途転の力学

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help リーダーに追加 RSS 中東大戦争勃発の可能性を探る(その1:イランが核開発にこだわる理由)

<<   作成日時 : 2007/08/20 21:53   >>

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イラン問題を考えるための前段階として、
世界全体のパワーバランスがどうなっているかを見てきました。

【参考】多極化時代のパワーバランスを読む
http://keyboo.at.webry.info/200708/article_17.html
http://keyboo.at.webry.info/200708/article_18.html
http://keyboo.at.webry.info/200708/article_19.html


結論としては、世界は米国一極集中から、
米・中・露の三極時代に移行しており、
EU・インドの出方によってはさらに極が増える可能性を指摘しました。


これを念頭に置きながら、
イラン問題について考えていきたいと思います。


まずは、そもそもイラン問題発端の原因から見ていきたいと思いますが、
これはみなさんご存知の「核開発問題」ですね。
ここから出発したいと思います。
(今日から7回シリーズです)


【参考】イランの核開発問題とは
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%A0%B8%E9%96%8B%E7%99%BA%E5%95%8F%E9%A1%8C



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<核開発は抑止力のため>


まず、そもそもとして、

 @ なぜイランは執拗に核開発にこだわるのか。
 A また逆にいうと欧米などの大国は核を持っているのに、
    イランが核開発をしてはいけない理由は何なのか。


という疑問が沸いてくるわけで、この辺のそもそものところは、
ちゃんと押さえておいたほうがいいような気がします。


まず@からですが、核開発にこだわる理由は明確です。
それは「核は他の何よりも国を守る効果がある」からです。


かつての武力衝突の歴史を振り返ってみると、
核兵器を保有している国同士が、ドンパチをやったことはありません。
両者倒れになることがはっきりしているからです。


もし、今後核戦争が起こるようなことがあれば、
大げさではなく、世界は破滅に向かうと思われます。


たとえ兵力を何万人、何百万人もっていようが核には勝てません。
それだけの効果つまり抑止力を核は持っている。
なぜイラクが武力行使を受けて、北朝鮮が受けずに済んだのか。


その答えのひとつとして、
「核の有無」があったことは間違いないと思います。
(「大量破壊兵器」と「核兵器」は抑止の点では雲泥の差)


力が全ての国際社会において、手っ取り早く自分の地位を上げることができる。
だから核開発にこだわるのではないかと。
そして、イランは今「石油」という世界中が欲している資源を大量に持っている。
それが彼らを強硬たらしめる強力な後ろ盾となっている。


イランは核の平和利用を強調しているようですが、
自分の国の平和を守るための核兵器開発も、
「平和利用」の範疇に入りはしないのでしょうか。




<パワーバランスを脅かす存在を許さない欧米>


こういう核開発の動機を考えてみると、Aは何となく読めるような気がする。
はっきり言って、Aはイランから見れば矛盾しています。


正論を言えばイランが正しいことになる。
「既に持ってる奴におまえは持つなと言われる筋合いはない」
ということ。


しかし、こういった矛盾がまかり通るのが国際社会の恐ろしいところで、
これこそが「国際社会は力が全て」であることの一端なのです。


つまり、欧米にとって自らのパワーバランスを脅かす存在の台頭は
望ましくないわけです。
しかも相手は自分達の言うことを聞かない、
彼らでいうところの「ならず者」。


そして、中国のように大きくなってしまってからでは
手が打てなくなってしまうので、
出過ぎる前に杭は打っておかなければならない。
それがイランのケースでは「核問題」であったということ。


なので、明らかに矛盾とわかっていても
「おれたちには核兵器使用を抑止する理性があるけど、
おまえにはないからだめだ」
と言い、国際世論を味方につけてイランを押さえ込もうとする。
この辺のプロパガンダはお手のものですから。


実は日本も昔やられてるんですよ。
「ジャパンバッシング」という名前で。
日本には核兵器がないから、経済制裁の形になったが、
本質的にはイラクの件と変わらない。

【参考】ジャパンバッシングとは
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0


つまり欧米の圧力の根源は力の論理にあるということです。
彼らの存在を脅かす行為は、
たとえどんな理由があっても「ダメ」なのです。






<「民主化」=「合法的植民地化」?>


自分達の作ったルール(資本主義)の元で、
彼らの言うことを聞く勢力を世界中に広め、そこから経済的果実を得る。
米国の進める「民主化」の本質はそういうことではないかと思うのです。
そして、それが最もうまくいったのが他ならぬ日本なのです。


昨今は経済が成熟化してきているので、
自国からは十分な果実が得られない。
だから民主化による「合法的植民地」がもっと必要になる。



最近民主化が声高に叫ばれるのは、
米国の成熟化と関係あるような気がします。
以前はもう少しモンロー主義的要素があったように思うのですが。

【参考】モンロー主義とは
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%83%BC%E4%B8%BB%E7%BE%A9


「『自由と民主主義』という人類にとって普遍的な価値を
世界に広めるために欧米は頑張っているんだ」
なんて言うと、非常に耳障りのいい話なのですが、
その実は何てことはない、「思いっきりそろばん弾いてるやん!」
ってことなんですね。



はっきり言って、
帝国主義時代とやってることは大して変わらない。


こういう力学が働いていることを考えてると、
イラン問題も単にイラン一国でとどまる話ではないのではないか
ということが容易に推察されることと思います。


以前にも述べましたが、
このイラン問題には、様々な地政学的対立軸が
凝縮されているのです。




(次回に続く)
http://keyboo.at.webry.info/200708/article_21.html


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