/135003/

6カ国協議で合意した北朝鮮の「すべての核計画申告」で争点となっている高濃縮ウランによる核開発計画とシリアとの核協力疑惑の2つの問題について、米朝がそれぞれの立場で解釈に幅を持たせることのできる「認識する(acknowledge)」という用語を取り入れ、申告書の脚注部分か付属文書としてまとめる方向で最終調整していることが3日分かった。



そうまでして
米国が北朝鮮と「手打ち」をしたかったのはなぜなのだろうか。









<譲歩を重ねた米国の真意>


大幅譲歩をしてまでも
和解のためにラブコールを送った先の「インド」と「北朝鮮」。
実は、この両国には「2つの共通点」があったのです。


それは一体何なのでしょうか。


それは、

● 中国の隣国であること

そして、

● 中国と密接な関係があること

です。


インドと中国は「非米同盟」の一員として関係が密接であり、
北朝鮮と中国の緊密な関係は例をあげずとも
みなさんご存知の通りでしょう。

【参考】インド首相が訪中へ(iza:2008/1/3)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/113411/

胡錦濤(こ・きんとう)国家主席、温家宝(おん・かほう)首相らと会談、両国間の「戦略的パートナーシップ」強化を確認するほか、昨年十一月の温首相との会談で合意した地球温暖化対策やエネルギー分野での協力、パキスタン情勢などについても話し合うとみられる。


【参考】インド軍、中国など招き大規模演習(iza:2008/3/14)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/129775/

インドは昨年12月に中国で初めての二国間軍事演習を行い、両国軍の信頼醸成のため軍事交流を始めたばかり。中国は外国の軍事オブザーバーとしては、最多の7人が参加する予定。



わかった。


米国はインド・北朝鮮と和解することによって
中国との分断工作に出たのだ。



そして、ラブコールを送られた両国にとっても、
実は、笑顔のウラで
中国に対して少なからぬ脅威を抱いていたため、
この提案は悪い話ではなかった。



(インド)

【参考】インド、中国間の緊張(ダライラマ法王日本代表部事務所)
http://www.tibethouse.jp/atomic/atomic18.html

インドのフェルナンデス国防大臣は、中国はインドにとって「もっとも脅威を与えうる国家」である、と断言したらしい。「インドは中国の陸海軍活動にさらされている。中国は、チベットとインドの国境で核兵器を備蓄している。また、チベットでは軍の飛行場を拡張し、ロシア製の最新型 「スホーイ」戦闘機(SU-27)を配備しようとしていた。このような状況の変化は、全て過去半年間に起こったのだ」


【参考】インド首相の国境紛争地訪問、中国が抗議(iza:2008/2/9)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/121510/

インド主要メディアによると、中国は8日までに、同国が領有権を主張しているインド北東部アルナチャルプラデシュ州をシン首相が1月末に初訪問したことについて、インド政府に対し口頭で抗議の意思を伝えた。



(北朝鮮)

【参考】中国人民解放軍が鴨緑江で北朝鮮へ渡河訓練!(RENK:2004/8/7)
http://www.bekkoame.ne.jp/ro/renk/040807.htm

従来、中国は北朝鮮に対して「社会主義の友邦」との位置づけから、国境警備には正規軍を配置せず、武装警察の傘下にある「辺境防衛隊」で対応してきた。しかし、周知のように昨年8月、辺境防衛隊に代えて突如、正規軍である人民解放軍に国境警備を移管した。これについて、中国当局は当時、「他の地方の国境警備と整合性を保つため」と説明したが、いかにも取って付けたような印象は免れず、メディアや識者の間にさまざまな解釈を惹起した。そのほかにも、核問題を巡る6者協議に関連して、原油や援助食糧の供給を調節したりするなど、表面的な「血盟関係」の打ち出しとは裏腹に、中国は北朝鮮に対して戦略的な対応を強めている。



【参考】中国人民解放軍 10月初旬から中朝国境に3万人結集(朝鮮日報:2004/10/17)
http://www.chosunonline.com/article/20041007000068

