途転の力学

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help リーダーに追加 RSS (政局ウォッチ)「大連立」は「アリ」なのか

<<   作成日時 : 2007/11/02 17:19   >>

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福田政権が誕生して1ヶ月余りが過ぎましたが、
残念ながら、国会のねじれ現象の歪みを
解消することは出来ず、テロ特の問題だけでなく、
あらゆる問題が先送りとなってしまい、
事実上国会が機能不全の状態に陥っております。

【参考】テロ特措法、1日期限切れ・給油活動停止、海自撤収へ(日経)
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20071101AT3S3101B31102007.html
【参考】道徳の教科化、事実上見送り 中教審(朝日)
http://www.asahi.com/life/update/1024/TKY200710240413.html
【参考】労働基準法改正案、今国会成立を断念・雇用2法案は成立狙う(日経)
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20071101AT3S3100W31102007.html
【参考】与党、国会同意人事の協議断念(日経)
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20071015AT3S1501415102007.html
【参考】日本版NSC見送り 今国会、給油新法を優先(中日)
http://www.chunichi.co.jp/article/politics/news/CK2007100802054682.html


これはやっぱり解散総選挙しかないのかなあ
と思っていた矢先にとんだサプライズが起こりました。





<自民・民主大連立構想のサプライズ>


とんだサプライズとはこれ。

【参考】永田町密室45分「解散?大連立?」飛び交う憶測(iza)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/95912/

首相は党首会談冒頭で、「1カ月やったが、内政も外交もなかなか進まない。新しい日本の動かし方を一緒に考えたい」と述べているが、この発言について「大連立を視野に入れたもの」(自民党中堅)との見方は強い。

 首相は同日夜、記者団から「大連立も排除しないことか」と問われると、「大連立というのはどういうことか知りませんけどね。要するに何か動かす方法を考えなければいけないっていうことですよ」ととぼけてみせたが、大連立自体を否定する事は最後までなかったのだ。



福田さんが小沢さんと党首会談をやったのはいいんだけど、
そこでなんと「大連立構想」が飛び出したとかしないとかで
大騒ぎになりました。


福田さんも明確に否定しなかったところを見ると、
大連立の話が全くなかったわけではないようで。


これは単なるリップサービスなのか。
それとも福田流「クリンチ作戦」なのか。
その真意は一体どこにあるのか。


これまで見てきたように、
福田さんは政局のキーマンでは「ない」ので、
「どうもこれは福田さん個人の意志ではないのでは」

といぶかっていたら見つけちゃいました。

【参考】古賀選対委員長、「政界再編視野に」(朝日)
http://www.asahi.com/politics/update/1022/TKY200710220333.html

自民党の古賀誠選挙対策委員長は22日、大阪市内の講演で、次の解散・総選挙で与党が過半数を獲得した場合の政権運営について「政界再編を視野に入れた政権運営も必要になってくるのではないか」と述べ、衆参両院で保守系勢力を結集すべきだとの考えを示した。


【参考】大連立構想再燃か…動揺する与野党 公明に焦り(産経)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/071031/plc0710310133001-n1.htm

(引用)***************************************

大連立構想の旗振り役となったのは参院選後に読売新聞の渡辺恒雄・グループ本社代表取締役会長だ。自民、民主両党の幹部らに「自民、民主で大連立を組み、憲法や社会保障改革などを一気に進めた上で中選挙区制に戻すべきだ」と力説して回ったとされる。

これと連動し、中川、山崎両氏のほか、古賀誠選対委員長、武部勤元幹事長、中曽根康弘元首相らも相次いで大連立構想に言及した。渡辺氏は福田政権樹立にも一役買っており、首相も「選択肢の一つ」と考えている節がある。

(引用おわり)***************************************


やっぱり伏線を引いていたのは
「野中組」だったんですね。



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もともと野中さんは、解散総選挙の時期について
こう言及していました。

【参考】野中氏「総選挙はサミット後が望ましい」(TBS)
http://news.tbs.co.jp/part_news/part_news3687019.html

福田政権誕生で自民党内に強い影響力を持つ野中 元自民党幹事長は、TBS「時事放談」の収録で衆議院の解散総選挙の時期について、来年7月の北海道・洞爺湖サミットの後が望ましいとの考えを示しました。


しかし、フタをあけてみたらとんでもない、
「大連立構想」をぶち上げてきた。
この方針転換の理由は何なのか。





<なぜ今「大連立」なのか>


福田さんになって支持率が幾分回復したが、
肝心の内政・外交の諸問題が「ねじれ現象」のせいで
一向に進まない。


このままだと福田内閣の実績がないまま
解散総選挙に突入してしまう。
小沢に持って行かれた流れを引き戻す事ができないまま
選挙をやっても勝てるはずがない。


これはまずい。極めてまずい。
なぜ「まずい」のか。


それは自民党の「レゾンデトール」が政権政党で
あることでのみ成り立っているからです。



ということは、参院を野党に牛耳られた今、
衆院まで乗っ取られてしまったら、
それこそ本当に政権を失ってしまう。


そうなれば、唯一の「レゾンデトール」がなくなってしまうわけ
ですから、下野した瞬間に自民党は崩壊してしまう。
それだけは何としても避けなければならない。


みんな下野したくないんですよ。
自民党の人たちって。

解散総選挙をやって負けて下野するくらいなら
大連立をやってでも政権政党に残りたい。


これは、自民党の生存本能なのです。
そして、その生存本能のすごさを
我々はかつて目にしたことがあるのです。





<ピンチになったら「連立」方程式>


自民党が野党になったのは歴史上一回だけあります。
55年体制が崩壊し、細川内閣が誕生したときです。

【参考】細川内閣(wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%B0%E5%B7%9D%E5%86%85%E9%96%A3

