途転の力学

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help リーダーに追加 RSS 「拉致問題進展なくして支援なし」に潜むカラクリの可能性(仮説:前編)

<<   作成日時 : 2007/09/05 12:10   >>

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またちょっと慌しくなってきたので、北朝鮮問題です。


北朝鮮問題については、これまで当ブログでも
何度か取り上げてまいりましたが、
初めてご覧頂く方のためには、
まずは、そもそも「北朝鮮問題」とは何なのか
というところから始めましょう。


ズバリ、「北朝鮮問題」とは「核問題」「拉致問題」です。


「そんなことわかってるよ」と言われるかもしれませんが、
大事なのはここから先。


何が大事なのかと言うと、

● 「核問題」は世界的関心事である「多国間問題」

であるのに対し、

● 「拉致問題」は日朝の「二国間問題」

であるということです。


ということは、

「核問題」は「六カ国協議の『枠内』」の問題であるのに対し、
「拉致問題」は「六カ国協議の『枠外』」の問題である


という風に、世界では認識されている。


つまり、

北朝鮮問題に関する日本での認識のされ方は
「核問題」と同じくらいの比重で「拉致問題」が考えられているが、
実はそう捉えているのは日本だけであって、
日本以外の諸外国にとって、
「拉致問題」はあくまで日朝間の二国間問題である、


という事実認識から始めなくてはいけない。


これが、「北朝鮮問題」を考えるに当たって認識しておくべき
決定的に大事なことなのです。


(注1)
こう書くと、私がいかにも「拉致問題」はどうでもいいと考えている
と思われる方がいるかもしれませんが、そうではありません。
本稿はあくまで事実認識の問題を論じているだけなので、
その点誤解なきようお願いいたします。

(注2)
もちろん拉致被害者は日本だけでなく、他にもたくさんの国が
被害にあっておりますが、現在、六カ国協議と絡めて外交問題と
しているのは日本だけだということです。




以上の前提を踏まえて、
ヒルの電撃訪問以来急展開した北朝鮮問題について、
最近起こっている出来事を見てみたいと思います。

【参考】ヒル次官補が帰路へ 北外相らと会談「良い議論」
http://www.sankei.co.jp/kokusai/korea/070622/kra070622000.htm
【参考】核問題:訪朝したヒル次官補 「失われた時間埋めよう」
http://www.chosunonline.com/article/20070622000010


実は、ちょっとした「カラクリ」が潜んでいる可能性があるのです。
予め断っておきますが、これはあくまで仮説です。




<日本以外の国にとっての北朝鮮問題は解決した>


ヒルの電撃平壌訪問によって、北朝鮮の凍結資金問題が解決し、
北朝鮮側も、核施設の停止に応じました。

【参考】ヒル次官補、送金完了との見解、北朝鮮に核施設封印を迫る
http://www.afpbb.com/article/politics/2242159/1707400
【参考】北朝鮮、「核停止」に着手へ IAEA、週内にも訪朝
http://www.asahi.com/special/nuclear/TKY200706160269.html


これは、「北朝鮮問題」が解決に進みだしたことを意味します。
そして、それは同時に「六カ国協議」の役割が終わったことも意味します。
なぜなら、しつこいようですが、世界にとっての「北朝鮮問題」とは
「核問題」だからです。


ということは、「核問題」にケリがつけば、
六カ国協議の役目も終わり、
日本以外の国にとっては北朝鮮問題はめでたく解決となり、
「悪の枢軸国家」認定からもはずれることになり、
諸外国と北朝鮮との関係は、次のフェーズに向かう
ということです。

【参考】北朝鮮のテロ支援国家指定解除、日本は米に詳細確認へ
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070904ia01.htm
【参考】北朝鮮「テロ支援国家、米が解除へ」 米側否定の報道も
http://www.asahi.com/international/update/0903/TKY200709030366.html