産経新聞は7日、中国の人民解放軍3万人以上が10月初旬から北朝鮮と国境を面している鴨緑江流域に集結していると報じた。

同紙は、日本政府が衛星写真を通じ中国の人民解放軍の集結を確認しており、北朝鮮も人民解放軍の動きに呼応する形で精鋭部隊を急きょ鴨緑江流域に派遣したという情報もあると報じている。

〜(中略)〜

一方で中国現地の消息筋も人民解放軍兵力1万人が今月4〜5日頃、中朝国境地帯の延辺朝鮮族自治州の三合と開山屯・南平一帯に緊急投入されたと伝えている。



しかも、こっちの言い分をしこたま聞いてくれるならなおさらだった。


だから、自らの言い分を飲んでくれた見返りに、
インドはちゃんと米国に「お土産」を持たせたのだ。


【参考】タタ、インド軍事産業育成 米欧大手と相次ぎ提携(iza:2008/2/21)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/124472/
【参考】インド、米ミサイル防衛システム研究へ(iza:2008/2/28)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/125964/

ロイター通信によると、米国のゲーツ国防長官は27日、訪問先のインド・ニューデリーで記者団に対し、米国のミサイル防衛(MD)システムをインドが導入する可能性について米印両国が研究を始めることを明らかにした。初期段階の研究にすぎないとしているが、両国のMD研究はパキスタン、中国、ロシアを刺激することになる。

(注)MDに関してはロシアと米国は和解しているので、
MDはロシアにとっては脅威となりません。今のところは。
詳しくは過去記事ご参照下さい。



しかし、これで終わりではなかった。
まだ隣国で中国と密接な「大御所」がいるではないか。


もちろん、米国はその存在を忘れてはいなかった。
そして、その「大御所」を押さえるための「仕掛け」も
ちゃんと準備していた。
それが実はあの「親書」だったのです。








<全てをつないで出てきたものは?>


ブッシュから送られた「親書」を見た「大御所」の主はこう言った。

「Some problems have been resolved definitively.」
(いくつかの問題は決定的な解決を見た)


そして、これをきっかけにそれまで対立していた
「大御所」との関係が、急転直下「和解」に向かった。
これも米国が運用面で大幅に譲歩した上でのことだった。


さあ、思い出して頂けたでしょうか。


この「大御所」とは「ロシア」のことだ。
米国はついにロシアを取り込むことにも成功したのだ。

【参考】米国との和解を選択したロシアの事情
http://keyboo.at.webry.info/200804/article_7.html
http://keyboo.at.webry.info/200804/article_8.html
http://keyboo.at.webry.info/200805/article_1.html


さらにさらに最後の「〆」が待っていた。
同盟国である日本だ。


世間は福田さんのことを
「媚中派」「媚中派」とこき下ろしているが、
彼が本当に「媚中派」であるならば、
こんなことを了承するだろうか。


【参考】日米共同開発の迎撃ミサイル、多弾頭の導入を日本が了承(読売:2008/5/2)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080502-OYT1T00800.htm

日米両政府が共同開発中の海上配備型ミサイル防衛の次世代型迎撃ミサイルに関し、弾頭が複数に分かれる多弾頭の導入を日本が了承していたことが分かった。

日米関係筋が2日、明らかにした。多弾頭型の迎撃ミサイルは、ロシアや中国が新たな弾道ミサイルを開発していることから、米国内で早期導入を求める声が出ていた。米下院軍事委員会は昨年5月、多弾頭型への変更の条件に日本の同意を掲げたため、今回の同意で、米国による多弾頭型ミサイルの開発は本格的に進むことになる。



福田外交は「媚中」などではなかった。
極めて冷徹な「超現実主義」だったのだ。
それを証拠に、日本もこの「仕掛け」に
しっかりと参画しているではないか。


【参考】福田政権誕生は本当に悪夢なのか
http://keyboo.at.webry.info/200709/article_18.html
http://keyboo.at.webry.info/200709/article_19.html
http://keyboo.at.webry.info/200709/article_20.html


さあ、その結果どうなったのか。
全てをつなぎ合わせて出てきた絵はこれだ。


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何ということだ。
これは立派な「中国包囲網」ではないか。
米国はこの「包囲網」を形成するために
何年も前から着々と準備を重ねていたのだ。



