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ソ連崩壊とロシア危機から復活を遂げたプーチン・ロシア。 その復活をもたらしたのは、 世界経済拡大による資源価格高騰という「運」と、 独裁の『功』の部分を享受するために自身の権限拡大を 図った彼の政治的「実力」であった。 そして、強固な権力基盤を手にした彼は、 今後の自身の影響力持続のため、 後継に自身の傀儡を立て、自らは首相に就任し、 4年後に大統領に復活するという 長期的シナリオを用意してきた。 ● 三期連続大統領にはなれないので、 大統領選に先立つ下院選を自身への「信任投票」と 位置づけ、2008年以降も権力の座に居座ることの 「信」を問う。 ● 自身の操り人形になる人物を大統領に後継指名し、 その人物に自分を首相に任命させる。 ● その操り人形が一期を勤めた後、 自身が大統領に復帰する。 このシナリオがうまくいけば、 今後20年ほどプーチン時代が続くことになりそうですが、 果たしてこの筋書き通りにいくのでしょうか。 ご訪問頂きありがとうございます。 当ブログは下記ランキングサイトに参加しています。 あなたの清き一票を是非よろしくお願いします!! ![]() ![]() <ここまでは筋書き通りに事が運んでいるが・・・> まず、2008年以降も権力の座に居座り続けることに 対する「信任投票」と位置づけていた、 ロシアの下院選挙ですが、結果はシナリオどおり プーチンの圧勝となりました。 【参考】プーチン与党圧勝、議席3分の2以上確実――ロシア下院選(日経) http://www.nikkei.co.jp/kaigai/eu/20071203D2M0300F03.html プーチン大統領は自らが統一ロシアの候補者名簿の第1位に入った今回の選挙を「信任投票」と位置づけており、同党の勝利を受け、来春の退任後も権力を維持する体制を固める構えだ。 そして、シナリオ通り、 次は自身の操り人形になる人間を後継指名し、 その人物に自分を首相に任命させる手を打ってきた。 【参考】ロシア次期大統領にプーチン大統領が第1副首相への支持を表明(AFPBB) http://www.afpbb.com/article/politics/2324083/2445722 【参考】「プーチン首相」礼賛 “翼賛国家”まざまざ(産経) http://sankei.jp.msn.com/world/europe/071212/erp0712122140005-n1.htm ロシアの大統領後継者と目されるメドベージェフ第1副首相がプーチン大統領に次期政権での首相就任を要請したことに対し、各界から礼賛の声が上がっている。“プーチン翼賛体制”の中では、権力が一部側近に独占されていることの不自然さや、一連の社会問題が置き去りにされていることへの批判はかき消されている。 【参考】政権批判の急先鋒、カシヤノフ元首相の露大統領選立候補取り消し(読売) http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008012700175 経済官僚出身のカシヤノフ氏は、プーチン政権の第1期に首相に登用された。しかし、大統領に解任された後は、反プーチン勢力の指導者に転じ、街頭デモなどを通じて政権を「非民主的」と批判してきた。 そうなると、当然シナリオの第三段階も見えてくるわけで。 【参考】プーチン大統領、2012年再出馬の可能性を否定せず(AFPBB) http://www.afpbb.com/article/politics/2282961/2143891 ソチでの会議で大統領と対談したロンドン在住のアナリストOksana Antonenkoは、「大統領は、2012年の大統領選はずいぶん先であり、検討するには時期尚早だとの見解を示すにとどまった」と述べた。 まさにここまでは 筋書き通りに事が運んでいるように見える。 しかし、このシナリオには本当に死角がないのでしょうか。 <エリツィン路線を否定したプーチンこそエリツィンの従順な下僕だった> 私はロシアの政治に詳しくないので、 ちょっと気になって調べてみました。 「そういえば、 プーチンってどうやって大統領になったんだっけ?」 【参考】ウラジーミル・プーチン(wiki) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3 1996年にロシア連邦大統領府総務局次長としてモスクワに異動し、KGBの後身であるロシア連邦保安庁(FSB)の長官を務めた。エフゲニー・プリマコフのボリス・エリツィン追い落としクーデターを未然に防いだ功績によりエリツィンの信頼を得、1999年に首相に任命されると第二次チェチェン紛争の制圧に辣腕をふるって国民の支持を集め、同年健康理由で引退を宣言したエリツィン大統領によって大統領代行に指名、2000年の大統領選挙でも圧倒的な人気を集めて過半数の得票を受け当選、正式に大統領となった。 実は、プーチンってもともとは 「エリツィンに指名されて大統領になった」んですね。 「指名される」ということは、 当然「気に入られていた」ということですから、 大統領になる前のプーチンは、親エリツィンだったのです。 というかエリツィンに従順な僕(しもべ)だったんですね。 ところが、大統領になったプーチンはどうなったか。 