途転の力学

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS 中東大戦争勃発の可能性を探る(その4:イスラーム対西洋の文明対立)

<<   作成日時 : 2007/08/22 22:48   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 4 / コメント 0

画像





イスラーム内での宗派対立を加速させるという、
米国の企みは果たしてうまくいくのか。


これに関しては、米国の意図がもろくも崩れ去りそうな動きがあって、
実は、先のパレスチナの選挙で
過激派の「ハマス」が政権を握ってしまったということです。


【参考】パレスチナ評議会選、ハマス過半数…闘争継続を表明
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe4800/news/20060127it02.htm
【参考】ハマスとは
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B9




画像






<スンニ派のハマスにシーア派のイランが支援の衝撃>


このハマスの登場によって変わったことは何か。
まず、ハマスはイスラエルとの武力衝突を辞さない過激派であるゆえに、
欧米がパレスチナに対する支援を停止しました。
これにより、イスラエルとパレスチナとの緊張がさらに高まっています。

【参考】政府、パレスチナ支援凍結へ…米・EUと足並みそろえ
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe4800/news/20060417ia02.htm


とは言っても、外からの資金援助に頼っていたパレスチナは、
思想は勇ましくてもカネがなければ活動できません。
そこで出てきたのが、
おなじみ漁夫の利狙いのロシアと何と「イラン」なのです。



ロシアが出てきたのは何となく分かるのですが、
「イラン」がパレスチナの援助に公式に手をあげたことは、
非常に大きな意味があるように思います。

【参考】イラン、ハマス主導自治政府に1億2000万ドル支援
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe4800/news/20061117i303.htm


同じイスラームなんだから、別におかしくないやないかという意見が
多数出てくると思いますが、
なぜわたしがこれを「非常に大きな意味がある」と言うのかというと、
イランが「シーア派」であるのに対し、
ハマスは「スンニ派」だからなのです。



いくら同じイスラームでも、
宗派が違うだけであれだけドンパチやるくらいだから、
あっちではドンパチ、こっちでは握手というのは
心情的には腑に落ちないはず。


従って、この支援表明はイランにとって「かなり戦略的なもの」
であることが推察できるわけです。


つまり、両者共通の敵イスラエルを目の前にして
宗派の違う(しかも民族も違う)両者が手を結ぶことになった。



このことにこそが、一番最初に書いた

『この問題には、世界の様々な対立軸が凝縮されており、
従って実際に戦争が勃発してしまえば、
イラク戦争と違って、その影響はかなり広範囲に及ぶと思われます。
もちろん日本も無関係ではありません。』

ということの意味するところなのです。


これで、「シーア派」と「スンニ派」のイスラームの対立が
「対欧米(+イスラエル)」の名のもとに「戦略的に」解消され、
あたかも、かの十字軍時代のような「欧米VSイスラーム」の図式が
出来上がったことになります。

(「文明の衝突」なんて本を書いた人もいましたが。。。

文明の衝突文明の衝突
サミュエル・P. ハンチントン Samuel P. Huntington 鈴木 主税

集英社 1998-06
売り上げランキング : 9994
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools







<イランが核兵器を持っていなければ戦争確率高まる>


この状態で戦争がおこればどうなるか。
直接の当事者は、米国・イラン、そしてイスラエルということになります。


恐らく起こるとすれば、米国が先制攻撃するということになるのでしょうが、
そうなれば「イラン・イスラエル・イラク米軍」3者が核の応酬合戦を
繰り広げて共倒れになること必至だと思います。 


焦点はイランが核兵器を持っているのかということですが、
核兵器の製造能力を自前で持っているのかは別にして、
核兵器自体も保有している可能性があるのではないかと思います。
その後ろ盾は他ならぬ、ロシアと中国と見ています。


そうでなければ、あそこまで強硬な態度は取れないでしょう。
石油は国を豊かにしてくれますが、
敵から国を守ってくれるわけではありません。

【参考】「イスラエル崩壊の秒読み始まる」イラン大統領が演説
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe4800/news/20070604id01.htm


あくまで武力による抑止力があってこそ守れるのです。
イラクにはそれがなかったからフセインは倒された。
その隣国の様を教訓にしていないはずはありません。


なので、もちろんあくまで推測ではありますが、
イランが核兵器を保有している可能性が高ければ、
これまでの常識から考えれば、
実際にイラン戦争が起こる可能性は限りなく低いと考えられる。