本気を出した米国の力はかくも恐ろしいものなのか。
完全に中国の「外堀」を埋めてしまったではないか。


しかし、埋めたのは外堀だけではなかった。
本気を出した米国は、
ベールに包まれた中国の奥深くまで
しっかり潜入していたのです。


(次回に続きます。。)
http://keyboo.at.webry.info/200805/article_9.html

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在日参政権付与・院内討論会 5月20日のTBSニュース 『民党議連、外国人地方選挙権巡り提言 (20日21:38)』 は、次のように述べている。 民主党の有志議員で作る「永住外国人の法的地位向上を推進する議員連盟」は20日、日本に永住する外国人に地方選挙権を与えるための法整備に関する提言をまとめ、近く、党の執行部に提出することを決めました。  民主党の議員連盟がまとめた提言では、地方選挙権を与える対象者を法務大臣が永住を許可した一般永住外国人と在日韓国人ら特別永住外国人とし、... ...続きを見る
東郷 幹夫の思いつくまま日記
2008/05/25 14:02

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初めて書き込み致します。

この包囲網では反目しあう日本と北朝鮮が穴になるように思うのですが。それともアメリカの大戦略のために日本に嫌でも北朝鮮と手を結ばせるということなのでしょうか。

また歴史的に見て、アメリカの国是とも言える自由と民主主義を奉じない国であっても、「敵の敵は味方」の戦略でアメリカが肩入れした国は、後世アメリカに牙を向くパターンがあります。

このシリーズで取り上げられている中国が正にそうですし、サダム・フセイン時代のイラクもこの例に当てはまるでしょう。

ご指摘の中国包囲網のうち、一応民主主義国家であるロシア・インド・日本はともかく、独裁国家の北朝鮮まで「敵の敵は味方」で肩入れするのはどうかと思うのですが…
かせっち
2008/05/24 20:57
この春のサブプラ危機で米ドルは各主要通貨に対して下げましたが(ドル安)韓国ヲォンに対してはドル高になっています。
値下がりしたドルに対してさらにヲォンは下げています。

日頃ヲォン高に苦しみ為替市場介入してその様がワロス曲線などと揶揄されていますが下げたドルよりもさらに下げるという構図はなぜなのかよくわかりませんが純債務国転落となった今すぐさま国家破綻に結びつくとは思えませんが日本から中核部品を仕入れ完成品を輸出するという98年の通貨危機以来の韓国式ビジネスモデル崩壊は痛いとというか立ち直れるか疑問です。
米(ドル)崩壊、中国崩壊可能性としてはありその規模はあまりにも小さいですがコリアン崩壊も浮かんできていると思います。
ゴロリ
2008/05/25 11:09
いつも大変参考になっています。
最近、また日経などで「復興特需で中国経済は再びバブル」という論調が目立ちますね。
地震によってインフレが酷くなることを考えるとむしろ株・不動産は予定以上に弾けさせないといけないと思うのですがどうなのでしょうね。
fouch
2008/05/25 16:15
かせっちさん>
はじめまして。コメントありがとうございます。

>一応民主主義国家であるロシア・インド・日本はともかく、独裁国家の北朝鮮まで「敵の敵は味方」で肩入れするのはどうかと思うのですが…

確かにこのような感覚は「思想信条」的には私も大いに共感できるものがあります。それを踏まえまして、ここではあくまで「解析的」観点からご回答申し上げますので、その点ご留意頂ければと思います。

さて、北朝鮮についてですが、私はご指摘のような「反目しあう日本と北朝鮮が穴になる」という風には考えていないんですね。というのも、現在のパワーゲームの観点からすると、「北朝鮮の核の脅威」と「中国の人民解放軍の脅威」とどちらが大きいかと考えたときに、明らかに後者の脅威の方が大きくなっている現状があって、それを抑えなければいけないというフェーズになっている。その際に北朝鮮と中国が結託されてしまうと非常に都合が悪いので、思想信条はさておき、分断工作を図らざるを得ないという事情があると思うんですね。
新快速 播州赤穂行き
2008/05/26 08:36
(続き)
それと「分断」を図るもう一つの意図は、北朝鮮が豊富に持っているとされる鉱物資源の存在で、それを中国に独占されるのは面白くないので、何とか北朝鮮を取り込もうとしている。それを証拠にEUなんかは平壌に使節団を派遣して、もうビジネストーク始めています。