自由民主党は第40回衆議院議員総選挙において、衆議院での過半数の議席の獲得に失敗した。その結果、昭和30年(1955年)の党結成後初めて与党の座から降りる事となった(55年体制の崩壊)。


そのとき下野した自民党はどうしたのか。
次の選挙までじっと耐え忍んだのか。


いやいや、そんな「正攻法」は取らなかった。
不確実な選挙よりも、
もっと確実な「裏技」を使ったんですね。


その「裏技」というのが「連立」なのです。


当時下野した自民党はどういう行動を取ったのか。
記憶に残っている方も多いかもしれませんが、
なんと、「社会党」と連立を組んで政権を奪還したのです。

【参考】村山内閣(wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%91%E5%B1%B1%E5%86%85%E9%96%A3

政権復帰を目指した自由民主党(総裁=河野洋平)が、自民党・社会党(委員長=村山富市)・新党さきがけ(代表=武村正義)の三党によって村山富市日本社会党委員長を内閣首班として担ぐことを提案、合意の上、自由民主党のほぼ全員(中曽根康弘・渡辺美智雄らが造反)と[[日本社会党]・新党さきがけの全員が首班指名選挙で村山富市に投票したため、新生党・公明党の与党側が推していた海部俊樹を破って、1948年3月以来の社会党委員長を首班とする内閣が成立した。


「自民党」と「社会党」なんてのは
水と油のはずなのに、政権のためなら
背に腹は変えられないとばかりに手を組んでしまった。


ここに「ピンチになったら連立」という
自民党の生存本能剥き出しの
悪しき「方程式」が出来上がってしまったのです。






<自公連立も「方程式」の産物>


そして、自民党のピンチはもう一度訪れました。
2000年の森内閣のときです。


当時の森内閣は「しんきろう内閣」とも揶揄され、
支持率はなんと一桁台を彷徨っていました。


やばい。
総選挙をやったら下野してしまう可能性が高い。
下野の苦渋は細川内閣の時でこりごりだ。


この状況を打開するにはどうしたらいいのか。
どうやったら政権基盤が安泰するのか。


そうだ、あの手を使おう。
魔法の「連立方程式」があるじゃないか。


こうして再度禁断の剣に手をかけたのが
他でもない、
今回の総裁選の影の黒幕「野中氏」だったのです。


【参考】野中広務とその時代
http://home.owari.ne.jp/~fukuzawa/nonaka.htm

(引用)***************************************
6.公明党を小沢から奪う

小沢一郎が経世会の中で力を蓄え、やがて分裂して自らの派閥をつくることができた背景に、公明党書記長の市川雄一、ひいては池田大作創価学会会長との太いパイプがあった。93年夏に細川政権を誕生させた立て役者の一人は市川である。

 市川は池田会長の覚えがよかった。1976年に初当選し、86年に国対委員長に起用され、当時官房副長官だった小沢と意気投合した。細川内閣の組閣前日、池田は長野市で行われた学会本部幹部会で、こうスピーチした。

「スゴイ時代にはいりました、ね! そのうちデージンも何人か出るでしょう。まあ、明日あたりですから。みんな、皆さん方の部下だからそのつもりで。日本一の創価学会ですよ。明日の新聞楽しみに。まだ言うのは早いんですけどね。これからですよ本当の仕事は」

 翌年、市川は小沢と新進党を結成した。しかし、これを境に、自民党の創価学会攻撃が猛然とはじまる。そして、その先頭に立ったのは、いうまでもなく「政界の狙撃手」と恐れられた野中広務だった。

 野中はまず、学会発行の「聖教グラフ」に目を付けた。そこに池田が外国の要人と会見する写真がたびたび掲載されていた。問題は写真のバックに映っているルノワールとかマチスといった有名画家の絵だった。

 野中はその絵を創刊号からすべて調べあげ、学会が届けている資産リストと照合した。その結果、届けられていない資産がかなりあるらしいことがわかった。野中はこの事実を公然とは発表せず、それとなく漏らした。学会としてはこうした野中の行動が不気味だった。

 さらに、池田側近で「公明」代表の都会議員・藤井富雄が暴力団の組長と密会したところを撮られたビデオを自民党の亀井静が入手したという情報がもたらされた。情報の出所は野中広務だった。野中に脅されて、学会はふるえ上がった。

