|
冷戦の真っ只中にあった40年前、 東西両陣営が激しいにらみ合いを展開する中において 電撃的和解を果たした米中両国。 それは、互いの脅威である「ソ連」という共通目的に 対抗するための「戦略的な手打ち」であった。 そして、40年前の史実を振り返ってわかったことは、 中国は米国にとっての仮想敵国であり続けている ということだった。 互いの共通目的であるソ連は1991年に崩壊した。 この手打ちが「戦略的」であるならば、 米国の次の矛先は中国に向かうはずだった。 しかしそうはならなかった。 ソ連崩壊で他の東欧共産主義国が次々に倒れても、 中国だけはその影響を受けなかったし、 米国も中国を潰そうとはしなかった。 それどころか、 米国は日本という同盟国がありながら、 中国と軍事交流を進めたり、経済交流も活発で、 「敵国」どころか、 親密な友好関係を築いているように見えた。 これは一体どういうことだ。 中国は米国の仮想敵国ではなかったのか。 この一見矛盾しているように見える現象は、 一体どう説明できるというのか。 実は、この米国の不可解な行動をもたらしたのは、 ある「奇策」によるものだったのです。 では、その「奇策」とは一体何だったのでしょうか。 ご訪問頂きありがとうございます。 当ブログは下記ランキングサイトに参加しています。 あなたの清き一票をよろしくお願いします!! ![]() ![]() 【お知らせ】 「ニュースウォッチ」はメルマガに移行させて頂きました。 こちらも是非ご購読よろしくお願いいたします。 よろしければ下のバナーをクリック頂き登録画面にお進み下さい。 ★また、当ブログは「解析」ブログであり、 思想信条を世に問う「評論」ブログではありません。 宜しければこちらをご一読頂き、 趣旨をご理解頂いた上でご利用下さいますようお願い致します★ ↑過去記事をご覧頂ける方は、こちらをクリックして下さい。 <「イデオロギー」を捨てる賭けに出たケ小平の「奇策」> 東西冷戦における「東側」の雄であった「ソ連」と「中国」。 しかし、その一方の雄であるソ連は崩壊し、 もう一方の雄である中国は生き残った。 しかも、生き残ったどころではない。 中国は時を追うごとに繁栄の度を増している。 同じ社会主義陣営であったはずなのに、 この違いを生んだのは一体何なのだ。 それをもたらしたのは 実はケ小平が推進した、 「市場経済化」という「奇策」だったのです。 【参考】改革開放(wiki) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%B9%E9%9D%A9%E9%96%8B%E6%94%BE 毛沢東時代の大躍進、文化大革命で疲弊した経済を立て直すため、現実派のケ小平は「四つの近代化」を掲げ、市場経済体制への移行を試みる。基本原則は先富論に代表されるように、先に豊かになれる条件を整えたところから豊かになり、その影響で他が豊かになればよいという考え方である。 この「市場経済化」が その後の中国の繁栄をもたらしたという事実は、 いまさら論じるまでもないと思いますが、 では、なぜ「市場経済化」が中国にとって「奇策」だったのでしょうか。 それは、 「市場経済化」とは「資本主義化」のことであり、 共産主義政権にとって「市場経済化」を選択することは、 自らのイデオロギーを放棄することに他ならない からである。 つまり、この瞬間に、 「共産主義経済」であったはずの中国は、 「共産党」が支配していながら 中身は「資本主義経済」という いわゆる「開発独裁国家」に生まれ変わったのだ。 【参考】開発独裁(wiki) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%8B%E7%99%BA%E7%8B%AC%E8%A3%81 これはケ小平にとって大きな「賭け」だった。 しかし、「文革」によって国土が極度に疲弊し、 「イデオロギー」よりも「パン」が求められていたご時勢において、 自分たちの支配権を維持するためにはこうするしかなかった。 【参考】ケ小平(wiki) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%A6%E5%B0%8F%E5%B9%B3 1986年には反右派闘争などで冤罪となった人々の名誉回復に取り組む胡耀邦総書記、趙紫陽首相らに対する談話で「自由化して党の指導が否定されたら建設などできない」「少なくともあと20年は反自由化をやらねばならない」と釘を刺している。 だから、台湾への武器供与継続を容認してまでも、 経済発展のために米国との国交正常化を優先したのだ。 【参考】カーター元大統領、米中国交正常化の秘話明かす(朝鮮日報) http://www.chosunonline.com/article/20071207000036 中国を訪問中のカーター元米大統領は5日、1978年12月の歴史的な米中国交正常化合意は、中国の経済発展と引き換えに、米国の台湾に対する兵器供与を認めたトウ小平副首相(当時)の決断によって可能になったと語った。 この「賭け」は見事に成功した。 「イデオロギー」を捨てた中国は、 それを最後まで捨てられなかったソ連と違って 冷戦終結後も生き残ることができたのだ。 そして、この中国の「市場経済化」という「奇策」は、 同時に米国にとっても 「おいしい状況」をもたらすこととなったのです。 それは一体どういうことなのでしょうか。 最近本読んでますか? <ケ小平の「奇策」がもたらしたものとは> ケ小平による「改革開放」という政策の大転換によって 開発独裁国家に生まれ変わった中国は、 「市場経済化」即ち「資本主義経済化」を選択した。 では、これは一体何を意味するのか。 「資本主義経済」を導入するということは、 「資本家」の存在を容認するということである。 【参考】資本主義(wiki) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B3%87%E6%9C%AC%E4%B8%BB%E7%BE%A9 基本原理としては生産手段を持つ資本家が、賃金労働者を使用して利潤を追求する社会システムである。 と同時に、 「資本主義経済」とは「西側」の経済システムである。 