エリツィン路線を引き継ぐどころか、 これを真っ向から否定し、制圧していったのです。 【参考】ウラジーミル・プーチン(wiki) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3 エリツイン時代はエリツインとその側近および支持基盤の新興財閥オリガルヒによるメディア支配の時代であった。 つまり、エリツインは、自分の言うことを聞く子飼いとして プーチンを後継指名したはずなのに、 その飼い犬に逆にかみ殺されてしまったわけです。 ここから何がわかるのか。 それは、満を持して後継に指名した 自身の傀儡であるはずの第一副首相メドベージェフ氏ですが、 彼だっていつ主人を裏切って噛み付いてくるか わからないということです。 そして、自身の経験から、 そのことはプーチン自身が一番良くわかっているはずなのです。 そう考えると、ちょっと気になることがあります。 それは、 「なぜプーチンは早々と後継を指名したのか」 ということです。 <急がざるを得なかった「後継指名」> ロシアの大統領選挙は今年の3月です。 しかし、プーチンは下院選が終わった直後の昨年12月に 早々とメドベージェフへの支持を表明しました。 もし、自身の権力基盤を維持したいのであれば、 各候補の自分への忠誠心を見極めるためにも、 支持表明はギリギリまで取っておく方が得策であるはずです。 それなのに、プーチンは早々と態度を表明してしまった。 それはよっぽどの自信の表れなのか。 それともメドベージェフのプーチンへの忠誠心を 心底信じているのでしょうか。 いや、そんなことは決してない。 なぜならエリツインに従順であった自分は ものの見事に彼を裏切ったのだから。 どうもロシアでの権力移譲はそういう歴史があるようだ。 【参考】プーチン、院政への布石(ロシア政治経済ジャーナル) http://archive.mag2.com/0000012950/20071004011942000.html?page=2 ちょっと歴史を振り返ってみましょう。 そういう裏切りの歴史があるにも関わらず、 プーチンは早々とメドベージェフへの支持を表明してしまった。 ということは、 この態度表明は、 自ら「したいから」したのではなく、 「せざるを得なかったから」 と考える方が自然ではないだろうか。 では、なぜプーチンは 早々と態度表明をせざるを得なかったのでしょうか。 <プーチンの権力基盤は磐石ではない?> まさにそのことを鋭く指摘している方がおられますので ご紹介したいと思います。 【参考】ロシア「20年王朝」に狂い(佐藤優の地球を斬る) http://www.business-i.jp/news/sato-page/rasputin/200712260002o.nwc この大会でプーチン大統領が、メドベージェフ氏が大統領に当選した曉には首相に就任すると明言したことだ。筆者の理解では、このような意思表明をこのタイミングでプーチン大統領が行うのは早すぎる。プーチン大統領はかなり焦り、動揺している。 扉を開けてみないと、部屋の様子まではわからないように、 一見、外からは強固な一枚岩に見えるロシアも、 扉を開けてみると、中は結構凄まじい様子らしい。 どうもロシアでは、 かつてない権力闘争が繰り広げられているようなのです。 その抗争が激しくなりすぎると、 自身に影響が及ぶことを恐れたプーチンは、 事態収拾のために、やむなくこの早いタイミングで 後継指名に踏み切らざるを得なかったということのようです。 つまり、ここからわかることは、 「プーチンの基盤は意外と磐石ではないかもしれない」 ということです。 この点を指摘している記事は他にもあります。 ちょっと長いですけど、引用させて頂きます。 【参考】「プーチン首相」は官僚出身の大統領をどうするつもりか(FT) http://news.goo.ne.jp/article/ft/world/ft-20071224-01.html 消息筋の間にも、メドベージェフ氏を「リベラル」と呼ぶことに抵抗感はあるようだ。プーチン大統領の経済顧問をつとめたアンドレイ・イラリオノフ氏は、メドベージェフ氏をよく知る立場にあったが、「彼は『リベラル』というわけではなく、文民出身だというに過ぎない」と語る。つまりメドベージェフ氏は、プーチン政権の枢要を占めるシロビキ(国防・諜報出身者)ではないということだ。「プーチン政権は、シロビキ(軍部)と官僚の2派閥から成り立っているが、メドベージェフ氏はその官僚出身者の代表ということだ」 世間一般では、この先何十年に渡って プーチン「王朝」が続くというのがコンセンサスとなっております。 たしかに、外から見るとそういう筋書き通りに 進んでいるようにも見えますが、 一旦フタをあけてみると、 そう一筋縄ではいかない内情が垣間見えるわけで、 この意外なプーチン王朝崩壊シナリオも、 頭の片隅においておくべきかもしれません。 (次回からは「国内編」に移らせて頂きます) 最後までお読み頂きありがとうございました。 当ブログは下記ランキングサイトに参加しています。 この記事があなたのお役に立てましたら、 是非清き一票をよろしくお願いします!! ![]() ![]() (ご参考) 「ロシア」をもっと深く知りたい方におすすめの本
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日比野庵 本館 2008/01/29 23:52 |
