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今日から新シリーズを開始させて頂きます。 いつかこのテーマには触れなければいけないと 考えておりました。 「中国の持続可能性」についての問題です。 では、「中国の持続可能性」とは何か。 それは正確には、 「共産党の一党支配による体制がいつまで続くのか」 という問題であると言い換えることができます。 これは単純そうに見えて 非常に複雑な問題であると言えます。 ベルリンの壁崩壊やソ連解体などの例から明らかなように、 「共産主義」と呼ばれる体制が維持不可能である ということは、既に歴史で証明されております。 その観点から考えれば、共産党が独裁支配している中国は、 歴史の法則により、間違いなく崩壊するといえる。 しかし、物事はそう単純にはいきません。 ベルリンの壁崩壊から既に20年近く経っているのに いつまで経っても中国共産党が崩壊しないのです。 それどころか、共産党体制の中国は経済的に どんどん発展し、年率10%を超える脅威の成長を遂げ、 今や世界第4位の経済大国になった。 【参考】中国GDP、世界4位に上昇、03−06年平均成長率は10.4%(日経BP) http://www.nikkeibp.co.jp/news/china07q4/548226/ このペースでいくと、日本を追い抜いて世界第二位の 経済大国になるのも時間の問題であると言われている。 【参考】2010年にGDPが日中逆転も(日経ビジネス) http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20070920/135510/ 株価も最高値を更新し、来年には五輪、その2年後には 万博のホストとしての地位も獲得し、 まさに繁栄の極みを誇っている。 自由主義諸国の間でも、現共産党体制の中国の さらなる発展を予測する向きも多くなっている。 (とくにエコノミストを中心に) 【参考】中国経済、五輪後も高成長 野村証研究所が予測(iza) http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/83345/ 【参考】07年中国が米に代わり世界経済けん引 来年11%成長 IMF(IBtimes) http://jp.ibtimes.com/article/biznews/071020/13195.html 【参考】人手不足という中国経済の光明(大和総研) http://www.dir.co.jp/publicity/column/040831.html 【参考】専門家「中国経済、今後5年連続10%以上の成長」(中国情報局) http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=1007&f=business_1007_001.shtml これは歴史の法則が通用しないことを意味するのか。 中国は共産党体制を維持したまま 今後も発展を続けていくのでしょうか。 もちろん、既に各種報道等で明らかになっているように、 中国という国は繁栄のウラにたくさんの問題を抱えています。 たしかに、中国は繁栄と同時に軍拡を進め、 石油の大消費国となる等 世界的な脅威となる点も兼ね備えている。 しかし、問題のない国なんてありません。 自由主義諸国だってたくさんの問題を抱えています。 米国は言うに及ばず、日本だって「格差」等様々な 問題を抱えているはずです。 従って、「レジームチェンジ」の問題を考えるに当たっては、 ● どういう問題が存在するのか という命題と同時に、 ● 体制崩壊のトリガーとなるのは何か という命題についても考えなければなりません。 そのような観点から、「希望的観測」ではなく 純粋な「予測」として、中国の体制転換の可能性に ついて考えていきたいと思います。 中国の抱える内部矛盾、 そして海外との関係を解きほぐし、 そこから体制転換のトリガーがあれば、 それを読み解いて行きたいと思います。 まだ全体の構想は練りきれていませんが、 間に休憩を挟んで、やや長めのシリーズになると思われます。 よろしくお付き合い頂ければと思います。 では、まず今回の考察の出発点として、 中国社会の内部に潜入してみることにしましょう。 ご訪問頂きありがとうございます。 当ブログは下記ランキングサイトに参加しています。 あなたの清き一票を是非よろしくお願いします!! ![]() ![]() <高成長を素直に喜べない中央政府> 先週木曜日に発表された中国のGDPは 年率11.5%成長となり、11%超えとなるのは 3四半期連続、二桁成長も5年連続となる見通しとなりました。 【参考】中国GDP 11.5%増(7−9月期) 過熱感一段と(産経) http://sankei.jp.msn.com/world/china/071025/chn0710251357000-n1.htm まさに繁栄を謳歌している感じですが、 これが中央政府が求める成長軌道かというと そういうわけではないようで、首脳陣はしきりに 警戒感を強調しているのが伺えます。 