途転の力学

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help リーダーに追加 RSS 中東大戦争勃発の可能性を探る(その2:中東をめぐる石油争奪戦)

<<   作成日時 : 2007/08/21 16:04   >>

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では、その対立軸とは一体何なのか。


わたし個人的には以下の3点で捉えています。

@ イラン及び中東を主な舞台とした、(特に)欧米対中国の石油争奪戦
A イラクを主な舞台とした、スンニ派対シーア派のイスラーム内の宗教対立
B パレスチナを主な舞台とした、イスラーム対西洋の文明対立




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まず、@の石油争奪戦に関して。




<みんなイランの原油が欲しい>


原油がこれだけ上昇し、中国があれだけ経済発展を遂げ、
いよいよ石油がなくなるのでないかという危惧が世界中で蔓延している。
残り少ない資源を争奪しようとする動きが出てきてもおかしくない。
というよりは、もうすでにそれが起きている。


イランは世界有数の原油の埋蔵量を誇る国。
誰もがイランの原油が欲しいのです。

【参考】世界の原油埋蔵量・生産量・石油消費量の上位10カ国(MOF)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/energy/pdfs/b-3.pdf
(イランはサウジに続いて世界第二位の埋蔵量を誇る)


そこでこういう人たちが出てきます。

@ 悪の枢軸に仕立てて、力でねじ伏せ、イランの石油を
  我が物にしようとする米国
A おこぼれ欲しさに米国の側につく欧州
B 欧米と対立関係にあることを逆手に取って、逆にイランに
  擦り寄る中国



そして、これに加えて今年度のキーパーソンとわたしが睨んでいる
ロシアが案の定漁夫の利を狙って参戦してきます。


どの国もすねにひとつ傷を抱えている。
米国も中国も欧州も。
しかしただ一つだけ無傷の国がある。
それがロシアなのです。




<イラク戦争に反対した欧州がイラン問題では米国に味方する理由>


世界有数の埋蔵量を誇るイランの原油を皆が狙っている。
    
 (利害関係者)
   ○ 米国  : イランを悪の枢軸に見立て力でねじ伏せようとしている
   ○ 欧州  : おこぼれ欲しさに米国に追随
   ○ 中国  : イランと米国の対立を逆手に、イランに擦り寄る
   ○ ロシア : 漁夫の利狙い



イランが核開発にこだわる理由に関しては
以前の記事を見て頂ければと思うのですが、
その正当性に関しては明らかにイランの方が正しい。



本当に米国が正しければ、
インドの格保有も本来は容認できないはずです。

【参考】インドの核は容認、イラン核施設は攻撃対象
http://www.bund.org/editorial/20060325-1.htm


とにかくイランを叩く理由がほしいのです。
力でねじ伏せてイランの石油を手に入れるためなら、
今の米国は何でもやりかねません。


大量破壊兵器保有をでっち上げてイラクを攻撃したのと
同じシナリオを描いているのではないでしょうか。


イラク戦争はその後に治安状況の悪化から失敗だったという声が過半です。
たしかにそういうテロの頻発は誤算だったでしょう。


しかし、ことイラクの利権に関して言えば、
これまで諸外国に分散されていたのが、
戦争のおかげで、米国のほぼ独占状態となったという話もありますから、
その点からみると、当初の目的は達成されたという見方も出来そうです。

【参考】復興受注第一弾は米・ハリバートン社(米国)
http://www.jetro.go.jp/cgi-bin/feature/news/wlnews.cgi?id=iraq&no=294
【参考】イラク復興事業,ビジネス界は慎重(フランス)
http://www.jetro.go.jp/cgi-bin/feature/news/wlnews.cgi?id=iraq&no=519


以上のことを踏まえると、イラク戦争に反対した欧州が
今回は米国を支持する理由がよくわかります。
もちろん人道的な表向きの理由ではありません。

【参考】イラク利権めぐり対立再燃か、米の「協力国限定」方針
http://www2.asahi.com/special/iraqrecovery/TKY200312110197.html
(後から方針転換したようですが)


