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前回は、福田さんを支持する人は彼の何を支持し、 逆に支持しない人は、彼の何を支持しないのかを探りました。 その結果わかったことは、福田さんを支持する人は、 @ 「協調性」・「指導力」・「国民への説明能力」があり、 A 「格差問題」により取り組んでくれ、 B 「小泉・安倍路線」をより転換してくれる という点で彼を評価しているのに対し、 逆に福田さんを支持しない人は、 @ 「福田氏の外交スタンス」 A 「福田氏の人間性」 B 「自民党の意思決定システム」 を評価していないということです。 では、これらの評価は本当に的を得ているのでしょうか。 <リーダーの資質として「協調性」はそんなに重要なのか> たしかに福田さんは「協調性」は麻生さんよりもお持ちでしょう。 それは自他共に認めているところです。 「話し合い解散」を示唆するところなどは、 まさにその典型ですね。日系企業の「サラリーマン」出身である ところから来ている性質なのかもしれません。 【参考】自民総裁戦で福田氏「話し合って解散」言及 http://www.sankei.co.jp/seiji/shusho/070916/shs070916006.htm 【参考】福田康夫全人像 渡部亮次郎 http://blog.kajika.net/?eid=308362 かたや、麻生さんはどうか。 彼は明確に「強いリーダーが必要」としています。 これは福田さんと対照的。この気質は、ご自身に 「社長」経験があるところから来ているのかもしれません。 【参考】麻生氏「自分にリーダーの要素」 気迫と気力求められる http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/84717 「決断型」の強いリーダーの特徴は何か。 それは、「意思決定が早い」という利点がある代わりに、 「独善に陥りやすい」という欠点を併せ持つ。 この「独善に陥りやすい」という欠点を小泉・安倍に感じた国民が 「協調性のあるリーダー」を求めているともいえる。 一方「協調型」のリーダーの特徴は何か。 それは、「皆の意見を聞くために不協和が生じにくい」代わりに 「自分で決断できないために意思決定が遅くなる」という欠点を持つ。 では、今の時代、というよりも、 そもそも「リーダー」に求められる資質はどちらなのでしょうか。 もちろん周りの意見を聞くことは大事なのでしょうが、 「協調性」が「リーダーの資質」として最も重要なものなのでしょうか。 皆の意見を聞くのはいいが、決断力がないために 結局何も決められなくて、やがて衰退していくことにはならないか。 官僚的で争いを好まないといわれる福田さん。 これまで磐石の地盤で選挙でもまともに戦ったことがなく、 孤高の存在として、権力闘争からも距離を置いてきた福田さん。 【参考】福田新総裁へ8派閥支持 http://www.nikkansports.com/general/p-gn-tp0-20070915-256227.html こんなことになるとは夢にも思わなかった。平時なら出ないが、 今は緊急時。やらないといけないとの思いを強くした 「ケンカ」の仕方を恐らく知らない彼が、 組織のトップに立って、はじめて「ケンカ」をしなくてはならなくなる。 そのとき、「ケンカ」巧者の小沢さんと渡り歩くことができるのか。 そして、「平時でない」今の状況に本当に対処することができるのか。 「ここぞ」というときの「決断」が彼に出来るのだろうか。 ここは福田さんの能力の未知数な部分として、 懸念材料になるのではないかと思われます。 彼はもしかしたら、 「平時にこそふさわしい」宰相なのかもしれません。 <福田さんは小泉構造改革の継承者である> 次に、国民が恐らく誤解しているであろうことはこれ。 福田さんが麻生さんに比べて、 A 「格差問題」により取り組んでくれ、 B 「小泉・安倍路線」をより転換してくれる と考えていることです。 3回目の記事で、麻生さんと福田さんに違いについて考えましたが、 あのときの私の推論が当たっているとすると、 事実は全く逆ですね。 【参考】ポスト安倍と政界再編の可能性を探る(その2:福田と麻生の違いは何か@) http://keyboo.at.webry.info/200709/article_16.html これは以下の発言を見ても解る。 