途転の力学

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help リーダーに追加 RSS 多極化時代のパワーバランスを読む(その3:極がさらに増える可能性)

<<   作成日時 : 2007/08/20 08:54   >>

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<中国とロシアの関係はYKKのようなもの>


では、その3極が完全に対立関係にあるかというとそうではなく、
現在はどちらかというと、「中露VS米国」の構図になっているのが見える。


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実際、中露を中心に「上海協力機構」という多国間により非米組織を
結成したり、さらにロシアは、東シベリアの石油パイプライン建設に関して、
日本ではなく中国ルートを優先させたりと、
その関係が密接になっているのが伺える。

(参考) 上海協力機構とは
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E6%B5%B7%E5%8D%94%E5%8A%9B%E6%A9%9F%E6%A7%8B


中国とロシアは地理的にも近い(ていうか隣同士)し、
またロシアは米国に対しては、かつては「ソ連崩壊」、
今は「バラ革命」「オレンジ革命」への度重なる裏からの介入で邪魔された
恨みつらみが鬱積しており、米国と手を結ぶなんてとてもとても。


というわけで、中国とロシアが近しい関係になるのは
自然な流れだといえるでしょう。


ただ、だからといって中国とロシアの関係が完全に蜜月かというと
そこもまたそうではないらしいから話がややこしくなる。



上の絵で、ロシアと中国を結ぶ二重線を
「実線」ではなく「点線」にしているのはそのためです。


つまり、皆一度に二人を相手に戦うことはできないわけです。
よっぽど圧倒的な力の差が無い限り、そんなことは不可能だ。


現に一番強い米国をもってしても、
イランと北朝鮮問題に同時に対処することができない。
いわんや中国・ロシアに対してはなおさらです。


だから、1対1になるまでは「敵の敵は味方」のような感覚で
「敵の敵」を一緒になって潰すために、
戦略的に手を結ぶことは十分ありうるわけです。



そして、めでたく二人与して米国を倒せた暁には、
今後はその味方が敵同士に変化し、再度バトルが開始されるのです。


何か「権力闘争」を見るような感じですね。


かつて小泉首相が自身の盟友関係であったYKK(山ア・加藤・小泉)について、

「これは友情と打算の二重構造である」

と発言して物議をかもしたことがことがありますが、
今の中国とロシアの関係はまさにそんな感じなのかもしれません。


こうして見ると、米国が不利な状況になっているように見えるが、
本当にそう判断していいのでしょうか。





<極がさらに増える可能性(インドとEUの動き)>


今は「3極」構造に見えるが、
EUの出方次第によっては「4極」になるかもしれないし、
はたまたインドの出方次第では「5極」になるかもしれない。
さらには日本の出方次第では「6極」になるかもしれない。


従って、事態はまだまだ流動的であると考えられます。
そう簡単に筋書きどおりにいくとは思えません。


最終的な姿がどうなるかわかりませんが、ただ一ついえることは、
「世界が多極化に向かっている」ということは間違いなさそうです。


その中で、個人的には特にインドと欧州の動きに注目しています。


特に気になるのがドイツとロシアの結びつき強化の動きで、
独露間の天然ガスパイプライン建設なぞは、その象徴でしょう。
詳細は下の参考記事をご覧下さい。

(参考) ロシアとドイツで米国を挟み撃ち
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20060606/103740/


昔はイギリスとEUはもっと近い関係にあったような気がしたのですが、
イラク戦争を機に、両者の距離感が広がりつつある感があります。
(イギリスは賛成、他の欧州諸国は反対の立場を取った)


ドイツの動向が、この流れに拍車をかけることによって、
EU全体が何とロシア側についてしまうなんていう
サプライズがないとも言い切れません。


次にインドですが、
今やBRICSの一角として世界的な注目を集め、
国力を増強させている国であり、
米国はこの国を取り込むことに躍起になっているわけですが、
そのために、これまで難色を示していたインドの核保有を、
いとも簡単に容認しまいました。


もともと民主国家体制を取っていることもあって、
インドはこれで米国陣営につくのかとも思われましたが、
そうは問屋が卸さない。


この国は歴史的に中立な立場を貫く意志が非常に強いため、
非米同盟である、上海協力機構に参加希望を表明したり、
米国と敵対するイランとも資源外交を展開したりするなど、
独自の外交を貫く姿勢は変えておらず、
そう簡単にはなびいてくれないようです。


今後の国の発展性を踏まえると、
インドはEU以上に台風の目になるかもしれません。


これまで海外のことを米国に任せっきりにしてきた日本ですが、
こういう情勢変化に取り残されないように、
目を凝らせておかなければいけません。


という、世界のパワーバランスの基本を押さえた上で、
次回から本題のイラン問題について考察していきたいと思います。




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