米国は一応否定してはいますが、あくまでお茶の間対策であって
何らかの「握り」があったと考えるほうが自然でしょう。


では、次のフェーズとは何か。


それは、北朝鮮を「普通の国」として扱うということです。
「普通の国」への対峙の仕方は
「国交正常化」であり「市場開放」です。

【参考】米朝「実質的理解」に 正常化へ突っ込んだ協議
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/asia/20070902DXKA000902.html
【参考】米朝関係正常化の部会開始、テロ支援国家指定など議論
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200709010019.html
【参考】EUの代表団、北朝鮮を訪問
http://jpn.cec.eu.int/home/news_jp_newsobj2117.php
【参考】訪朝のEU代表団、北朝鮮の核施設閉鎖を楽観視
http://www.afpbb.com/article/politics/2245318/1725482
【参考】資源ウオーズ(1)対北投資ファンド暗躍
http://www.sankei.co.jp/kokusai/korea/070818/kra070818000.htm
【参考】北朝鮮、経済交流に拍車
http://nna.asia.ne.jp/free/mujin/focus/focus49.html
【参考】中国が北朝鮮に重油提供へ、核無能力化の見返り
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070805-00000016-yonh-kr


実は、北朝鮮はタングステンなどのレアメタルが比較的豊富
であるという、知る人ぞ知る事情もある。
資本家殺到の図が垣間見える。
(「人道的見地」はあくまで大義名分)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%9C%9D%E9%AE%AE


当然、これが朝鮮半島統一へ向けた動きなのか、
韓国も北朝鮮への支援を活発化させています。

【参考】韓国、北支援の重油輸送開始…「初期措置」見返りの初回分
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe7000/news/20070712i204.htm
【参考】南北軽工業支援、韓国が北朝鮮の工場で技術支援
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070806-00000041-yonh-kr
【参考】北朝鮮に10億ドル支援検討か 経済共同体提案と韓国紙
http://www.sankei.co.jp/kokusai/korea/070810/kra070810002.htm
【参考】北朝鮮支援団体の訪朝ラッシュ、関係改善に期待
http://www.wowkorea.jp/news/Korea/2007/0629/10028400.html


北朝鮮に向けた世界の見方が変わり、
世界が関係正常化に向けて急速に動き始めた。


そんな中、「拉致問題」に固執する日本だけが
取り残される状況になったわけです。





<北朝鮮問題が進まないのが日本のせいにされる>


しかし、完全な非核化に向けて、
北朝鮮はさらなる「見返り」を要求しています。
「重油だけでは全然足りねえ。まだまだカネよこせ」というわけ。

【参考】北代表が“見返り”公言「核施設解体なら軽水炉を」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/korea/69786/
【参考】北朝鮮、「投資型」支援も要求 6者協議作業部会
http://www.asahi.com/international/update/0807/TKY200708070400.html?ref=rss


「カネ」となれば、当然日本の「カネ」欲しいですよねえ。
でも日本は「拉致問題」をタテにカネを出さない。

【参考】拉致進展なければ新支援なし、自民が北朝鮮人権法の改正案
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe4200/news/20070607ia23.htm


そしたら、核問題も進まない。
資本家にとってみたら、北朝鮮でカネ儲けもできない。
世界から見てみたら、
「北朝鮮問題が進まないのは日本のせいだ」ってことになる。

【参考】日朝の遅れ、米中韓懸念 6者協議作業部会
http://www.asahi.com/politics/update/0905/TKY200709040434.html
【参考】6者協議進めば「拉致問題解決」 唐国務委員、二階氏に
http://www.asahi.com/politics/update/0903/TKY200709030002.html


日本政府も困っちまったわけですね。


ここで外交的孤立化は避けなければならない。
でも、「拉致問題進展なくして支援なし」と言ってしまった手前
ここで無防備に支援するわけにはいかない。
そんなことしたら、安倍政権崩壊ですからね。


でも、ちょっと待てよ。
支援の条件は拉致問題の「解決」ではなく、「進展」である。
「解決」ではなく「進展」??


