|
この筋書きは全く予想しておりませんでした。 9日の「職を賭す」発言から3日後の昨日12日午後、 安倍首相が突如辞任を表明いたしました。 誰もが、「テロ特」と心中するものだとばかり思っていた矢先の 辞任表明に、列島中だた「なぜ」の言葉が走るばかりでした。 記者会見の様子も見ておりましたが、 首相の言葉からは、辞任のはっきりとした理由はわかりませんでした。 なぜ、このタイミングで辞任なのか、 そして、今後の政局及び政策はどうなるのか。 一夜明けて未だに「ナゾ」の多いこの辞任劇ですが、 推論を交えて、その背景と今後の展開について占ってみたいと思います。 <「テロ特」だけに絞られたおかしな辞任理由> 安倍首相は、昨日の記者会見において 辞任を決断した理由として以下の点をあげています。 ● テロ特措法延長を何としても成し遂げなければならない ● しかし、小沢さんに党首会談を断られてしまった ● 民主党は自分が総理である限り、話し合いを持ってくれないと思った ● だから法案を通すために、自分は辞任しなければならないと判断した 【参考】安倍首相辞任:緊急会見で話した内容の全文掲載 http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/kokkai/news/20070912k0000e010086000c.html 本日、総理の職を辞するべきと決意をいたしました。 7月の29日、参議院の選挙が、結果が出たわけですが、大変厳しい結果でございました。しかし厳しい結果を受けて、この改革を止めてはならない、また戦後レジームからの脱却、その方向性を変えてはならないとの決意で続投を決意をしたわけであります。今日まで全力で取り組んできたところであります。 そしてまた先般、シドニーにおきまして、テロとの戦い、国際社会から期待されているこの活動を、そして高い評価をされているこの活動を中断することがあってはならない、なんとしても継続をしていかなければならないと、このように申しあげました。国際社会への貢献、これは私が申し上げている、主張する外交の中核でございます。この政策は何としてもやり遂げていく責任が私にはある、この思いの中で、私は、中断しないために全力を尽くしていく、職を賭していく、というお話をいたしました。そして、私は、職に決してしがみつくものでもない、と申し上げたわけであります。そしてそのためには、あらゆる努力をしなければいけない。環境づくりについても、努力をしなければいけない、一身を投げ打つ覚悟で、全力で努力すべきだと考えてまいりました。 本日、小沢党首に党首会談を申し入れ、私の率直な思いと考えを伝えようと。残念ながら、党首会談については実質的に断られてしまったわけであります。先般、小沢代表は民意を受けていないと、このような批判もしたわけでございますが、大変残念でございました。今後、このテロとの戦いを継続させる上において、私はどうすべきか、むしろこれは局面を転換しなければならない。新たな総理のもとで、テロとの戦いを継続をしていく、それを目指すべきではないだろうか。きたる国連総会にも、新しい総理が行くことが、むしろ局面を変えていくためにはいいのではないか。 また、改革を進めていく、その決意で続投し、そして内閣改造を行ったわけでございますが、今の状況でなかなか、国民の支持、信頼の上において力強く政策を前に進めていくことは困難な状況であると。ここは自らがけじめをつけることによって、局面を打開をしなければいけない。そう判断するに至ったわけでございます。 先ほど、党の五役に対しまして私の考え、決意をお伝えをいたしました。そしてこのうえは、政治の空白を生まないように、なるべく早く次の総裁を決めてもらいたい、本日からその作業に入ってもらいたいと指示をいたしました。私としましても、私自身の決断が先に伸びることによってですね、今国会において、困難が大きくなると。その判断から、決断はなるべく早く行わなければならないと、そう判断したところでございます。 私からは以上であります。 上は会見内容の全文なのですが、 要点だけから言うと、これだけのことしか言っていません。 この内容で注目すべきなのは、 「自分の支持がなくなったから責任を取って辞任する」 と言っているわけではなくて、 「『テロ特』を通すのは自分では無理だから辞任する」 ということしか言っていないという点です。 【参考】テロ対策特別措置法 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%AD%E5%AF%BE%E7%AD%96%E7%89%B9%E5%88%A5%E6%8E%AA%E7%BD%AE%E6%B3%95 このことは、会見内容に国政を混乱させたことに対する 国民への謝罪表明がないことからも見て取れます。 つまり、国政全般に対する責任ではなく、 「テロ特」だけにしか言及されていない。 (正確には「インド洋での海上自衛隊の給油活動」) 【参考】自衛隊インド洋派遣 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E8%A1%9B%E9%9A%8A%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E6%B4%8B%E6%B4%BE%E9%81%A3 これは単なる方便でしかない可能性があるとは言え、 これが辞任の理由の全てというのは、ちょっと「ヘン」だと思いませんか。 たしかに、その後与謝野官房長官が言われていたように、 「健康問題」も大きな理由となったとは思います。 あれだけ叩かれて心労も並大抵ではなかったでしょう。 しかし、本当に「健康問題」が主因であるならば、 もっと早く辞任していたはずですね。 健康に不安があるのは兼ねてから周知のことでありましたが、 容態が悪化したのが先月の下旬からということなので、 それだったら少なくとも所信表明演説より前には決断をしていたはずだ。 【参考】首相退陣の背景に健康問題、両立に深い苦悩も=官房長官 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070912-00000535-reu-bus_all 【参考】安倍首相が慶大病院に入院 機能性胃腸障害が悪化と診断 http://news.goo.ne.jp/article/kyodo/politics/CO2007091301000382.html 従って、「健康問題」は要因の一つではあったかもしれないが、 「主因」というのは、ちょっと違うような気がする。 また、一部報道で、週刊誌が安倍さんの「脱税疑惑」を スッパ抜いたから、これが辞任の理由ではないかと はやし立てる向きもあるみたいですが、 個人的にはこれも「主因」ではないと思います。 【参考】「健康不安」?「スキャンダル」? ひよわな宰相不可思議な辞任 http://www.j-cast.com/2007/09/12011274.html 【参考】「脱税疑惑」で週刊誌が取材 http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200709120361.html そう考えると、今回の辞任劇は、 「彼の意思だけではない、何か違う政治力学が働いた」 という可能性が否定できないような気がするのです。 <あまりに唐突だった「職を賭す」発言> まずは、真相を探るため、 ここ数日の安倍さんの動向を振り返ってみましょう。 8日午前 日米首脳会談 8日夜 中国が安倍首相に年内訪中要請 9日 「職を賭す」発言(最初のサプライズ) 10日午前 所信表明演説 10日午後 麻生幹事長に辞意示唆 10日午後 国連総会欠席の連絡 12日午前 民主小沢代表に党首会談申し入れ(断られる) 12日午後 退陣記者会見 昨日の辞任会見もかなりのサプライズでしたが、 その丁度3日前にも、「えっ??」と思わせる発言がありましたよね。 そう、いわゆる「職を賭す」発言です。 【参考】給油活動継続できねば退陣 首相「職を賭す」と決意強調(9日) http://www.sankei.co.jp/seiji/shusho/070909/shs070909004.htm この「職を賭す」発言とは一体何なのかというと、 APECでの日米豪首脳会談の後に会見した安倍首相が、 「インド洋での給油活動継続ができなければ退陣する」と 突如表明し、周囲をびっくりさせた発言のことです。 「民主党をはじめ野党の理解を得るため、職を賭して取り組んでいく。 職責にしがみつくということはない」 参院選でも自身の進退への言及を避けてきた安倍さんの いきなりの退陣覚悟発言。 惨敗で反省して潔くなったかとも思われましたが、 やっぱりどうも「ヘン」な感じがしたんですね。 というのも、確かに「テロ特措法」が非常に重要なのはわかりますが、 参院選で大敗しても辞任しなかった安倍さんが、 この「テロ特」が「職を賭す」ほどの覚悟を持ってやると 彼自身が「自分の意思で」判断したとはどうしても思えないのです。 そんな疑問を抱きながら、上の日程表を見てみると、 以下の重要な事実に気が付きます。 @ 「職を賭す」発言の前に安倍さんはブッシュとサシで会談していた。 A 会見では小沢さんへの党首会談が拒否されたからと言っているが、 10日午後に国連総会欠席の連絡をしているということは、 既に10日の時点で辞任を決断していた。 この2つの事実が意味するところは何なのか。 (次回に続く) http://keyboo.at.webry.info/200709/article_11.html ←あなたのお役に立てたらクリックしてください(ご参考) 「政治」をもっと深く知りたい方におすすめの本
|
| << 前記事(2007/09/13) | トップへ | 後記事(2007/09/13)>> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|---|
日本にとってテロ戦争とは何か?特措法、日本のとる道
||| 日本が向き合うテロ戦争の明日 ||| 日本の平和とテロ戦争との見えない距離をさぐる特別措置法を考える ...続きを見る |
米流時評 2007/09/13 16:45 |
祝・麻生本格政権樹立!?
