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<信用リスクとは何か> この「震度」と「マグニチュード」を独立に考えるのは 厳密には難しいのですが、 考察を容易にするためにあえて分けて考えることにします。 まず、「証券化」というのを考える前に、 カネの貸し借りが発生した場合の債権債務関係を見てみましょう。 下の絵をご覧下さい。 これは、「銀行X」が「住人A」という人に、 おカネを貸した場合の債権債務関係を表した絵です。 ここで、貸した額を「100」とすると、 貸し手(債権者)は「銀行X」だけになりますから、 「住人A」に対する信用リスクは全て「銀行X」が被ることになる。 一方見方を変えれば、仮に「住人A」が借金を返せなかったとしても、 損害を被るのは「銀行X」だけであるとも言えます。 ということは、仮にデフォルトが発生したとしても、 影響が広範囲に、ましてや世界的に影響が及ぶなんてことには なかったかもしれませんね。 だって、サブプライムローンがデフォルトしたといっても、 米銀全体の住宅ローン残高からしてみたら 延滞債権の比率は2%程度であり、 不良債権問題で大揺れだった日本の当時(10%程度)とは 比べ物にならないからです。 しかし、現実はそうはならなかった。 今般のサブプライムローンの問題は、 広範囲にかつ巨大な影響を及ぼしてしまった。 なぜそんなことになったのか。 そのナゾを解くカギが「証券化」なのです。 <証券化とは何か> では、その「証券化」とは何なのか。 辞書によれば、 「不動産や債権などの資産を有価証券化すること、また有価証券化して 処分することにより対価を得る一連の取引をいう。 資産流動化の一形態であるが、広義には、有価証券を用いない場面を含め、 広くいわゆる流動化一般の場合を指すこともある」 【参考】証券化とは http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%BC%E5%88%B8%E5%8C%96 とのことだが、これだけ見ても何のこっちゃさっぱりだと思います。 で、ご用意させて頂いたのが次の絵。 「証券化」を端的にあらわすとこうなります。 順を追って説明していきます。 @ まず、銀行X〜Zまでの3行がそれぞれ、住人A〜Cに 住宅ローンを「100」ずつ貸したとします。 その場合、銀行X〜Zは各々融資分である「100」の 信用リスクを背負うことになります。 A 次に、銀行X〜Zの抱える信用リスクを1箇所に集めます。 具体的には商品のための「箱」(ペーパーカンパニー)に 各銀行が自分の抱えるローンを時価で売却することで、 銀行は信用リスクを「箱」に移転することができるのです。 (信用リスクの切り離し=「流動化」といいます) B 信用リスクを移転することで、各銀行と住人との間の 債権債務関係は解消され、住人にとっての債権者(=貸し手)は 銀行から信用リスクが移転された「箱」ということになります。 C こうして各銀行の信用リスク(住宅ローン)を資産として保有する ことになった「箱」は、それを裏づけに証券(債券・株券)を発行し、 その証券を投資家に売ります。これを「証券化」と呼ぶのです。 D 「証券化」された「証券」は投資家間で株券のように自由に売買 することが可能となります。これは特定の銀行と特定の住人の 「1対1」であった債権債務関係が細かく細分化されることを意味し、 住宅ローンであるにも関わらず、あたかも株券のような流動性を 持たせることに成功したわけです。 (上の絵では、「1対1」⇒「3対5」に細分化された) E この「証券化」によって、これまで「住宅ローン」という資産に 投資したくても出来なかった投資家でも、これに投資をすることが 出来るようになりました。 このように、「証券化」という金融技術は、 普通は流動性のない資産の流動性を高め、 投資家層の裾野を爆発的に広げることに成功しました。 米国の住宅ローンにアジアの見知らぬ投資家でも 投資できる時代になったのです。 【参考】欧州に波及するサブプライムローン問題 http://markets.nikkei.co.jp/ranking/news/index.cfm?id=i3a8e000_14&date=20070814&genre=i3 【参考】邦銀主要8行・グループ、サブプライム関連損失200億円 http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20070817AT2C1602U16082007.html 【参考】中国銀行:米サブプライム投資、証券投資の3%占める http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0824&f=stockname_0824_030.shtml 逆に言うと、これが今般のサブプライム問題の影響を 世界的に拡大させる要因ともなったわけなのです。 つまり、リスクの分散が 問題の影響を拡大させたというわけですね。 しかし、それもちょっと違う気がしませんか? <リスク分散は影響の拡大を意味するのか?> リスクの範囲が広がったといっても、 細かく分散されたんだから、 かえって影響は軽微になるはずなんじゃないの? という意見をお持ちになった方もおられると思います。 それは全くもって、ごもっともなご意見です。 上の絵で見ても、信用リスクの受け手が、 証券化することによって、3人から5人に分散されたのですから、 一人当たりのリスク量は小さくなっているはずなので、 ローンのデフォルトが起こった場合でも影響は小さいはずなんです。 (一人あたりのリスク量は100⇒60に減っている) でも、実際はそうはならなかったですよね。 なぜなのか。 そのナゾを解くカギが「レバレッジ」なのです。 (次回に続く) http://keyboo.at.webry.info/200708/article_29.html ←あなたのお役に立てたらクリックしてください(ご参考) 「経済」をもっと深く知りたい方におすすめの本
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2007/09/18 22:45 |
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