逆にイランが核兵器を持っていないことに、
米国が確信を持ったならば、
イラク戦争と同じ事が間違いなく起こるでしょう。



また、イランが核兵器を持っていたとしても、
それでも米国が攻撃を起こしてしまうとなると、
(もしかしたらイスラエルがフライングしてしまう
可能性も十分に考えられるが)
イラク戦争とは比べ物にならない、
甚大な被害が発生すると思われます。


これは日本にとっても無関係ではありません。
ていうよりも大いに関係あることです。


もし、イラン戦争が勃発してしまえば
ホルムズ海峡が閉鎖される恐れがある。


そうすると、中東の原油が日本にこなくなる。
石油の中東依存度が9割にものぼる日本にとって、
これは放っておける問題ではありません。まさに死活問題です。

【参考】ホルムズ海峡とは
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A0%E3%82%BA%E6%B5%B7%E5%B3%A1


また米国との同盟関係を公に表明している関係上、
イランの敵である米国の仲間として、
攻撃の対象になる可能性もあります。
いつまでも親日でいてくれる保証はありません。

【参考】親日国家、イラン
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogdb_h18/wing1074.html



そのとき日本はどうするのか、また自分達はどうするのか。
真剣に考えておいた方がいいかもしれません。



(次回に続く)
http://keyboo.at.webry.info/200708/article_24.html


banner_02.gif←あなたのお役に立てたらクリックしてください



(ご参考)

「世界情勢」をもっと深く知りたい方におすすめの本

大前研一 新・経済原論大前研一 新・経済原論
大前 研一 吉良 直人

東洋経済新報社 2006-09-01
売り上げランキング : 10795
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

富の未来 上巻富の未来 上巻
A. トフラー H. トフラー 山岡 洋一

講談社 2006-06-08
売り上げランキング : 3403
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

フラット化する世界(上)フラット化する世界(上)
トーマス・フリードマン 伏見 威蕃

日本経済新聞社 2006-05-25
売り上げランキング : 436
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

新自由主義―その歴史的展開と現在新自由主義―その歴史的展開と現在
デヴィッド・ハーヴェイ 森田 成也

作品社 2007-02
売り上げランキング : 6492
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

プーチンのロシア―21世紀を左右する地政学リスクプーチンのロシア―21世紀を左右する地政学リスク
ロデリック ライン 渡邊 幸治 ストローブ・タルボット

日本経済新聞社 2006-11
売り上げランキング : 163604
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

世界新資源戦争――中国、ロシアが狙う新・覇権世界新資源戦争――中国、ロシアが狙う新・覇権
宮崎 正弘

阪急コミュニケーションズ 2007-06-29
売り上げランキング : 7463
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

日本人のための宗教原論―あなたを宗教はどう助けてくれるのか日本人のための宗教原論―あなたを宗教はどう助けてくれるのか
小室 直樹

徳間書店 2000-07
売り上げランキング : 133194
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools





設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(4件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
カラマーゾフの兄弟人気はなんでかね
カラマーゾフの兄弟が売れに売れまくってるみたいですね。なんとカラマーゾフの兄弟、5冊で26万部売れているそうです。しかもこのカラマーゾフの兄弟はまだ4巻発売前の数字なので、もっと部数は伸びるでしょうね。 ...続きを見る
なんとなく書いていく日記
2007/08/23 06:29
ブッシュ大統領 海外戦争退役軍人会でのスピーチの訳
 ブッシュ大統領が先週の火曜日にミズーリ州カンザスシティにおいて、退役軍人会相手のスピーチで、戦前の日本をアルカイダに例えてイラク政策を正当化したと言うニュースが話題になっているので、元のブッシュのスピーチを& ...続きを見る
Red Fox
2007/08/26 13:46
ガザの悲劇・4千年の民族抗争
     ||| ガザの悲劇・4千年の民族抗争 |||モーゼの出エジプトから今日のイラク、レバノン、イスラエル・パレスチナ紛争まで Tragedy of Gaza ― The Sectarian Wars over Millenniums in the Mideast ...続きを見る
米流時評
2007/08/27 04:37
中東に神風!バグダッドサミット
     ||| 中東に神風、バグダッドサミット ||| ▲昨年10月に、イランとシリアを敵視するブッシュを尻目に突然20年ぶりに国交を回復し、二国間友好条約に調印のためダマスカスを訪れたイラクの外相(右)と歓待するシリアの外相 ...続きを見る
米流時評
2007/08/27 06:19

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文