途転の力学

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help リーダーに追加 RSS 「拉致問題進展なくして支援なし」に潜むカラクリの可能性(仮説:後編)

<<   作成日時 : 2007/09/07 09:09   >>

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米国にはしごを外された日本は六カ国協議で負けた。


イランに注力するために、北朝鮮をしばらくおとなしく
させておく程度の「手打ち」をしておく必要が米国にはあった。



もう核を持ってしまっているのだから今更攻撃できないし、
するメリットもない。


拉致問題も米国に余裕があればもう少し取り合ってもらえたのでしょうが、
そんな余裕は今の米国にはありません。
ズルズル引き伸ばすよりは、もうこの辺で「手打ち」しておく必要があった。


一応日朝会議の場を用意するなど、配慮する姿勢を見せてはいるものの、
これは単なるポーズでしかない。

【参考】日朝作業部会始まる 美根担当大使、拉致解決を最優先
http://www.sankei.co.jp/kokusai/korea/070905/kra070905000.htm


しかもこれは最も日本にとっては分が悪い、
「あとは二人だけでやってくれ」パターン。
ドラえもんのいないのび太の言うことを
スネ夫が聞くはずがありません。



そういう状況で日本が拉致問題を解決しようとするには
どうすればいいのか。
(ややお題から議論がそれちゃってますが、
勢いでこうなっちゃいました。すみません。。)




<正攻法を捨ててバーター戦法を取るしかない>


多数ご批判承知の上で書きます。


拉致問題を解決するには、「美しく」はありませんが、
正攻法を捨ててバーター戦法に出るしかありません。



米国を盲目的に信じて、
「拉致問題進展なくして支援なし」というスローガンを叫ぶだけ叫んで
単独制裁を続けること、つまり正攻法ですね、
これはもう通用しないことがわかった。


日本も「拉致問題進展」という見返りがなければ支援しないように、
北朝鮮も何がしかの見返りがなければ交渉には応じません。


悔しいですが、これが国際社会の現実なのです。


北朝鮮が一方的に悪いからと言って、是々非々を訴えても
日本が北朝鮮より圧倒的に強ければ話は別ですが、
今はそういう状況にありませんので、全く通用しないのです。
なんてったって、相手は「核」持ってますから。


もし拉致問題を解決する気が無くて、内政の不満を北朝鮮に向ける
ということが目的であるというポピュリズム的発想であるなら、
その目的は達成されますが。


ここで私たちが忘れてはいけないのは、
拉致問題の第一義的目的は、

「拉致被害者が帰ってくること。
そして、これ以上被害者を増やさないこと」
です。

北朝鮮への経済制裁はあくまで手段に過ぎませんね。


でも、それが通用しないことがわかった。
日本が制裁しても他の国がせっせと援助してるんですから。
経済制裁はみんなでやらないと意味がないのです。


だったら、やり方を変えるしかない。
悔しいけど、バーターするしかないんじゃないの?
というわけなんですね。





<ロシアを仲介役にするという選択肢>


誤解のないように言っておきますが、
私は、野中さんのような北への無条件支援賛成論者ではありません。
「人道的」という名のもとに見返りなしに支援するのは大反対です。


従って、今回の水害被害に無条件で支援することには反対です。

【参考】北朝鮮水害支援、検討を示唆 与謝野官房長官
http://www.asahi.com/politics/update/0904/TKY200709040103.html
【参考】北朝鮮への人道支援を検討 町村外相、豪雨被害で
http://www.sankei.co.jp/seiji/seisaku/070829/ssk070829000.htm


国民の税金を使うわけですから、
国益にかなう見返りを求めていくのは当然である。
この辺の発想はODAと同じです。

(この場合の「国益」とは「国民の生命と財産を守る」という意味です)


今の北と日本の関係では、日本が単独で彼らと対峙するのは無理です。
制裁も効かないし、仮に支援してもおいしいとこを
持ってかれるだけなのは目に見えています。


そこで、誰かに間に入ってもらう必要があると考えるわけですが、
今や日本からはしごを外してきている米国だけでは心許ないので、
できれば他の国にも入ってもらいたい。


そこで、北への影響力と日本のその他の地政学的要因を考えると、
非現実的かもしれませんが、
ロシアをうまいこと使うのを選択肢として考えるのも一考かと。


詳しい分析はしていませんので、やや無責任な発想ですが、
今世紀のキーパーソンとしてロシアの存在を無視できなく
なっている現状においては、今こそ冷え切っているロシアとの関係改善を
果たすべきではないかと。


画像


【参考】多極化時代のパワーバランスを読む
http://keyboo.at.webry.info/200708/article_17.html
http://keyboo.at.webry.info/200708/article_18.html
http://keyboo.at.webry.info/200708/article_19.html


また予断ですが、今後の日本が米国との関係を考える上においては、
「対民主党」モードに早く切り替える必要があると思います。

【参考】米国は中国を本当に仮想敵国とみなしているのか
http://keyboo.at.webry.info/200707/article_7.html
【参考】台湾有事もう一つのシナリオ(米国の二枚舌外交の可能性)
http://keyboo.at.webry.info/200708/article_4.html