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縦糸が途中で切断されずにずっと続いているような国は、世界でみても数少ない。単なる時の政権の交代というレベルではなく、その民族や伝統が断絶しないということが条件になるから。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2008/01/30 21:18 |
フロリダ予備選結果はマケインとクリントン
||| フロリダ勝者 マケインとクリントン ||| フロリダ予備選 結果速報:共和党マケイン36%、ロムニー31% 民主党:クリントン50%で圧勝、オバマ32%、エドワーズ15% ...続きを見る |
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||| マケイン 対 ロムニーに絞られた共和党 ||| フロリダ予備選の回答 共和党候補はマケイン対ロムニーに焦点 ジュリアーニ撤退、ハッカビー不振で浮上する共和党の両異端児 ...続きを見る |
米流時評 2008/01/31 13:15 |
中国の縁起レイヤー構造(縁起のレイヤーが結ぶ世界 その5)
日本はしっかりした伝達損失の少ない縁起の織物で出来た国なのだけど、これが中国だとまったく反対になる。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2008/02/01 00:55 |
多民族国家の縁起レイヤー構造(縁起のレイヤーが結ぶ世界 その6)
ある意味中国もそうなのだけど、多民族国家、つまり母国語や伝統文化が異なる集団を持った国家を纏めていくのは難しい。下層レイヤーでは、それぞれ異なる色合いの縦糸で出来た布があって、それを寄せ集めて、互いにツギハギして下位レイヤーが出来ている。それら「こま切れ」の下位レイヤーの布に上位レイヤーの一枚布を覆いかぶせて何とか国家の呈を成している。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2008/02/01 00:57 |
中世化する世界(縁起のレイヤーが結ぶ世界 その7)
国が人間道・天道の段階までくると、民衆レベルで上位レイヤーが十分活性化している。だから国が各レイヤーを活性化させるために口出しする必要がだんだん無くなってくる。横糸的には生命と財産の安全保障ができて、縦糸的には国民文化の維持・拡張政策ができれば十分。黒子に徹することになる。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2008/02/02 14:32 |
各レイヤーの接続問題(縁起のレイヤーが結ぶ世界 その8)
縁起のレイヤーでは、個人個人の繋がりは一本一本の糸を編んでいくことになるのだけれど、国同士でレイヤーを接続することになると少し事情が異なる。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2008/02/02 14:59 |
縁起レイヤー内通信の問題(縁起のレイヤーが結ぶ世界 その9)
各縁起レイヤー内の通信は何を媒体にして行われるかというと、テレビ、新聞、書籍、ラジオやネット、あとは口コミとか色々あるけれど、それらに共通しているものは「言語」。言葉を介してデータをやりとりしている。言語が伝達媒体の中枢なのは変わりない。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2008/02/03 23:22 |
言語と国は一致するか(縁起のレイヤーが結ぶ世界 その10)
同一言語を使う相手同士では、知・情・意の伝達に関してそれほど問題は起こさないケースが多いけれど、言語やその背景となる伝統や文化、思考が異なる相手同士を接続するケースになると、更に考慮しないといけないことがある。翻訳の問題がそれ。 ...続きを見る |
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『情』と『意』の翻訳と相互理解(縁起のレイヤーが結ぶ世界 その11)
建国神話があって、歴史が断絶せずに長く続いている国は、神話は単なる知識としての『知』だけではなくて、『情』や『意』の部分にまでしみこんでいく。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2008/02/05 01:08 |
思考のオーケストラ(縁起のレイヤーが結ぶ世界 その12)
思考は言語と言葉で構成されるから、言語の種類が沢山あるということは、それだけ思考の類型が沢山あるということを意味してる。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2008/02/05 01:10 |
世界調和の交響曲(縁起のレイヤーが結ぶ世界 最終回)
世界にはいろんな思考の型をもった文明圏が存在していて、それぞれの音色には特徴がある。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2008/02/08 01:00 |
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