途転の力学

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help リーダーに追加 RSS 「連立」を志向した小沢の筋書き(小沢代表辞任の真相を探る:その2)

<<   作成日時 : 2007/11/06 11:05   >>

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連立打診を反対され、辞任表明をした小沢。
それは自ら退路を断った衆院選の苦戦を感じ取り、
早期「政策純化」のための大博打であった。


では、なぜこの「タイミング」で連立を切り出したのか。
またこれは彼の筋書き通りだったでのしょうか。
(最初にお断りしておきますが、これは仮説です)





<自民党にあった「期待」と「余裕」>


「連立」がまかり通るためには、
双方ともに思惑が一致していなければならない。
では、なぜこのタイミングで双方の思惑が
一致したのでしょうか。


自民党が参院選に惨敗して、参院第一党の座を
民主党に明け渡し、史上初の国会ねじれ現象が起きました。


テロ特措法の延長期限が迫る中、
これは政権を担う自民党にとっては大きな痛手であった。


衆院再議決の手もあるが、その「宝刀」を使う勇気はなかった。
安倍政権時の強行採決が国民の批判を浴びていたと
感じていたからだ。
次の衆院選に負けたら自民党は確実に崩壊する。
それだけは何としても避けなければならない。

【参考】与党、「再議決で成立」に慎重論・給油新法案(日経)
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20071012AT3S1102A11102007.html


しかし、「テロ特(給油新法)」は国益の観点から
何としても通さなければならない。
そして、安倍は退陣した。


新任の福田は局面を打開すべく、それまでの
「強硬路線」から「融和路線」に転換した。
「話し合い」をすれば、国益の絡む重要案件だけに
民主党も妥協してくれるという期待があった。


【参考】福田首相の講演要旨(共同)
http://topics.kyodo.co.jp/feature57/archives/2007/09/post_21.html

民主党がいい案を出せば、取り入れる姿勢が必要で、民主党に事前に内容を諮ることをしないといけない。われわれの方は、けんかを売るつもりはさらさらなく、話し合いで協調する道を模索したい。


民主党が話し合いに応じて、
給油新法が通りさえすれば、とりあえずの峠は越せる。
その期待に賭けた自民党は、
まだ「連立しかない」という状況ではなかったのだ。


【参考】首相 話し合いで理解得たい(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/toppage/errors/not_found.html

国会は参議院予算委員会での質疑が始まり、福田総理大臣は、参議院で与野党が逆転している「ねじれ国会」への対応について、「話し合えば何とかなるという希望も捨てていない」と述べ、海上自衛隊による給油活動を継続するための新たな法案などに、野党側の理解が得られる ...


しかも「給油新法」が通らなければ、
あからさまに民主党のせいにできる。
さすがにそんなことは小沢もしないだろうという読み。
自民党にはまだ「期待」と「余裕」があったのだ。





<小沢にはなかった「余裕」>


一方の小沢はどうか。


前回の記事でも書きましたが、
小沢さんは世間の下馬評とは裏腹に
既に苦境に立たされていました。


【参考】小沢代表辞任の真相を探る(その1:連立の「根拠」に対する疑問と小沢の苦悩)
http://keyboo.at.webry.info/200711/article_5.html


自ら書いた筋書きではあるが、
「野党共闘」はいずれ自分の首を絞める。


今回の参院選は確かに圧勝したが、
「民主党」の顔をして新しく乗り込んできた連中は、
思想的には「左側」の人たちが多い。


そういう人たちがいずれ政権を取ったときに
自分の政策に素直に従ってくれるとは思えない。
政権とるために数は欲しいが、
いずれ「招かれざる客」になるはずだ。


【参考】私の基本政策(小沢一郎ウェブサイト)
http://www.ozawa-ichiro.jp/policy/run_for_ipolicy_0609.htm
【参考】第九条はこう修正すべきだ 参議院を「権力なき貴族院」にせよ(小沢一郎ウェブサイト)
http://www.ozawa-ichiro.jp/policy/04.htm

(引用)************************************

日本国教育基本法の制定
「教育の崩壊」とも言える現状を根本から改めるために、現行の教育基本法に代わり、「日本国教育基本法」を制定し、国の最終責任と市町村の役割を明確にした教育制度を構築する。