もう米国ははっきりと日本に対する態度を転換してきています。
空気の読めなさ一級品の安倍さんがそれに気づいていればいいのですが。
(さすがにもう気づいてるか(笑))


小泉さんのときとは状況が違います。
あのときの「やさしい共和党」はもういません。
二期目のブッシュは死に体です。
議会を牛耳っているのは民主党なのです。



このまま米国追従を続けると必ず痛い目に遭います。
クリントン時代を思い出してください。
中国重視のジャパン・パッシング、スーパー301条、
宮沢・クリントン会談での「年次改革要望書」による内政干渉。。。

【参考】巨大資本家に操られた日・米・中トライアングル(頭の体操)
http://keyboo.at.webry.info/200708/article_6.html


この度の「従軍慰安婦決議」を見ていてもまさにそうですね。
これは明確な方針転換の「ジャブ」と受け止めたほうがよいと思われる。
(法案を提出したホンダ議員は日系の「民主党議員」)

【参考】従軍慰安婦問題はどう考えるべきか
http://keyboo.at.webry.info/200707/article_24.html


そのためにも、ポイントは中国よりも
ロシアとの関係改善だと思われます。


画像




今後アジアへの米国の関与の度合いは低くなると思われる。
六カ国協議の茶番ぶりからもその一端が伺えよう。


従って、多極化にあわせて生き残っていくための視点を
日本も考えなければいけないのではないかということです。


いわゆる「アジア外交」という「話せばわかる的丸腰し外交」ではなく、
もっとリアリストの視点に立った戦略が必要なのではないでしょうか。


(ありきたりな結論ですみません。。。)


<追記>

以上の話はこの問題で想定される1シナリオに過ぎません。
以前、他のシナリオについても考えたことがありますので、
ご興味ある方はご参照下さい。

【参考】北朝鮮問題もう一つのシナリオ
http://keyboo.at.webry.info/200707/article_13.html
http://keyboo.at.webry.info/200707/article_14.html



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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
北朝鮮問題は二つの面から見る必要があると思います。一つは北朝鮮の動向、いま一つは日本の立場、即ち6ヶ国の中で占めている位置です。
キム・ジョンイル氏については色々謂われていますが、父親とは異なり、強い思想性はないと見ています。彼はむしろ自由主義を評価している、その一方でそうなった場合の自分の立場も理解している、その自己撞着が現在の北朝鮮情勢に現れているのではないでしょうか。
援助という形で多額の金を出しそうなのは、日本しかありません。拉致に日本が固執すればするほど日本外しが起こるとマスメディアも一部の有識者と呼ばれる方々も述べていますが、外されたら如何なの、という議論がありません。拉致問題は北朝鮮にとって切り札とはなりません。日本は北の崩壊を待てばよいだけだからです(韓国の物資援助は量と期間が増えるほど、逆浸透膜のように作用し、北からの人の流入を促進すると思います)。資金援助というキャスティング・ボートは日本が握っています。しかも、今急いで、北朝鮮との国交を回復するメリットもありません。この事実を外交を行う人が忘れない限り、孤立を恐れることは何もないとおもいます。
chengguang
2007/09/07 15:08
chengguangさん>
コメントありがとうございます。おっしゃられているシナリオも可能性は十分にあると思います。私は今回こういうシナリオを書きましたが、難しくて読めない部分が多いのが正直なところです。ただ、「拉致問題を解決する」という観点に立てば、以下の視点が重要かなと思うんですね。つまり、日本はたしかに援助の切り札となるかもしれないが、仮に日本が援助しなくても、豊かにはならないかもしれないが、北朝鮮はそれ以外の国の援助で細々と生き残る可能性が高い。従って、崩壊に至るには予想以上に時間がかかる可能性が高いのではということです(2,3年程度では崩壊しない)。
新快速 播州赤穂行き
2007/09/07 15:50
(続き)
拉致被害者の家族の方々は、一刻も早い解決を望んでおられるはずであり、そのためには北にムチ(制裁)を加えるのが最も効果的だと考えたからこそ、これまでそういう方策が取られてきたわけですが、そのムチが効果がないことが米国のはしご外しで明らかになってしまった。だったら感情的には納得がいかない部分は多々ありますが、アメも用意しないことには拉致問題は先に進まないのではないかという問題認識に至ったわけです。それは「拉致問題は北朝鮮にとって切り札とはならない」ことからも言えるのではないかと思うんですね。
新快速 播州赤穂行き
2007/09/07 15:51
今晩は管理人さん。
う〜、ロシアか---、
言われることは(地政学的に見ても)最もですね。