あれ、ちょっとタイトル違ったかね?安倍首相、突然の辞意表明(産経新聞/号外) 安倍晋三首相は12日昼、自民党幹部に辞意を表明した。首相は7月の参院選での自民党大敗後も続投を選択したが、閣僚らの不透明な政治資金処理問題などで政権の失速に歯止めがかからなかった.. ...続きを見る |
閣下の憂鬱 2007/09/13 18:59 |
日本メディアが伝えなかったもの―日独首脳会談について
日独両国のメディアとも、今回のメルケル首相訪日を、日独友好の再確認という観点か ...続きを見る |
欧州より 2007/09/14 01:46 |
福田出馬で、麻生包囲網が完成か?・・・森派の逆襲、始まる!+女子バレーアジア女王に
【最近、TBがかなり不調で、お返しが遅れがち&お返しがうまく行かない ところがあるです。再トライしてみますが、ご容赦を。m(__)m】 ...続きを見る |
日本がアブナイ! 2007/09/14 11:22 |
民潭と小沢と韓国と
有権者が知るべき重要事項 「在日のための」政党の存在 <全国地方団長会議>地方参政権11月に全国決起大会 民団中央本部は6日、韓国中央会館(東京都港区南麻布)で2007年度後半期全国地方団長・中央傘下団体長会議を開き、今年度 ...続きを見る |
博士の独り言 2007/09/14 13:11 |
安倍首相の孤独なクーデター…福田政権誕生の悪夢
安倍首相を追い詰めたのは何だったか?クーデター的な色彩が濃い退陣劇。麻生後継に道を開いたが、福田出馬で思惑は外れた。最後の賭けも失敗し、最悪シナリオが浮上する。 ...続きを見る |
東アジア黙示録 2007/09/14 23:13 |
臥薪嘗胆して次の機会を待つしかない
安倍首相が入院した。 あれこれ憶測が飛び交ったが、結局、弱かったということだ。 ...続きを見る |
依存症の独り言 2007/09/15 10:36 |
福田「亡霊の復活」小考
「民主党政権」への橋渡しか 蘇る亡霊「福田康夫」 福田氏優位に、額賀氏は断念=麻生氏は出馬表明−自民総裁選告示 安倍晋三首相の退陣表明に伴う自民党総裁選は14日、告示された。福田康夫元官房長官と麻生太郎幹事長は、それぞれ派閥& ...続きを見る |
博士の独り言 2007/09/15 21:57 |
安倍総理辞任について
恥ずかしながら、このニュースを知ったのは、9/12の深夜で、「コミケと文化について考える」シリーズエントリーの最初の回をアップした直後だったので、辞任についてのエントリーが今日になってしまいました。。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2007/09/16 19:03 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
新快速播州赤穂行きさん、こんばんは。TBありがとうございました。 |
ナルト 2007/09/13 18:33 |
安倍首相の辞任について脱税疑惑が週刊現代に書かれています。ブログ「永田町時評」の「安倍首相辞任の真相は3億円脱税か」(9月16日)をご覧下さい。 |
Dragon 2007/09/16 22:59 |
Dragonさん> |
新快速 播州赤穂行き 2007/09/17 14:31 |
| << 前記事(2007/09/13) | トップへ | 後記事(2007/09/13)>> |