そして、米国は「資本主義」の最高峰に位置している。 「その」経済システムをケ小平は選択したのだ。 これは中国にとって「奇策」だが、 米国及び西側資本主義諸国にとって 願ってもない展開となった。 彼らは、巨大な人口を抱えた 潜在成長率の高い中国に「資本家」としてこぞって参入した。 【参考】世界の工場中国と世界各国との貿易・直接投資(経済産業研究所) http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/05032801.html http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/bbl050328.pdf 中国貿易パターンの特徴としては、まず外資依存が高いことです。これは日本の高度成長期とは大きく異なります。特に輸出に占める外資の割合が高いです。 そして、中国の安価な労働力は、 経済が発展していく段階の 「一番おいしい時期」の果実を 莫大な「利益」として、彼ら資本家にもたらしたのだ。 【参考】貿易黒字は中国に、利益は米国に(人民日報) http://j.peopledaily.com.cn/2007/09/05/jp20070905_76337.html http://j.peopledaily.com.cn/2007/09/05/jp20070905_76338.html http://j.peopledaily.com.cn/2007/09/05/jp20070905_76339.html 米モルガン・スタンレー社が発表したデータでは、この8年間に低価格の良品である中国製品により、米国の消費者は約6千億ドを節約でき、米国メーカーはコスト引き下げを実現し、インフレが抑制されたという。 これは米国にとって何を意味するのでしょうか。 読書はあなたの人生の可能性を飛躍的に広げてくれます。 <米国の不可解な行動のナゾを解くカギ> それは、 中国が自ら進んで 自分たちのゲームのルールに乗っかってきた ことを意味していた。 「世界の工場」として安価な労働力を提供し、 自ら(共産党)の支配基盤確立のために 経済発展を図りたい中国当局と、 その安価な労働力によってコスト削減を図りたい資本家。 両者の思惑が一致したことによって、 「Win−Win」の関係がもたらされた。 と同時に、 自分たちのゲームのルールに乗っかってきたということは、 中国が米国にとって「Controllable」な存在になる ことを意味していた。 「改革開放」というケ小平の政策大転換は、 中国に対する米国の対峙の仕方を根本的に変えさせた。 逆に言うと、この「政策転換」があったことが、 米国に中国を選択させた要因となったのかもしれない。 つまり、米国は中国と対峙するにあたっては、 ソ連のように敵対することによって 「崩壊させる」のではなく、 同じゲームのルールに取り込むことによって 「制御する」 ことを選んだのだ。 「Controllable」な存在であり続ける限りにおいては、 中国という存在と敵対する必要はない。 むしろ「友好」関係を築き、 経済発展してくれるほうが望ましい。 なぜなら、 それが自分たちにとって「利益」となるからだ。 仮想敵国とみなしていながら、 中国に対して友好的な態度を取るという、 一見矛盾しているように見える 米国の行動のナゾを解くカギは、実はここにあったのです。 もちろん、中国当局だって馬鹿ではなかった。 資本家としての「おいしいところ」を 外資だけに持っていかせる気はなかった。 共産党員自ら合弁企業の経営に参画し、 「資本家」としての「果実」の分け前を要求してきたのだ。 【参考】工会を甘く考えるな!中国特有の従業員制度に適用せよ (平沢健一サーチナ総合研究所客員研究員) http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=1211&f=column_1211_004.shtml 中国共産党の規定によれば、党員が3人以上いる組織では「共産党委員会」を設置しなければならない。合弁企業などの中国側経営幹部はおおむね共産党員であるので、共産党委員会を組織することは可能だし独資の場合でも企業内に設置することができる。 そして、 一方の米国も、どこまでもお人好しではなかった。 もともと歴史的に「中華思想」の根強いお国柄だ。 今はまだ力をつけていないからいいが、 これが今後発展して大きな力を手に入れたときに、 「中華思想」の野心に目覚めた中国が、 「Uncontrollable」な存在になる日がきっと訪れる。 その「潜在的脅威性」を米国は認識していた。 そして、その「来たる日」に対する「備え」を怠ることも 忘れてはいなかったのです。 (次回に続く) http://keyboo.at.webry.info/200805/article_4.html ご訪問頂きありがとうございます。 当ブログは下記ランキングサイトに参加しています。 あなたの清き一票をよろしくお願いします!! ![]() ![]() 【お知らせ】 「ニュースウォッチ」はメルマガに移行させて頂きました。 こちらも是非ご購読よろしくお願いいたします。 よろしければ下のバナーをクリック頂き登録画面にお進み下さい。 (ご参考) 「世界情勢」をもっと深く知りたい方におすすめの本
|
| << 前記事(2008/05/08) | トップへ | 後記事(2008/05/14)>> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|---|
影な総理の威力(胡錦濤主席の訪日について 補追1)
胡錦濤主席の訪日についてのシリーズエントリーの補追として、日本側の対応について検討してみたい。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2008/05/11 03:03 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|
| << 前記事(2008/05/08) | トップへ | 後記事(2008/05/14)>> |