つまり、ここからわかることは、北朝鮮は地政学的に非常においしいポジションにいるということであり、それを証拠に「人道的」という名目で支援がひっきりなしに行われている。そして、日本もそれがわかっているから、支援の条件を拉致問題「解決」から「進展」にトーンダウンさせたんだと思うんですね。なので、日本側としても、この構図が見えている人たちは、北朝鮮と手を結んだ方が得策だと考えている人も少なからずいると思います。

ただ、ややこしいのは、それが本当に「戦略的」観点からなのか、それとも「ハニートラップ」にやられたスパイ紛いなのかの判別が難しいということです。
新快速 播州赤穂行き
2008/05/26 08:37
ゴロリさん>
恐らく韓国に関しては、ゴロリさんの方がお詳しいのではないでしょうか。「ワロス曲線」なるものの存在も今始めて知りましたし(笑)。確かに韓国経済が「やばい」という話は多方面からも耳にしたことがありますし、ご指摘の状況が起こる可能性も十分考えられると思います。ただ、正直申し上げると、実は私韓国を大してウォッチしていないんですね。なぜかというと、韓国がどうなろうが日本や世界に対する政治・経済的影響が極めて軽微であるからです(ちなみに私は韓国のこと全然嫌いではないですよ。念のため)。気にするべきことと言えば、支持率の急落した李明博がノムヒョン化して反日路線まっしぐらになることぐらいで、地政学的観点からは北朝鮮の方がよっぽど重要だと考えています。
新快速 播州赤穂行き
2008/05/26 08:54
(続き)
ただ、相場的観点から言うと、あそこの指数はサムスンが大きなウェイトを占めるため、景気循環(シクリカル)の影響が他国よりも大きくなるという特徴を有することから、「世界株の先行指標」と考えられていますから、そう言った意味では若干ウェイトを置いて見られているという面はあります。いずれにしろ、韓国も中国も「技術」というのがありませんから、グ術を取り込むために日本に攻勢をかけて来るでしょう。もうその動きは出てきていますが。
新快速 播州赤穂行き
2008/05/26 08:54
fouchさん>
いつもご覧になって頂いてありがとうございます。「インフレ」といった場合には「株や不動産」などの資産価格の上昇と「資源や食料品」などの生活必需品価格の上昇と分けて考える必要があると思います。今の中国の状況はバブルが弾けて前者の部分が下がっているのに対して、世界的商品市況の活況で後者の部分は上昇に歯止めがかからない状況が続いている。今般の地震ではこの「後者」の物価上昇に拍車がかかってしまう恐れがあって、それは抑えないとまずいです。生活必需品特に食糧の歯止めない上昇は、他国の例を見てもわかるように、社会不安を増大させます。株や土地の値段を上げても、それを持っている人はいいですが、それがない場合は、物価上昇の恩恵を享受できないわけで、新興国の大半の貧困層はそういう状況ですよね。米国は、借金をして家を買うことが当たり前のようになっているので「インフレ」が処方箋になるし、そのような政策を取っていますが、そうではない中国においては、「インフレ」は社会不安を抑制するという意味での処方箋とはならないと思います。
新快速 播州赤穂行き
2008/05/26 09:09
新快速播州赤穂行きさん,始めまして。大変興味深いエントリばかりで,ナルトさんのところでご紹介あって以来,拝見してました。

のむたんがバランサーと言ってたのをよそに,美味しいとこを米中から引き出しているのは常に北朝鮮なんですね。 

仕掛けた爆弾が巧妙な割には,敵の敵なら誰でもいい(笑)みたいな大雑把な包囲網のような気もします。 確かにそんなに選択肢があるわけではないでしょうけど。。。 

米国とっては,拉致問題は本当に邪魔なんでしょうか? 中国が北朝鮮に介入して拉致の解決に動いたりしたら,日本のバランスも崩れて,米国は嫌がると思います。 なんて,私も妄想してしまいました(^^) 
umejum
2008/05/26 13:05
umejumさん>
はじめまして。コメントありがとうございます。ナルトさんがブログを閉じられたのは本当に残念ですが、こうして細々と続けながら、彼のお帰りをお待ちしたいと思います。今後ともよろしくお願い致します。