ここに「カラクリ」が潜んでいるというわけなのです。
それは一体どういうことなのか。


(次回に続く)
http://keyboo.at.webry.info/200709/article_5.html

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは、管理人さん。
昨日も1億円、貰った、天から降ってきたで、解りやすく拝読いたしました。

さて「「解決」ではなく「進展」」
勝手な投稿をさせていただきます、日本の立場として拉致、核の2原則を守りながら6カ国協議を継続させる為には、かたくなに、日本の主張を言い続ける。

なぜならば、日本のお金を他の国はアテにしている、日本は他国が支援してもシカトとしていればいいのでは。

元々中国はこの6カ国協議でイニシアチブを取るつもりが、アメリカに取られ面白くない、
ロシア、最初から興味が無い(直接的に被害が無ければ)、韓国、上手くいけば将来併合して核保有国に慣れるかも、と言う淡い期待を持っていた。
アメリカ、中東に核が分散されなければどっちでも良い。

と言う自分の国の利益を優先させるだけのこと、
日本、まじめに6カ国の立場を尊重する(伝統的に生真面目な日本)

推理小説のようで、勝手に想像しました、明日のブログを楽しみに致します。

さくら
2007/09/05 19:13
やっぱり日本の出方は米国に譲歩しているのでは。拉致問題解決なくして→進展なくして、
過去の清算より拉致問題解決が先だ→先に過去の清算を話しても良い(美根大使)、
「米朝関係が改善しているのに、日本がついて来ないと思うか」と北朝鮮高官。
阿倍首相にして譲歩せざるを得なくされてしまった。今後は調査する空約束だけで、お金の催促だけされる、という情け無い羽目になるか。
やっぱり米国下院の可決騒ぎは、拉致問題へのトーンダウンを計ったという推測は当たっていたのではないでしょうか。最初から最後まで振り回されっぱなしの日本外交。
suzuran
2007/09/05 23:57
さくらさん>
コメントありがとうございました。北朝鮮問題は外交の巧者がそろって参戦しているので、私のような素人には非常に先を読むのが難しいです。私の仮説はあくまで一例ですので、おっしゃるように日本は自分の主張をし続けてシカトしていればいいという選択肢も考えられると思います。日本のカネが当てにされているという要素もあると思いますので。ただ、日本のカネはないと物事が先に進まないのか、それともなくても進むけどあった方がいいのかというのでは、後者の可能性も否定できないのではないかと思っています。なぜなら北朝鮮にはビジネスチャンスがあるからです。次に中国はどっちかわかんないんですよね、米国が勇み足したのをどう考えているのか。隣国である彼らにとって一番困るのは北朝鮮の暴発ですから、それがないんだったら何でもいいやと思っているのかもしれません。それはロシアにも言えることだと思います。
新快速 播州赤穂行き
2007/09/06 10:14
(続き)
あと、韓国に関しては私はこれまで朝鮮半島統一シナリオを想定していたのですが、最近はそうではないのではないかと思うようになりました。北への積極的な援助は金正日体制を延命させて、統一を回避したいと考えている節がゼロではないのではないかと。つまり、統一の伴う莫大なコストと援助のコストとを天秤にかけて後者を選択している可能性があるのではないかと勘ぐるようになりました。想像ですけど。。。
新快速 播州赤穂行き
2007/09/06 10:15
suzuranさん>
コメントありがとうございます。日本の外交が振り回されっぱなしというのはまさにおっしゃる通りなのですが、この問題に関して、私は日本が米国に譲歩しているというよりも、米国にはしごを外されてしまったわけですから、その米国の虎の威を借りて原則論を振りかざすことができなくなったので方針転換せざるを得なかったと見ています。そのあたりのことを次回以降書かせていただく予定です。
新快速 播州赤穂行き
2007/09/06 10:15

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