【参考】中国は引き続き過剰投資を抑制する=温家宝首相(朝日) http://www.asahi.com/international/reuters/RTR200710240126.html 【参考】「不動産市場を注視」中国当局…低インフレなど成長に不透明要素(フジサンケイビジネスアイ) http://www.business-i.jp/news/china-page/news/200710260005a.nwc さらに、先日行われた党大会では、 成長重視のケ小平路線からの転換が示され話題を呼びました。 【参考】党規約に「科学的発展観」 中国共産党大会(iza) http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/92811/ 中国共産党大会は21日の閉幕式で、党規約改正に関する決議を採択、胡錦濤総書記が持続可能な安定発展を目指して提唱する指導理念「科学的発展観」を党規約に盛り込んだ。政権2期目となる胡総書記の権力基盤強化の土台となる。 つまり、なりふり構わぬ成長路線から 安定成長路線へと、 政策の大転換を図ろうとしているのです。 では、なぜ成長重視路線を転換する必要があるのか。 それは、既にみなさんご存知のように、 今の中国社会は、経済成長重視路線により、 都市と地方の間で重大な格差が生じており、 これが社会の大きな不安定材料となっているからです。 【参考】中国、世帯収入格差55倍に…農村部で社会不安が増殖(フジサンケイビジネスアイ) http://www.business-i.jp/news/china-page/news/200708230010a.nwc 富裕層は所得の公開を避けたがるが、これは脱税や収賄、不透明な土地取引による収益など、表には出せない不法な収入が多く含まれるのが原因だ。同研究所では、こうしたグレーな収入が中国全体で総額4兆8000億元(約76兆8000億円)にも上ると試算している。 この社会不安増幅の危機感から、 中国政府は格差是正のために、 安定成長路線に転換しなければいけない と考えているのです。 しかし、ここで気づくことがあります。 それは、中央政府は経済の過熱感を警戒しているのに、 GDPの数字からわかるように過熱感は抑制されていない。 つまり、政府の思惑通りに事が運んでいない ということが見て取れるわけです。 では、なぜそんな事態になっているのでしょうか。 <地方の暴走を抑えきれない中央政府> 中国という国は、 共産党による一党独裁体制であるため、 極めて中央集権的な体制がまかり通っていると お考えの方が多いかもしれません。 しかし、実はそうではないのです。 【参考】「注意怠れない中国経済〜地方の暴走を止められない中央政府」 http://www.fsun.org/news/nishi.html 中国語に「条」と「塊」という言葉がある。「条」とは中央から地方(省)へと垂直に下りる行政命令系統であり、「塊」とは地方の中に横断的に広がる行政系統のことである。 とにかく誤解があって困るのだが、中国は中央集権的国家であり「条」のきわだって強い社会だというイメージがある。毛沢東時代の残像なのであろうか。事実はまったく逆である。「塊」の力が強く、要するに中央の力が弱い「分散型社会」が伝統中国の特徴なのである。 つまり、この記事にもあるように、 中国という国は、極めて中央の力が弱い「分散型」社会なのです。 ただでさえ、中央と地方の農村との格差は 激しく拡大している。 それは、地方からしてみれば、 中央の都会だけ繁栄して「セコい」ということになる。 そんな状況で経済が過熱しているから発展を抑制しろと 「中央」から言われても、地方からしてみれば 「そんなのおまえらの勝手な都合だろ」ということになる。 しかし、よく考えたら、 仮に地方が中央の言うことを聞かなかったとしても、 また過熱感が出たとしても、地方が発展して 成長の果実を得られるようになれば、 「それでいいんじゃないの」 という意見があるかもしれません。 それは至極もっともな意見だと思うのですが、 しかし、中央はそれを求めてはいない。 ということは、ここからわかることは、 中央政府が懸念していることは、 ● 都市と地方の格差 とともに、 ● 経済全体の過熱感そのもの にも警戒感を持っているということが言えます。 つまり、「成長のし過ぎはよくない」と。 では、なぜ過熱感を警戒する必要があるのでしょうか。 <資本主義経済の持つ内在的不安定性> この点を理解するのは、まず中国という国の体制について 正しく認識しておく必要があります。 過去記事でも何度か言及しておりますように、 中国という国は、「共産党」という党が 支配する国家でありながら、 その中身は「共産主義国家」ではなく、 「厳然たる資本主義国家」であるということです。 【参考】巨大資本家に操られた日・米・中トライアングル(頭の体操) http://keyboo.at.webry.info/200708/article_6.html 【参考】ここがヘンだよ!