平成21年度までに基礎年金の国庫負担割合を3分の1から2分の1に 引き上げることになるが、今の財政状況でカネをひねり出すのは難しい。 行政経費を節減する工夫をしなければならない。 消費税も含めて手段を考えていくのは当然必要になってくる。 公共事業の3%減と地方経済の問題は、悩ましい問題だが、 地方にもがんばってもらい、その程度の協力はお願いしていく。 彼の真意はまさにここに表れている。 「カネ出さないよ」。 そして、その「ホンネ」は彼の公約にも見て取れる。 【参考】「自立と共生への改革を」 福田氏立会演説会の要旨 http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/84870/ 「カネは出さんが自立せえよ」と。 つまり、福田さんは 「経済政策を修正する必要があるとは考えていない」 ということがわかります。 【参考】「新福田ドクトリン」策定を http://naigai.cside6.com/kiji/tokyokouen/fukuda.htm 格差があると言えばある、ないと言えばないということではないか。あえて問題にするとしたら、東京と地方のギャップはものすごい。都市対地方というのは日本の政策としてこれからの大きな課題だ。 また正規雇用者と非正規雇用者の(賃金の)ギャップが固定化しては大変だ、と言われている。だが人口は減る、労働生産力も減る、団塊の世代が一斉に退職する。そういう時代になった時、日本の企業は人を確保しなければいけないというマインドになるのではないか。 これは一体何を意味するのか。 それは、 「福田さんこそが小泉改革の継承者である」 ことを意味することに他なりません。 だからこそ、小泉さんは福田さん支持を早々と表明したのでしょう。 もともと派閥が同じだったからという理由だけではないと思います。 【参考】小泉前首相も福田氏支持、応援「先頭に立つ」 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070914it02.htm もし、小泉構造改革路線を否定する人物として 福田さんを望んでいるというのであれば、 国民は大いなる誤解をしていると思われます。 では、次に「評価されていない点」について見てみましょう。 <福田さんは本当に「親中ハト派」なのか> 福田氏はその外交スタンスが「親中派(媚中派)」であるとして、 保守系の方々から批判を受けているのは 前回ご紹介したとおりです。 【参考】ポスト安倍と政界再編の可能性を探る(その4:福田政権誕生は本当に悪夢なのか@) http://keyboo.at.webry.info/200709/article_18.html そして、今回の「福田 vs 麻生」の戦いは、 外交スタンスの違いによる「ハト派 vs タカ派」のように見られています。 【参考】米国も注目の総裁選、保守主流対親中ハト派の対決 http://beiryu2.exblog.jp/6156943/ 【参考】中国各紙「穏健派」福田氏を好意的に紹介 http://www.sankei.co.jp/seiji/shusho/070916/shs070916009.htm 年報は国際面トップで「ハト(福田氏)がタカ(麻生氏)を相手に優勢」と報道。 北京晩報も「日本の新首相はタカ・ハト対決の中から生まれる」と題した記事で 「福田氏の優勢は明らかだ」と伝えた。 では、その見方は本当に正しいのでしょうか。 まず、ここで注目しておきたいのは、 福田さんは中国だけでなく、米国にもしっかりパイプを持っている ということです。 1年前に総裁選で候補者として名前があがった際にも 突如ナゾの訪米をして話題になったことは記憶されている方もいるでしょう。 【参考】不戦敗の福田康夫・外務大臣狙いに方向転換(2006年5月) http://officematsunaga.livedoor.biz/archives/50253323.html 今年、5月に福田康夫が訪米しチェイニー副大統領やライス国務長官ら米政府要人と会談を重ねた。 福田事務所ではマスコミの同行に「付いてきたければどうぞ」と素っ気ない態度。 それでもマスコミ各社は「次期総理訪米?」を気にして福田元官房長官訪米に同行した。 ところが、米政府要人と会談した福田元官房長官は「どんな話をされたんですか」という同行記者の問いに「まー、四方山話。四方山話」と素っ気ない。記者懇談会もなし。挙げ句の果て、息子が同行記者を集めて「あんたら失礼だ。