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規制を撤廃して自由な競争状態を確保すれば、 需要側の選択の自由の確保が保証されるほど、 世の中は単純には出来ていなかった。 自由な競争の行く末は、勝者がただ一人残る「独占」状態であり、 それは逆に「選択の自由」を奪う結果となるのだ。 ここに「規制」が正当化される余地がある。 それによって、 「需要側の選択の自由」が確保できる場合 (需要側に複数の選択肢が確保できる状態) 「規制」は十分に正当化できるのだ。 逆に言うと、需要側のことを考えずに、 供給側の保身のみのための規制は 正当化されないということになる。 では、以上の前提となる議論を元に、 いよいよ本題の「外資規制」については、 どのように考えれば良いのでしょうか。 【参考】外資規制(wiki) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%96%E8%B3%87%E8%A6%8F%E5%88%B6 外資規制(がいしきせい)とは、国内企業への外国人の投資に対する規制。日本の場合、国家の安全や主権維持に関わる産業分野等において、外国人による投資が制限されている。 ご訪問頂きありがとうございます。 当ブログは下記ランキングサイトに参加しています。 あなたの清き一票をよろしくお願いします!! ![]() ![]() <外資排斥の具体例> さて、最近「外資排斥論」で話題となっている案件としては 以下のいくつかの例が挙げられると思います。 【参考】親子上場にNO(参議院議員 田村耕太郎 公式ホームページ) http://kotarotamura.net/b/blog/index.php?itemid=913 日本のアクティビズムに一石が投じられそうである。金融市場のグローバル化に「物申す株主」と「株主に真摯に向き合う経営陣とそれを担保するガバナンス」は不可欠である。それらが問われる機会が「ペリー対NEC」である。 【参考】サッポロ特別委「スティール提案、株主利益害するおそれ大きい」 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080204AT3L0403N04022008.html サッポロホールディングスは4日、米系投資ファンドのスティール・パートナーズから受けた買収提案に関して特別委員会から受け取った意見書の内容を発表した。特別委員会は買収提案について「株主の共同の利益を著しく害するおそれは大きい」との評価を示した。 【参考】ブルドックソース事件(wiki) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B9%E4%BA%8B%E4%BB%B6 2007年6月、ソース会社であるブルドックソース(以下「ブルドック」という)を買収しようとしたアメリカの投資ファンドスティール・パートナーズ関連会社(以下「スティール」という)に対して、スティールによる経営権取得がブルドックの企業価値をき損し、ひいては株主共同の利益を損なうものであることを理由に、ブルドックが全株主に1株につき3個の新株予約権を発行して、スティール以外の株主には新株予約権1個につき1個の株式と、スティールについては株式相当額の金銭を交付することをあらかじめ株主総会の特別決議を経ておこなって、新株予約権を買い取る手法等によりスティールによる持ち株比率を4分の1に引き下げようとしたことについて、スティールが新株予約権の行使の差止めなどを求めた事件について、最高裁は適法と認めた。 【参考】空港会社への外資規制は必要=冬柴国交相(時事) http://www.jiji.com/jc/zc?k=200802/2008020100376 冬柴鉄三国土交通相は1日の閣議後会見で、国交省が今国会提出を目指す空港整備法改正案に盛り込む予定の空港会社などへの外資規制に批判があることに対し、「空港や空港ビルは代替のきかない重要な施設。一部特定の外資に支配されることは国益に反する」と必要性を強調した。 いずれも、 「上場している株を必要以上に 外資に買い占められるのはけしからん (≒経営に重大な影響力を持つ持分を保有する)」 という拒否反応ですね。 従って、これ以降は、 「会社が外資に買い占められる場合」 を想定して議論を進めることにします。 (少数株主の地位では脅威としての意味は持たない) では、仮に外資に買い占められた場合、 それは「需要者の選択の自由」を 奪うことになるのでしょうか。 <「株主」にとっての「外資規制」の是非> まず、「需要者」の定義からしておきましょう。 それは、 ● 株主 (既に持っている「既存株主」 +これから投資しようと考えている「潜在株主」) であり、 ● サービスの利用者(消費者) であるはずですよね。 では、彼らにとっての「選択の自由」とは 何を意味するのでしょうか。 それは、「株主」にとっては、 「株主価値を高めてくれる経営陣の選択の自由」 であり、 「サービスの利用者(消費者)」にとっては、 「最適なサービス供給者を選択する自由」 を意味すると考えられます。 では、ここである会社が外資に買収されたら どうなるのか。 その「選択の自由」は奪われてしまうのでしょうか。 まず、「株主」にとって、 投資を外資に開放するということは、 自分たちの利益(株主価値の向上)に見合った 「経営陣の選択の幅」を確実に広げることを意味します。 【参考】株主価値(wiki) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%AA%E4%B8%BB%E4%BE%A1%E5%80%A4 株主価値(かぶぬしかち)とは、会社の事業価値から負債価値(他人資本の価値)を差し引いた残余を言う。