利権のおこぼれを逃さないようにするためです。
あの戦争で利権の面で最も割をくったのは、
参加しなかった欧州勢ですから。


今回はイラク戦争の二の舞にならないように、
そのためには、米国側につく方がよいという判断でしょう。






<いまさらイランに擦り寄れない米国の事情>


そして、今般の原油高をもたらした最大の原因と言われている中国。
米国同様この国も、原油を手に入れるためならなんでもやります。


但し、米国と違うのは武力行使をしないこと。
しかし、世界的に批判されるならずもの国家であろうが
何であろうが、石油のためなら手を結ぶという
なりふり構わぬぶりを発揮しております。

【参考】現地住民も疑問視する中国のアフリカ支援
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/china/hong_kong/061127_25th/


わたし個人的にはイランは一応民主主義国家であり、
悪の枢軸であるとか、ならず者国家であるとは思っておりませんが、
世界的に非難を浴びている国であることは間違いない。


そういう国にも中国は擦り寄ることができるのです。
つまり、共産党の独裁国家である中国は世論を気にする必要がありませんで、
イデオロギーの制約を受けることがないわけです。

【参考】「中国はダルフール虐殺を支援」 米下院108人、五輪ボイコット警告
http://www.sankei.co.jp/kokusai/china/070511/chn070511001.htm


しかし、米国は今更イランには擦り寄れません。


ご存知の方も多いかもしれませんが、今のイランという国は、
親米王家を民衆の革命で打倒したことによって出来た国であり、
国家の成り立ちそのものが反米なのです。


【参考】イラン革命とは
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%B3%E9%9D%A9%E5%91%BD


そういう国はたとえ民主主義国家であっても米国は許しません。
なので、何かと理由をつけてイランを世界の悪者にしようとしているのです。
米国がイランに言うことを聞かせるためには、武力行使しかないからです。
これも抑えておいたほうがよいポイントでしょう。


で、話を元に戻しますがここでロシアが登場してきます。





<資源を武器に影響力を拡大するロシア>


以前の記事にも書きましたが、
わたしはロシアこそが、今後の世界のパワーバランスを考える上での
最大のキーパーソンだと考えています。


その理由は、ロシアには米国にも欧州にも中国にも十分にない
「資源」が豊富に存在するからです。
今後世界経済が更に発展して、
モノの消費が増えてくることは間違いない。


しかし、限りある資源はどんどん枯渇してくる。
そうなると、「持てる国」が力を持ってくるのは当然の成行きです。


そして、今のロシアはプーチン政権の政治的基盤が強化されたことで、
これからはソビエト時代のような軍事力だけでなく、
「豊富な資源」を武器に世界的に影響を及ぼしてくると思われる。



そして、露骨に反米対決姿勢を露わにすると一方、
経済合理性を優先する動きも忘れず、
基本的には対立している関係者間の仲介役を買って出て、
その見返りを求めるという、非常にしたたかな戦法を取っています。


今回のイラン問題に際しても、引くに引けなくなった両者に対して、
「核開発はしてもよいが、ウラン濃縮はロシアで行う」
という妥協案を提示し、話題を呼びました。

【参考】イランの核問題とロシア
http://www.21ppi.org/japanese/hitokoto/tanaka262.html
【参考】米、イラン核問題で露の提案支持…首脳会談
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe4800/news/20051118id21.htm


結局この案はイランに拒否されましたが、
他にもパレスチナで誕生した過激派のハマス政権に接触し、
支援を表明するなど、自身の影響力拡大に努めています。

【参考】ロシア政府、ハマスとの関係に言及
http://www.afpbb.com/article/politics/2262270/1982670


その先に意図するものはやはり「覇権」なのでしょうか。
今はまだおとなしいですが、仮想敵は間違いなく米国でしょうから。





(次回に続く)
http://keyboo.at.webry.info/200708/article_22.html


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