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「IT革命」と「経済のグローバル化」は、 「純粋な資本主義経済」への流れに拍車をかけた。 しかし、「自由」を獲得する代償として、 政府の関与を排除したため、格差拡大を容認する方向に 働いてしまったのだ。 つまり、いわゆる「市場原理主義」は、 再配分機能を失わせ、富の集中に拍車をかけることになり、 「経済成長=国民全体の満足度」とはならないため、 差をつけられた多数の人の不満を増幅させたのだ。 従って、国民全体の効用を高めるためには、 「市場に任せる部分」と「政府が関与する部分」を うまいことブレンドしていかなくてはならない。 【参考】世界を読み解く3つのキーワード(その2:経済のグローバル化・フラット化) http://keyboo.at.webry.info/200708/article_10.html 市場メカニズムに成果の配分機能をまかせてしまうと、 富の集中を招いてしまうので、国民全体の効用を 上げるという意味では、その再配分機能の一端を 政府が担うべきであるというのが、 総論としての格差是正の処方箋となると考えられるわけです。 【参考】富の再分配(wiki) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%8C%E3%81%AE%E5%86%8D%E5%88%86%E9%85%8D 富の再分配(とみのさいぶんぱい)または所得再分配(しょとくさいぶんぱい)とは、所得を公平に配分するため、租税制度や社会保障制度、公共事業などを通じて一経済主体から別の経済主体へ所得を移転させることをいう。 しかし、その「政府」の再配分機能というのは、 そんなに信頼に足るものなのでしょうか。 ご訪問頂きありがとうございます。 当ブログは下記ランキングサイトに参加しています。 あなたの清き一票を是非よろしくお願いします!! ![]() ![]() <2通りの再配分機能> 政府の再配分機能として考えられるは、 上のリンクにあるように「税制」「社会保障制度」「公共事業」等 が上げられると思います。 これらをもう少し概念的にわかりやすく考えると、 政府の再配分機能というのは、 ● 全体の所得のパイを増やさないやり方 と ● 全体の所得のパイを増やすやり方 の2通りがあり、 ● 前者は、 「高所得者から低所得者への所得移転」を 「税制」によって行うやり方であり、 (課税の累進性を高める) ● 後者は、 「高所得者には手を加えず低所得者への所得補助」を 「財政出動」によって行うやり方 (公共事業・補助金等) となります。 では、その結果どのように格差が縮まるのかというと 下の絵のようになるわけです。 なるほど、どちらも理屈どおりいけば、 格差縮小につながるので、 やっぱり税制を変えるなり、財政出動するなりして、 政府の関与を高めればいいんじゃないか という気がしますよね。 しかし、これらの再配分のやり方は、 本当に理屈通り機能するのでしょうか。 <「高所得者いじめ」は結局自分たちの首を絞める> まず、前者の場合を考えてみましょう。 税制によって格差を縮小しようとするのであれば、 高所得者の税率を上げて、 彼らからより多くの税金を取る必要があります。 たしかに、想定どおり 高所得者から高い税金を取れれば、 その分格差縮小に寄与することになりますが、 本当にその通りいくのでしょうか。 答えは残念ながら「否」です。 なぜか、その答えを説くカギは 「経済のグローバル化」にあります。 前回及び過去記事でも述べましたが、 「経済のグローバル化」とは、 モノやカネが瞬時に最適な場所に移ることを意味します。 それを可能にしたのが「IT革命」ですが。 では、そういう移動が自由な世界において、 税率が上げられてしまった高所得者は どういう行動に出るでしょうか。 あなただったらどうされますか? 多分「税金の安い海外に行く」っていう方 結構いらっしゃるんじゃないですか。 【参考】日本の税金高い ネットでは「海外脱出だ」(JCASTニュース) http://www.j-cast.com/2006/07/26002279.html こんな「海外でも日本の税金が取られる」ケースに反発する声は目立つ。ネット上では、日本の税金の高さから「海外に脱出してしまおう」になる。例えば、「我々金持ちは日本を脱出します」というスレッドでは、こんな具合だ。 つまり、変に高所得者の税率を これ見よがしに上げてしまうと、 彼らの「海外脱出」を促してしまい、 せっかく税金が増えるどころか、 かえって根こそぎ取りっぱぐれてしまう という事態が発生する。 そうなると、政府にとってせっかくのカネづるであった 高所得者からの税金がなくなるということは、 当然税収の大幅ダウンということになり、 税収の大幅ダウンは、公共サービスの縮小につながり、 結局回りまわって、低所得者にも多大な「負」の影響を もたらすことになってしまう。 つまり、感情に任せた「高所得者いじめ」が、 巡り巡って自分たちの首を絞めるという 何とも皮肉な結果をもたらしてしまうわけなのです。 金利の高いところにカネが向かうのと同様に、 税金の安いところにヒトは向かう。 「グローバル化」は国同士の競争ももたらしている。 日本がいつまでも「住みやすい国」であると あぐらをかいてしまうのは間違っているということです。 【参考】産業構造審議会基本政策部会(第3回) 議事要旨(経済産業省) http://www.meti.go.jp/policy/economic_industrial/committee/summary/eic0000024/index.html ● 財政がどうしてここまで危機的な状況になったかの理由を では、一方の「全体のパイを増やすやり方」は どうなのでしょうか。 <財政出動は本当に効果があるのか> 財政政策の効果を計る指標として 「乗数」というのがあります。 これは何かというと、 政府がおカネを1単位ばら撒いたら、 GDPはいくら増えるかをあらわしたもので、 「1」を上回ると効果があると判断できるというものです。 (例:政府が1億円財政出動した結果、GDPが2億円増えれば、 乗数は「2」となり、財政出動の効果があったと言える) 【参考】乗数効果(wiki) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%97%E6%95%B0%E5%8A%B9%E6%9E%9C 生産者(企業や政府)が投資を増やす → 国民所得が増加する → 消費が増える → 国民所得が増える → さらに消費が増える → さらに国民所得が増加する → さらに消費が増える → ・・・という経済上の効果を意味する。経済学的な数式分析を行うと、この増加のサイクルは投資の伸びに対して乗数(掛け算)的な伸びとなることから、乗数効果と呼ばれている。 こうした理論的裏づけの元、 不況の時には政府がカネを出して関与することが 「是」であると考えられ、実際にバブル崩壊後の日本でも 巨額の財政が出動されました。 【参考】 一家の借金2千万(国際派日本人養成講座) http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h12/jog129.html 平成4年8月 宮澤内閣 10.7兆円 では、本当にこの巨額の財政出動は、 「全体のパイを増やす」効果をもたらしたのかというと、 残念ながら、実証研究では その効果が証明されなかったのです。 【参考】財政政策乗数の日米比較(日銀) http://www.boj.or.jp/type/ronbun/ron/wps/kako/data/iwp03j04.pdf 本稿の分析によると、日米両国について財政政策乗数は1を下回る可能性が高いとの結果となった(日本の財政政策乗数については、マイナスの可能性も排除できない)。これは標準的なケインズ理論が常に成り立っている訳ではなく、民間主体が財政政策の効果を打ち消す方向に行動する、なんらかの非ケインズ効果が存在している可能性を強く示唆しているものと思われる(p4)。 実証研究でも確かに効果が証明されていないが、 実感としても、財政が効いていないことは 容易に推察できる。 なぜなら、あれだけカネを使っておきながら、 景気は一向に回復せず、 バブルのどん底を見るのは、 実に平成14年(2002年)までかかったからだ。 理論的には効果があると思われていた財政出動の効果が、 なぜ、現実の世界では効果が出なかったのでしょうか。 そして、政府の財政出動は 否定されるべきものなのでしょうか。 これに関しては色々議論がされておりますが (リカードの中立命題等)、 最も核心に迫っている理由は恐らくこれだと思います。 結局のところ、財政政策によって、流動性制約家計が消費を増やしたとしても、それがマクロ的な景気刺激につながると考える理屈は存在しない。 難しい言葉で書いてありますが、 決定的に重要なポイントは、 「投資機会のない経済主体から投資機会のある 経済主体への富の移転はマクロ的な景気刺激効果を もつことを理論的に証明している」 という部分であり、ということは、 少なくとも「財政出動そのものが悪いわけではない」 ということが言えるわけです。 そうであれば、実際に効果の出なかった 日本の財政出動は何が間違っていたのかというと、 「財政出動そのものが間違っていたからのではなく、 政府のカネの使い方が間違っていた」 ということになるわけなのです。 では、このことは一体何を意味するのでしょうか。 (その9−5に続く) http://keyboo.at.webry.info/200802/article_9.html 最後までお読み頂きありがとうございました。 当ブログは下記ランキングサイトに参加しています。 この記事があなたのお役に立てましたら、 是非清き一票をよろしくお願いします!! ![]() ![]() (ご参考) 「格差問題」をもっと深く知りたい方におすすめの本
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| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
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読書の層 02122008
いまアメリカは11月の大統領選挙に向け、民主、共和両党はその予備選が佳境に入っている。先に(昨年10月の「つき指の読書日記(60)」)ふれたように、米国自体の選挙での政策は国内問題、きわめて内向きの政策、公約が主で、自国の安全保障以外はそう外交問題が大きく据えられることはないし、選挙民の関心もきわめて薄い。しかし逆に、日本にとってはアメリカとの関係が自国の政策に、経済や構造改革など国内問題、更に外交、安全保障、すべてに大きな影響を好むと好まざるとに拘わらず受けざるを得ない。日米同盟の強い... ...続きを見る |
つき指の読書日記 2008/02/13 08:52 |
格差社会を解消する為に
11日夕刻に起きた痛ましい心中事件に大きな悲しみに包まれる。 無力感というのはこういう気持ちをいうのであろうか。 ...続きを見る |
よく考えよう 2008/02/13 14:58 |
あぶり餅
今、TBSで「関口宏のニッポンを探しに行こう!2」という番組をやっている。 ...続きを見る |
よく考えよう 2008/02/13 19:54 |
何を為すべきか
もし、大幅に円高というよりドル安となったならば日本経済が転覆してしまうと考える人が多く居るように思われる。 しかし、1度は米国がドル安を政策誘導して、大幅なインフレを経験しなければ、明日の米国が無いのであるから我々は円高を呑まねばならない。 ...続きを見る |
よく考えよう 2008/02/16 15:46 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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地方への分権って余計にばら撒きになりそうですけどね・・・。 |
BN 2008/04/25 17:30 |
BNさん> |
新快速 播州赤穂行き 2008/04/25 21:09 |
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