チェイニー副大統領の会談の時、テレビカメラが副大統領に当たりそうになったじゃないか。気を付けて貰わなければ困る」などと30分に渡ってマスコミ批判を展開したという。同行記者からは「会談内容を何も話さないなんて何だ。福田さんは一体、アメリカに何をしに行ったんだ」と大ブーイングが起こった。 そして、もう一つが先日ご紹介した福田さんの講演記録。 ここで、福田さんがキッシンジャーとの パイプを持っていることもわかります。 【参考】ポスト安倍と政界再編の可能性を探る(その2:福田と麻生の違いは何か@) http://keyboo.at.webry.info/200709/article_16.html きょう、キッシンジャーさん(元米国務長官)と話をしたが、外国からみていて、日本と中国の関係がおかしくなっているのは、強い印象を持って受け取られている可能性がある。これはゆゆしきことだ。今の状況を早く改善しなければいけない。 (補足)******************************************* 「キッシンジャー」って誰だよ??という方のために。 【参考】ヘンリー・キッシンジャー http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC キッシンジャーとニクソンが推進した外交の特徴はその現実主義にある。国益を外交の中心に据え、世界的なバランスオブパワーに配慮しつつ、アメリカとその同盟国に最大の利益をもたらすことを目的としたものである。 【参考】超現実主義者のキッシンジャー http://blog.kajika.net/?eid=518133 キッシンジャーはバランスオブパワーに立脚した「超現実主義者」といえよう。ニクソン政権誕生後、国家安全保障担当大統領補佐官として政権中枢入りしてからは、20世紀後半のアメリカ外交をリードしてきた。 米ソ冷戦時代に中ソ対立を利用した米中国交樹立などは、キッシンジャーのバランス論から生まれている。日本嫌いは変わらないが、潜在的軍事力からすれば日本は中国を上回ると分析して日本の核武装を予測する。 バランスオブパワーというのはトランプのカード遊びに似たところがある。相手の手持ちカードを読んで、一人を味方につけて、有利なカード捌きをしようとする。アジアの舞台では日中が競い合う構図が望ましい。 【参考】キッシンジャー氏、「中米関係は世界にとって極めて重要」 http://japanese.cri.cn/151/2007/07/03/1@97420.htm 【参考】キッシンジャー氏「日本は核武装する」…74年に発言 公文書で明らか http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/46695/ 【参考】「日本が多数の核製造も」キッシンジャー氏が懸念 フォード政権下で http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/46668/ (補足おわり)************************************** キッシンジャーという人は、とにかく日本の台頭を恐れていて、 将来的に「核武装」するのではないかという予測を立てているくらいだ。 だから、その日本に対抗し、アジアのパワーバランスを保つために 中国の台頭を歓迎する。それは彼が日本を買い被りすぎているだけ なのかもしれないが、少なくともそういう外交スタンスに立っている。 この「バランス・オブ・パワー」の考え方は国際的大資本の 考え方に通じるものがある。国際的大資本の代表はユダヤ資本だが、 事実、キッシンジャーもユダヤ人である。 【参考】巨大資本家に操られた日・米・中トライアングル(頭の体操) http://keyboo.at.webry.info/200708/article_6.html そのキッシンジャーと福田さんがつながっているという事実は 何を意味するのか。 それは、 「福田さんの外交スタンスが巷で言われている『媚中派』 ではなく、実は『超現実主義』なのではないか」 ということなのです。 (次回に続く) http://keyboo.at.webry.info/200709/article_20.html ←あなたのお役に立てたらクリックしてください(ご参考) 「政治」をもっと深く知りたい方におすすめの本
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