北京五輪(その3:それでも北京で行われようとしているワケは?) http://keyboo.at.webry.info/200708/article_15.html 共産党は当初祖国を持たず、 「資本主義経済」であるということは、 「計画経済」とは違いますので、 当然景気循環の波に晒されます。 「景気循環の波に晒される」ということは、 「好況」のウラには、 当然「不況」というものを経験するということです。 良い事があれば悪い事が起こり、 悪い事が起これば、そのうちいい事が起こる。 これを「ネガティブ・フィードバック」効果といい、 自然の摂理として、資本主義経済は そういうサイクルを描く事がわかっている。 しかし、次の点が非常に重要なのですが、 一方で、資本主義というのは内在的不安定性を抱えていて、 好況は必要以上に増幅される危険性があり、 熱狂の行き過ぎは、それと同程度かそれ以上の 反動を生むというのが歴史上証明されている。 自然に任せていれば、人間の心理的影響から 「好況」は行き過ぎることもあるし、 「不況」もまた行き過ぎることがある。 (楽観は楽観を増幅させ、悲観は悲観を増幅させる) この不安定性を「ポジティブ・フィードバック効果」といい、 これも資本主義経済が内在的にもっている本質なのである。 【参考】フィードバック・システム http://homepage3.nifty.com/ladybird/hp2/3rd/11.html 化学反応で生じた物質(生成物)が基の反応を抑制するのがネガティブフィードバックであり、促進するのがポジティブフィードバックです。ネガティブ・フィードバックの場合は化学反応を一定の範囲に納める効果があります。ポジティブ・フィードバックは一気に反応を進め、そこにある化学反応の出発物質(基質)を消費しつくして終了します。 (注) ネガティブフィードバックは「平均回帰」 ポジティブフィードバックは「発散」と捉えれば 理解しやすいかと思います。 つまり、資本主義経済というものは、 放ったらかしにしていれば、 良いほうにも悪いほうにも行き過ぎてしまうのです。 <中央政府が過熱感を抑制したいワケ> だから、行き過ぎを抑えて安定的な経済運営を 行うために、中央政府は財政政策なり金融政策を用いて、 そのポジティブ・フィードバック効果を抑制しようとする わけなのです。 従って、熱狂の行き過ぎという「バブル」を経験すれば、 いつかそれは弾け、ポジティブフィードバック効果 (悲観が悲観を呼ぶ)として、「崩壊」という事態を 生じさせることになる。 【参考】バブル(はてなダイアリー) http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%D6%A5%EB これは、「経済成長」という果実によって 一党支配体制を維持している中国共産党にとっては 「バブル崩壊」というのは致命的な打撃となる。 格差拡大だけでもこれだけ社会不安が増幅していると いうのに、これで経済成長が止まったりしたら、 それこそ社会不安どころではなくなる。 今の中国がバブルであるかどうかという点については、 また後の方で詳しく考察いたしますが、 行き過ぎの反動に伴う「ポジティブ・フィードバック効果」を 中央政府は恐れているわけなのです。 その抑制を抑えるために中央政府は 再三の利上げを行っているが一向に効果が上がっていない。 【参考】中国、金融引き締め政策を維持する方針=人民銀行副総裁(朝日) http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200710290022.html しかし、過度の抑制政策は 格差に不満を持っている地方との軋轢を増すことになる。 このジレンマに中央政府は悩んでいると思われ、 非常に難しい経済運営を迫られていることがわかります。 この「地方と都市(中央)の経済格差」。 これが中国社会に内在する大きな対立構造と なっているのです。 では、中国社会が抱える問題はこれだけなのでしょうか。 地方と都市の格差が是正されれば 万事うまくいくのでしょうか。 残念ながらそうではなく、実はその奥深くには もっと複雑な対立の構図が潜んでいるのです。 (次回に続く) http://keyboo.at.webry.info/200710/article_20.html 最後までお読み頂きありがとうございました。 当ブログは下記ランキングサイトに参加しています。 この記事があなたのお役に立てましたら、 是非清き一票をよろしくお願いします!! 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トレバー・ボークの世相を斬る 2008/03/18 15:40 |
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四乃四四 2007/11/27 01:21 |
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