途転の力学

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help リーダーに追加 RSS 多極化時代のパワーバランスを読む(その1:政治体制と国家のスタンスによる分類)

<<   作成日時 : 2007/08/18 22:32   >>

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米国がついに、イランの革命防衛隊をテロ組織に指定する
可能性が高まってきました。

【参考】イラン革命防衛隊をテロ組織に指定か、ブッシュ政権(CNN)
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200708150033.html


イラン核開発への制裁警告決議が出されて一年余り。
小康状態を保っているかに見えたイラン問題ですが、
一気に緊迫の度を増してきました。

【参考】国連安保理がイラン制裁警告決議を採択、8月末までの核開発停止求める
http://jp.epochtimes.com/jp/2006/08/html/d74973.html


米国の情勢にお詳しい、米流時評のysbeeさんから
ご教示頂いた情報によれば、
米国の各メディアも突然風向きが変わったように、
イラン攻撃を口にするペンタゴン出身の軍事評論家や
好戦的なタカ派の評論家の意見を載せ始めているようで、
イラク戦争開戦前のような意図的なキナ臭さを感じてらっしゃるようです。

【参考】米流時評(海外の動向をいち早く知りたい方必見です!)
http://beiryu2.exblog.jp/


イラン戦争は本当に勃発するのでしょうか。
これからしばらくはこの問題について考えてみたいと思います。


では、なぜ遠い中東の話題をここで取り上げるのか。


それは、このイラン問題には、
世界の様々な対立軸が凝縮されており、
従って、実際に戦争が勃発してしまえば、
イラク戦争よりもさらに、影響が広範囲に及ぶと考えられるからです。
もちろん日本も無関係ではありません。



つまり、このイランを巡る問題は、
単に核開発を巡るイランと米国の問題と捉えるのは
間違いだというわけです。


というわけで、今回はイラン問題を考える前に、
まず、世界全体のパワーバランスがどうなっているかについて
見ていくことにしましょう。


私も正確な理解には遠く及びませんが、
せっかくなので、これを機会に外に目を転じて、
今世界で起こっていることを一緒に眺めて見ようではありませんか。




<権力の集中と発散度合いから見た政治体制(縦軸)>


最初に下の絵をご覧下さい。


画像



これは世界全体のパワーバランスを形成する
主要プレーヤー達を一望するための絵です。
作成したのは一年前なので、多少状況が変わっているかもしれませんが、
大枠を理解するにはまだ使えそうなのであえて掲載させて頂きました。


まずは見方の説明から。


縦軸は国家の政治体制です。
政治体制というと、「民主主義」と「共産主義」と考える方が
いるかもしれませんが、「共産主義」と書くと違いがぼやけてしまうので、
ここでは使いません。


政治体制は「権力の集中と発散の度合い」によって捉えたほうが、
わかりやすい
と考えるからです。


つまり、民主主義の本質は「みんなで決める」ということですから、
その対極にあるのは「だれかが決めたことにみんな従う」ということ。
それはまさに独裁体制のことであり、
いわゆる「共産主義」というのはその一種に過ぎないということです。


よく、「民主主義対共産主義の戦い」で民主主義が勝ったと
いわれていますが、それはあくまで「対 共産主義」との戦いに
限定したものであって、「対 独裁体制」全般に対する勝利ではない
ということには注意が必要です。



そうでなければ、民主主義体制になっているはずのロシアで、
プーチン大統領が権力を強化している動きは、説明がつかないからです。


そして、今でこそ様々な統制があるかもしれませんが、
その動きの発端には、民衆の支持があったということです。
かつてのヒトラーも同じです。


つまり、何が言いたいのかというと、
これはかのアリストテレスが言っていたのですが、
「権力は集中と発散を繰り返す」ということです。


そして集中の典型が「独裁国家」であり、
発散の典型が「民主主義国家」であるということ。
これはマルクス的唯物史観ではなく、循環史観的発想であり、
個人的にもこの方が、現実を正しく描写している気がするわけです。




<欧米寄りかどうかで見た国家のスタンス(横軸)>


次に横軸。


これは、国際社会における国家のスタンスを考えています。
大きく分けて「欧米寄りかそうでないか」ということです。


そうすると、縦軸と横軸で4つの象限に分類されます。

 A: 民主主義・欧米寄り型
 B: 民主主義・反欧米寄り型
 C: 独裁型・反欧米寄り型
 D: 独裁型・欧米寄り型



しかし、Dの「独裁型・欧米寄り」政権は基本的にはないと考えています。
つまり欧米のイデオロギーである民主主義体制が、
権力発散型の体制であることを考えれば、
これと対極にある独裁型は彼らとは相容れないはずだからです。


そうなると、考えられる対立軸は以下の二つということになります。

 @ 民主主義国家(A・B) 対 独裁国家(C)
 A 欧米寄り(A) 対 反欧米寄り(B・C)



AとCの対立は決定的ですから、
残るB勢力をAとCで奪い合うという構図が見えてくる。


ここで何もなければB勢力はA・Cに対して中立と考えることが
できそうなのですが、
イラク戦争及びパレスチナ問題等の中東問題は、
いわゆる「キリスト 対 イスラーム」という対立軸を
生み出しているように見える。


それが民主主義的国家体制をとるアラブ諸国を、
AからBに移行させることとなり、
民主主義的価値観を共有するよりも、反欧米色を強めてしまっているので、
どちらかというとC側と手を結びやすい状況となっている。


つまり、現状は「A 対 B・C」という構図と捉えるのが
正しいのかなと思っています。



既にお気づきの方もいるかもしれませんが、
この構図はまさに冷戦のそれとよく似ていると思うのは、
わたしだけでしょうか。


(次回に続く)
http://keyboo.at.webry.info/200708/article_18.html


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。
いや〜すごい。特に真ん中のマトリックスは、とてもわかりやすいです。と同時に、こんなにこんがらかっているパワーをとりしきるのは、とてもブッシュのような単細胞には無理ですね。おまけに今月いっぱいで脳みそが消失するし(カール・ローブ辞任)

やはり、プーチンのようなクールな策士でないと、中東の何千年ものパワーラビリンスをかいくぐってきた、したたかなアラブやペルシャの民にはかなわないでしょう。
と思ったら、もうプーチンの記事が上がっていて、ご苦労様です!
ysbee
2007/08/19 13:37
ysbeeさん>
コメントありがとうございました。これ、実はまたもや過去記事をアレンジした若干手抜きものなんですけどね(笑)。でも中東関係の記事って、日本人も注目しておかなければいけないはずなのに、残念ながら関心が薄いせいかアクセス数伸びないんですね(笑)。これから今週いっぱいは中東関係の記事を続けていくつもりなので、その間にランキング激下がりの運命にあうかもしれません(笑)。まあそれは冗談として、ご紹介頂いたネオコンの記事、後ほどゆっくり拝見させて頂きますね(英語なんで時間かかりそう。。。)。ありがとうございます。それにしてもネオコンって昔は民主党の組する勢力だったそうですね。拙ブログでお薦めさせて頂いている「地政学」って本に書いてありました。米国の政治も歴史を紐解いてみると、また違った見方ができるのかもしれませんね。
新快速 播州赤穂行き
2007/08/19 17:38

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