自衛権の行使は専守防衛に限定
日本国憲法の理念に基づき、日本及び世界の平和を確保するために積極的な役割を果たす。自衛権は、憲法第9条に則って、個別的であれ集団的であれ、わが国が急迫不正の侵害を受けた場合に限って行使する。


国連平和活動への積極参加
国連を中心とする平和活動については、国連の要請に基づいて積極的に参加する。国連の平和活動は、国連憲章第41条及び42条に基づく強制措置への参加であっても、主権国家の自衛権行使とはまったく性格を異にしており、したがって日本国憲法第9条に違反せず、むしろ、国際社会における積極的な役割を求める憲法の理念に合致するものである。


第九条はこう修正すべきだ
自衛権というのは、人間に譬えれば正当防衛権である。これらの本来的な権利は「自然権」として認められていて、最高法規の憲法や国際条約は言うに及ばず、いかなる法律もその権利を否定することはできない。一国の中で強制力を持つ刑法体系においても、正当防衛や緊急避難は認められている。強制力を持つ統一した法秩序の存在しない国際社会では更に当然の国家としての自然権である。国家の正当防衛権が認められなければ、憲法など成り立たない。

(引用おわり)************************************


さらに今度の衆院選は参院選とは違う。
「本当の政権担当能力」が問われる。
今の民主党にそれがないのは小沢自身が一番良くわかっている。


しかも衆院選は「都市型選挙」だ。
地方の一人区を「ドサ回り」していれば勝てるという秘策もない。

【参考】参議院と衆議院の違い(国際戦略コラム)
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/L9/190729.htm


参院選で圧勝したから衆院選も勝てる保証など何もない。
世論の移り気の早さはいやというほどわかっている。


衆院選で負ければ、「自らの政治生命を賭ける」と
言った以上、政界を去らなくてはいけない。
そんなことになれば、これまでの苦労が水の泡だ。
そんな「不確実な選挙」にBetするわけにはいかない。


戦況が芳しくないため、
一刻も早く「政策純化」を計らなければならないが、
「対決路線」をとってきた手前、
おいそれを譲歩するわけにはいかない。


では、この苦しい状況で、
自らの政策を実現するためにはどうしたらいいのか。


こうなったら答えは一つしかない。
不確実な「選挙」よりも確実な「連立」。
かつて小沢自身も駆使した手法だ。


実は、「余裕」がなかったのは自民党ではなく、
小沢の方だったのではないか。
彼は前々から「連立」を企図していたのではないだろうか。



「連立」は決して「ナベツネ」主導ではなかったのだ。

【参考】大連立協議の裏に「ナベツネ」 混乱に拍車(iza)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/96792/





<小沢が「テロ特」延長に最後まで反対した理由>


この仮説が本当だとすると、
小沢さんが「テロ特」の延長に
執拗に反対していた理由がわかります。


なぜなら、小沢さんの反対理由は、
彼の理念に照らし合わせてみると
明らかに矛盾しているからです。



小沢さんは、インド洋における海上自衛隊の給油活動は、
国連決議に基づいていないからという理由で反対して
おりましたが、実はその活動は国連決議1386に基づく
ものだったことが明らかになっています。

【参考】テロ対策特別措置法の対案(国際戦略コラム)
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/190929.htm

(引用)****************************************

まず、民主党の小沢党首が、国連決議に基づかないアフガン戦争というのは間違いで、国連決議1386がアフガニスタンへのNATO軍参加を容認している。イラク戦争とアフガン戦争は違う。

国連決議1368でテロへの攻撃を容認したが、イラクのフセイン元大統領は、アルカイダを認めていないし、敵として扱っていたので、米国のイラク攻撃は国連決議1368を使えず、国連決議に基づかないことになる。

一方、アフガンのタリバンはアルカイダとその軍事訓練基地を容認していたので、国連決議1368を別に国連決議1386を決議して、NATO軍やフランスなど73ケ国が参加している。この参加国に対する海上給油は国連決議に基づいている。

(引用おわり)************************************


それは先に行われたシーファー米駐日大使との会談でも
言及されている。

【参考】小沢代表、シーファー米大使が初会談…テロ特措法で平行線(読売)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe7700/news/20070808i113.htm

大使は「今年3月に採択されたアフガニスタンに関する国連安保理決議に、(活動部隊は)言及されている」と指摘したが、小沢氏は「米軍中心の活動を、直接的に規定する国連安保理決議はない」と反論し、平行線をたどった。