 村山内閣が発足し、非自民政権が崩壊すると、自民党の公明・創価学会攻撃はさらに熾烈になった。自治大臣となり国家公安委員長の地位に就いた野中は「オウム事件の捜査が宗教法人の壁に阻まれた。法改正の必要がある」と言い出した。

 そして95年秋の国会で、創価学会に拘わる宗教法人法改正が行われた。これに先立ち、創価学会会長の秋谷栄之介が国会に参考人として呼ばれた。「このまま野中と対立していたら何をされるかわからない」という恐怖心が学会に広がった。

 小沢と「一・一コンビ」を組んでいた市川書記長は更迭された。公明党は新進党から離脱し、小沢と距離を置くようになった。そして創価学会は野中に叩かれるたびに恐怖心を募らせ、野中に接近していった。こうして野中は公明党を小沢から奪い、「自公連立政権」を作りあげた。

 野中は自民党の他の議員が直接公明党と接触することを許さなかったという。公明党への窓口を自分だけにしぼることによって、野中はさらに自らの権力基盤を盤石なものにした。自民党のみならず、社会党と公明党を握った野中はいまや権力の頂点に立ち、「影の総理」とまでいわれるようになった。

(引用終わり)****************************************


「自公連立」も「ピンチになったときの連立方程式」
の産物だったんですね。


そして、その「方程式」を三たび使おうというわけなのです。





<自民・民主の大連立は「アリ」なのか>


自公連立は「方程式」の産物だった。


かつての自公の関係も水と油だったのだ。
それを野中が豪腕で連立をやってのけた。
政権に残るためなら理念なんてあったもんじゃない。

【参考】自公連立(wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%85%AC%E9%80%A3%E7%AB%8B

55年体制では、公明党は親自民のスタンスと、非自民のスタンスを揺れていた。選挙に勝てば安保・自衛隊に賛成、負ければ反対と、特に外交・防衛政策で立場の不鮮明が目立った。また、支持母体である創価学会が、壮年部が親自民もしくは自公民路線、婦人部と青年部が非自民もしくは社公民路線と、内部の路線対立も存在していた。

1993年、バブルが崩壊するとほぼ同時に、自民党の一党優位体制も崩壊。非自民内閣が成立する。公明党は、新進党結成に参加し、保守二大政党制を指向したかのように見えたが、新進党解体後は、既に単独では政権維持が困難になった自民党を補完する道を選んだ。



しかし、その自公で参院選に惨敗した。


公明党の神通力はもう通用しない。
政権維持に役に立たない連立はいらない。


こうなったら組む相手はもう民主党しかいない。


自民・民主も今は水と油のように見えるが、
しかし、だからといって連立が成立しない理由はない。
水と油が混じる光景は何度も目にしてきたからだ。


それに民主党も自民党を飛び出した輩が多い。
半分自民党みたいなもんだ。
代表も幹事長も最高顧問も元は自民党の人間だ。



「与党」というニンジンは思いのほか効果がでかい。
それは今優勢に立っている民主党だって同じはずだ。


そして、民主のトップはその与党の味を十分知っている小沢だ。
参院で第一党といっても過半数あるわけじゃない。


野党共闘で政権とっても組む相手は社民や共産。
そんな野党で政権をとってもうまくやっていけるわけがない。
小沢も磐石ではないのだ。


しかも自民党側の方から擦り寄ってきた。
これは「渡りに船」かもしれない。
こっちに有利な条件を引き出せるかもしれない。


不確実な「選挙」よりも確実な「連立」。
かつて小沢自身も駆使した手法だ。


こういう変化球を投げる人に対する
牽制球なのかもしれませんが、

【参考】平沼氏 新党結成を示唆(産経)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/071024/stt0710242240003-n1.htm

郵政民営化に反対し、無所属を続けている平沼赳夫元経済産業相は24日、都内のホテルで講演し、「保守系無所属で次の衆院選も戦いたい」と述べ、当面は自民党に復党しない考えを強調。「民主党で健全な保守を目指す人が乗りやすい船を作ることが先輩の使命だ」と述べ、次期衆院選を機に“平沼新党”を結成する考えを示唆した。


「自民・民主の大連立」
全くあり得ない話ではないかもしれません。


では、この「大連立」は果たして「是」なのか。


私は自民・民主が単純にくっつくだけの
「大連立」は「是」とは思いません。
そこには理念も何もない、
ただのピンチのときの「連立」方程式でしかないからです。


しかし、
「政界再編」を否定するわけではありません。



今の自民・民主とも一枚岩ではないし、
いろんな政治理念の人がごちゃまぜになっている。


民主党の中にも改革意欲のある若手はいますし、
自民党の中にも守旧派に属するような人はいます。


なので、本当に政治家が全うな政治活動を行うのであれば、
思い切った「政界再編」は「アリ」だと考えます。


画像

(「軸」は他にもあると思いますが、これはあくまで一例です)



(来週からまた「中国分裂の可能性を探る」シリーズを
再開させて頂きます。
またコメント・TB頂いた方、ありがとうございます。
週末は不在のため、リアクションは来週させて頂きます。
申し訳ございません。)


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