さて、「仕掛けた爆弾が巧妙な割には,敵の敵なら誰でもいい(笑)みたいな大雑把な包囲網のような気もします。」というのは、まさにその通りだと思います。完全に中国と反目するつもりはインドにしてもロシアにしてもないでしょうね。

最近の(というかずっとそうだったのかもしれませんが)外交を見ていて思うのは、東西冷戦が終結して、「イデオロギー的発想の外交」から「投資家的発想の外交」に外交のパラダイムがシフトしたような気がしているんです。だから2カ国関係が完全に白黒はっきりすることは少ない。使えるところはお互い使っていくという発想。だから「戦略的」提携が増えているような気がするんですね。
新快速 播州赤穂行き
2008/05/26 17:34
(続き)
だから今回メドベージェフが真っ先に北京に行ったこともなんら驚かない。ロシアにとって中国の使い道はまだ十分ある。みなが中国の敵に回り始めたわけではなくて、中国の暴走に対する「ヘッジ」を始めたという方が、「包囲網」と言うよりも表現としては正確なのかもしれません。それを米国が取りまとめた。そんな構図のような気がしています。だからみんな中国の崩壊を目的としているわけではないと思うんですね。ポイントはこのシリーズでずっと述べさせて頂いておりますが、「中国の制御可能性」だと思っています。このあたりのことは次回のエントリーで書かせて頂こうと考えております。
新快速 播州赤穂行き
2008/05/26 17:35
はじめて書き込みします。
最近一方的な福田総理への批判が多い中、違った角度からの考察非常に面白かったです。
特に福田総理関連の以前の記事で、キッシンジャーと会ってた事ははじめて知りました。
彼は意外と中国に対して中々厳しい事をいっているのですね(一部ではキッシンジャーはハニートラップされてるという噂も聞いた事があったので・・笑)

それはさておき、周辺の国にとって中国崩壊は避けたいところでしょうねー。今の体制のまま巨大化されるのも困りものだけど、崩壊されても周辺国への被害は大きいでしょうし。
素人目には、ゆるやかに民主化へ移行して連邦制のような感じになったらいいのかなー?と思ったりしてるのですが 笑

ぜひアメリカには日本の為にも頑張って欲しいのですが、イギリスの中国に対して飴とムチなダブルスタンダードっぷりが気になります 何か裏でこそこそと動いてそうな・・
アメリカからもEUからも微妙に距離をおいているような・・


ぽんず
2008/05/27 05:49
ぽんずさん>
はじめまして。コメントありがとうございます。もちろん、福田さんには良い面も悪い面もあって手放しで彼を支持するわけには行かない部分もありますが、昨今の「福田叩き」はちょっとやり過ぎだと感じています。今の状況は非常にわかりにくいため、普通の国民が怒りの声を上げる気持ちはよくわかりますが、政治を評論するプロまでもがよく考察もせずに一緒になって叩く側に回っている様は非常に悲しいですね。

さて、ご指摘の中国崩壊に関してですが、どんなに感情的に嫌いでも、これはソフトランディングさせるしかないのかなと思います。もちろんそうしたほうが中国から経済的利益が得られるという面は多分にあるでしょうが、崩壊したときのインパクトでか過ぎですよね。特に「核」持ってる国ですから、それが四方八方にぶっぱなされたらたまらんという懸念もある。でも、そうは行っても、現状の中国の社会的混乱は予想以上に大きい可能性があるような気がしていて、もしかしたら本当に「革命」なんて事態に発展してしまうかもしれません。
新快速 播州赤穂行き
2008/05/27 18:36
(続き)
なので、ダブルスタンダードというよりは、中国がおとなしく発展することを誰もが望んでいるんだけど、そうはならない可能性があるから(人民解放軍の暴走)、そうなった場合のための「ヘッジ」をかけにいったんだと思うんですね(MDなんかはまさしくそう)。なので、英国だけじゃなくて、他の国も両面つかいわけてますよ。ただ、ご指摘のように英国と米国との微妙な距離感が出てきているのは私もそんな感じがしています。シティとウォール街の金融覇権争いが起こっている可能性があります。
新快速 播州赤穂行き
2008/05/27 18:37

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