それなのに小沢さんは反対し続けた。
これは明らかに彼の論理からして矛盾する行為だ。
では、なぜ執拗に反対を貫いたのか。


それは、その後の顛末を見れば明らかになります。


小沢さんの指揮の下、民主党が最後まで反対を貫いた結果、
「テロ特措法」は期限切れとなり、
給油活動は一旦中断を余儀なくされました。

【参考】海自、インド洋撤収・テロ特措法期限切れ、6年の給油活動中断(日経)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20071101AT3S0102501112007.html


「話せばわかる」とタカを括っていた自民党の
淡い期待はもろくも崩れ去った。

まさか最後まで反対を貫くとは思っていなかったからだ。
こうなったら自民党としても完全に「余裕」がなくなった。

【参考】テロ特措法:期限切れ 給油中断、米国務省副報道官「失望」(毎日)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071102ddm001010029000c.html
【参考】給油再開「数週間内に」=今国会の新法成立促す−米国防長官(時事)
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-02X758.html


米国からの怒りも買い、完全に追い込まれた。
「ピンチになったら連立」という宝刀に
手をかけざるをえなくなってしまったのだ。



ここに両者の思惑が一致した。
これは、まさに小沢の筋書き通りの展開だった。
自民党の「生存本能」が見事に擽られたのだ。

【参考】大連立は「アリ」なのか
http://keyboo.at.webry.info/200711/article_3.html






<小沢の筋書きに乗った自民党>


こうして考えると、「連立」打診のカラクリがどのような
ものだったのか、また連立を「打診」したのが
どちら側だったのかが見えてくる。


つまり、「連立」を先に志向していたのは小沢の方だが、
自分から先に言い出すことはできない。
まだ自民党には「余裕」があったからだ。


だから、その「余裕」を打ち砕くために
「テロ特」延長に最後まで反対した。
自分の理念と矛盾していたとしてもだ。


そして、自民党から「余裕」を奪い、
自分に救いを求めにくるという「筋書き」を描いたのだ。
その「筋書き」に自民党が乗っかった。



だから、先に志向したのは小沢さんの方だったかもしれないが、
実際に「打診」したのは自民党からと考えて間違いない。
自民党側もそれを認めている。

【参考】「連立打診は自民から」自民・伊吹幹事長が明言(京都)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007110400129&genre=A1&area=K00


ここまでは、完璧に「筋書き」通りだった。
しかし、最後の最後に大ドンデン返しが待っていた。
民主党内部からの離反だ。

役員会で「連立」が拒否されてしまったのだ。


この離反に怒った小沢は代表辞任を表明した。
これも彼の「筋書き」通りのシナリオだったのでしょうか


(次回に続く)
http://keyboo.at.webry.info/200711/article_7.html

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
小沢さんは自由党時代からこのテロ特措法に反対していたことを考えると、「小沢主導論」ではないと思います。

@隼人正
2007/11/07 21:52
@隼人正さん>
たしかに小沢さんは自由党時代からテロ特措法に反対していたのはわかりますが、それが「小沢主導ではない」という理由には必ずしもならないと思います。反対であるのはわかるが、そうであればなぜ対案すら出さなかったのか。なぜ最後まで対決姿勢を崩さなかったのか。そして、なぜ今になって対案を出してきたのでしょうか。「反対であったから」ということではなく、「参院第一党であるにも関わらず期限切れまで対案すら出さなかったという姿勢」にこそ、彼の真意が隠されているのではないかという風に私は考えました。
新快速 播州赤穂行き
2007/11/07 22:38
与党はどこと連立か。公明党は中流から下あたりの庶民の意見、むしろその下のギリギリ生活者の共産党社民党と連立ありえないかな。格差社会解消に民主党がとことん取り組むならマジ大連立もあるかも そうゆう状況ですね
品川商事中野商事
2008/01/30 09:58
品川商事中野商事さん>
コメントありがとうございます。公明党は政界のキャスティングボードになることを至上命題にしていますので、政権に就く可能性が全くない共産党や社民党との連立は100%ないと考えていいと思います。再編の台風の目となるのは、小泉さんと平沼新党あたりかなと今のところは見ています。いずれにしろ、政界再編が始まれば、自民党も民主党も一回割れるような気がします。
新快速 播州赤穂行き
2008/02/01 21:32

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