上杉謙信が言った言葉ですが「武田信玄という、戦争好きが隣にいなかったら・・・」

日本も隣国に良い相手がいませんな、ロシアのDNAと漢民族(朝鮮全体)はたまた東北中国のDNA更に移民集団アメリカのDNA、
地政学的にはロシアかもしれませんが、
後にとんでもなくひどいことが待っているような気がします。

政治的にウンヌンではなく、経済(私は素人)
的には、アメちゃんには今までどうりの顔をして、中国にウインク!ロシアには胸の谷間から
お金を見せ、ギリギリまでひぱって、全員に何も上げないくらいの、えげつなさを日本に求めます。

しかし一旦「解決なくして・・進展なし」と言っているので、難しい展開になってきましたね。
さくら
2007/09/07 18:40
さくらさん>
コメントありがとうございます。おっしゃるように日本の隣国によい相手がいないのは確かですね。逆に言うと、東アジアを結束させないウラの力が働いている可能性も考えられますけど。東アジアが結束して一番都合が悪い人が実はいたりするわけで(もしご興味あればhttp://keyboo.at.webry.info/200708/article_6.html)。やや話がそれましたが、日本の外交を考えるにあたって念頭においておかなければいけないのは、日本は軍事的にも食料的にもエネルギー的にも「持たざる国」である、すなわち日本は貿易立国であるという事実だと思うんですね。なので「持てる国」と違って原則論をいつまでも押し通すことはできないわけで、どこかで折り合いをつけてやっていかなくてはいけない。
新快速 播州赤穂行き
2007/09/08 11:44
(続き)
でもこれまでは極端な話なんでも相手の言うことを聞いてあげてきた面があったのかもしれませんが、これからは投資効率を考える観点と同じで、国益にかなうという視点からシビアに考えていく必要がある。だからといって強硬路線一辺倒ではまずいんじゃないのっていう考えなんですね。日本は得てして極に触れやすい傾向がありますので。
新快速 播州赤穂行き
2007/09/08 11:45
3回シリーズを一気に読ませて頂きました。この分かり易さがこのブログの売りですねw

先日新快速 播州赤穂行き さんが指摘されてた、日本の合戦は「我こそは」と名乗りをあげてからと、そういう「正攻法」とか「正々堂々」とか「形式」とか、要するに先日の話ですが「クリーンさ」「筋を通す」と言う国内の常識をそのまま外交に用いようとしているから、だから戦前も失敗した訳だし、今も外交下手で、経済大国で金を出せるから何とか国際社会で認知されてるに近い状況ですね日本は。

私の両親は戦前世代ですが、たまに遊びに来ると全て日本の常識でアメリカ人相手に礼を尽くそうとするので(母は英語が話せるので)、疲れるんですよ。全然通じてない事に一生懸命こだわってますから。
文太
2007/09/08 17:11
拉致問題に拘ると日本は置いてきぼりになると言うのは、先日朝日新聞がそういう論調の記事を書いてたと思います。勿論政府が拉致問題を軽視出来ないのは国内対策としては不可避ですが、第三国にとっては数十人単位の拉致など余り重要とは思われないでしょうね。

アメリカの週刊誌系などしょっちゅう金正日が表紙になったりしてますが、アメリカの一般の関心は「共産主義」と「独裁体制」なので、ここで兵糧攻めにして暴走させるよりは、中国と同様に徐々に自由化と解放を行なって軟着陸させるのが現実的だと思われているような印象です。

ロシアの場合は結局北方領土が引っかかっていて日本としては動きにくい状態ですが、アメリカが日本を軽く見ないようにするためには「完全な信頼関係」はむしろ問題なのかもしれません。
文太
2007/09/08 17:12
文太さん>
コメントありがとうございます。お褒めの言葉頂戴し恐縮でございます。結局日本という国はしたたかにみんなと仲良くやっていかざるを得ない宿命にあるような気がするんですね。上のさくらさんへのコメントでも書かせて頂きましたように、日本は生活必需品の大半を輸入に頼っている貿易立国で、なおかつ軍事的にも「持たざる国」なわけですから。本来であれば、だからこそ外交力が他の国よりも長けていなければいけないはずなのですが、それが以前文太さんがご指摘されていた、「島国という天然の要塞で守られていたが故」なんだと思います。北朝鮮もご指摘のように「自由化と解放」による軟着陸が現実的なのでしょうね。暴発して崩壊するのは精神的にスカッとする方もいるかもしれませんが、それがもたらすであろう被害は決して小さくありませんので(難民等)。
新快速 播州赤穂行き
2007/09/08 21:42
(続き)
あと、ロシアとは北方領土の問題も含めて歴史上長きに渡って敵対関係にありますから、極めて組しにくい国であるとは思うのですが、外交上のリスクヘッジといいますか、まさにおっしゃられるような「米国から軽く見られないようにするため」の方策として一考の余地があると思うんですね。ロシアとの平和条約締結(国交はあるけど、第二次大戦の平和条約は締結していないはず)も同国との関係改善、引いては北方領土問題解決のための必要条件となるかもしれません。
新快速 播州赤穂行き
2007/09/08 21:43

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