一般に上場会社の時価総額を指して株主価値と言うことが多い。 「株主」である彼らにとっては、 その価値を高めてくれる経営をしてくれるのであれば、 それが「外資」であろうが 「日系」であろうが関係ないはずです。 逆に言うと、「外資」にも「日系」にも、 良い経営陣(株主)もいれば悪い経営陣(株主)もいるわけで、 「外資」だから、「日系」だからと言う理屈はない。 従って、「外資規制」は、 彼らの「選択の自由」を確保するよりも、 その自由を奪う弊害の方が大きくなるため、 「株主」にとっては望ましいものではなく、 この観点から見た「外資規制」はおかしいと 判断してよいことがわかる。 では、一方サービスの利用者にとっての 「外資規制」はどのように考えればいいのでしょうか。 <「サービスの利用者」にとっての「外資規制」の是非> 前章でも言及しましたが、サービスの利用者(消費者) にとっての「選択の自由」とは、 「最適なサービス供給者を選択する自由」 であるということは先ほど述べました。 最適な供給者を選ぶという観点から見れば、 ある会社が外資の買収されようが、 サービスの利用者にとっては基本「中立」であるはずです。 なぜなら、他に競争相手がいる限り、 新たな経営陣がより魅力的なサービスを提供してくれれば、 利用者はそれを選択するだろうし、 そうでなければ、他を選択することになるだけだからです。 そして、魅力的なサービスを提供できるかどうかという 経営手腕も「外資」だから「日系」だからという レッテルを貼ることは正しくありません。 これは先ほどの「株主」のところでの議論と同じです。 どこかの国の官僚べったりの官房長官は、 ヒースロー空港の例を出して、 「『外資』の進出には害がある」なんていう、 ミスリーディングも甚だしいネガティブキャンペーンを 展開しております。 (ほんとに誰かこいつだけはどうにかしてくれ!!) 【参考】空港外資規制法案、国会提出しようと思っている=官房長官(ロイター) http://jp.reuters.com/article/domesticEquities/idJPnTK006641120080205 「空港という国家の基本インフラには、セキュリティ上の問題もあり、一定の資本規制も必要だ。多くの国々でそうした規制もあるし、国が資本を持ったままの国もある」とし、外資に買収されたヒースロー空港の例を引き合いに出し、人手不足や近代化投資が遅れていると指摘した。 が、これもいわゆる「外資排斥論」の欠陥を抜け出せない 主張でありまして、だったら「日系」であれば、 本当に魅力的なサービスが提供できるのかという問いに 答えられるものではない。 【参考】「国益を守る」とはどういうことなのか http://keyboo.at.webry.info/200802/article_12.html 従って、サービスの利用者(消費者)にとっても、 その供給元が「外資」であるか「日系」であるかは 基本的には関係のない話であって、 より多くの選択肢を確保するという意味においては、 「外資」だけを特段排除する理由はないため、 この観点から見ても「外資規制」はおかしいと 判断してよいことがわかります。 と言いたいところなのですが ここで問題が一つあります。 <残された懸念> これがまさに前回までに議論した部分になってくるのですが、 それは、自由競争が促進されることによって 「独占」状態に到達してしまう場合です。 【参考】規制が正当化される条件は何か http://keyboo.at.webry.info/200802/article_13.html http://keyboo.at.webry.info/200802/article_14.html そのサービスを提供する企業を その投資家が全部買収してしまうような場合、 つまり、サービスの利用者にとって、 他に選択できる相手がいなくなってしまった場合です。 そして、 「それが生活必需品(電気・ガス・水)や 安全保障上不可欠なものだったらどうするんだ」 という懸念があるのもうなづけます。 今般話題になっているの空港に対する外資規制も そうした懸念から来ているのでしょう。 【参考】空港外資規制 安全保障の議論が重要だ(産経) http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080207/plc0802070258003-n1.htm 【参考】空港外資規制 安全保障上の歯止めが必要だ(読売) http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080208-OYT1T00965.htm 【参考】首相、空港外資規制「安全保障上の問題を検討」(日経) http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080225AT3S2401224022008.html では、この懸念については、 どう考えればいいのでしょうか。 (その5につづく) http://keyboo.at.webry.info/200802/article_16.html 最後までお読み頂きありがとうございました。 当ブログは下記ランキングサイトに参加しています。 この記事があなたのお役に立てましたら、 是非清き一票をよろしくお願いします!! ![]() ![]() (ご参考) 「経済」をもっと深く知りたい方におすすめの本
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