途転の力学

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help リーダーに追加 RSS ここがヘンだよ!北京五輪(その3:それでも北京で行われようとしているワケは?)

<<   作成日時 : 2007/08/15 08:06   >>

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ここまでお読み頂いただけでも、
「平和の結集」であるオリンピックを開催する場所として、
「北京」がふさわしくないということは
おわかり頂けるのではないかと思います。


「じゃあ、やめてしまえばええやん」
って思われるかもしれませんが、そう簡単にはいかないんですねえ。


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<もはや共産主義国家ではない中国>



共産党は当初祖国を持たず、
共産主義を持って世界を統一しようとしたが、
今日では共産党が統治する中国は極端な民族主義になりました。


また、共産党は本来、階級を強調し、
あらゆる私有財産を没収し、
全ての搾取階級を打倒しようとしました。


ところが、今の中国は世界で最も貧富の差が激しい国となり、
党と国の多くの高官たちは、8億もの貧しい人たちを犠牲にし、
巨万の富を持つボスとなりました。


これは一体どういうことなのか。


「共産主義」であったはずの中国が、
いつのまにか、自らが打倒しようとしていたはずの
純粋なる「資本主義」国家になるという、
とんでもない矛盾が起こってしまったわけです。








<資本の論理で結びついた役人と資本家>



「純粋なる資本主義」がまかり通る国では、
「成熟した」資本主義国家である先進国と違って
労働者の権利は全く保証されておりませんので、
極端な話、資本家のやりたい放題、使いたい放題になります。


中国は労働コストが低いのを売りとしていますが、
それは単に中国の物価が安いというだけでなく、
このような経済システムの構造が根幹にあるということを
認識しておかなくてはいけません。





「共産主義」とは名ばかりで、
「純粋資本主義国家」に変貌を遂げた中国。
安い労働コストと巨大な人口。
資本家にとって、これほどおいしい市場はありません。


巨万の富のボスになった中国の役人と、
先進国の巨大資本家が
「資本の論理」で見事に結びついてしまったのです。



そして、彼らはオリンピックのスポンサーとして
多額の金を中国に貢ぎました。
その投下資本は回収しなければなりません。


「資本の論理」から言って、
北京での五輪開催に反対できるはずがありません。


そこに一般市民を顧みる視点などは微塵もないのです。

【参考】北京五輪 スポンサー企業一覧(iza)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/it/internet/45146/










<世界の良識が問われる>


この資本家同士の結託で取り残された一般市民は、
労働者として何の保証もないまま、
延々とこき使われ、搾取されていく。


労働者が資本家から搾取することを理念に掲げ
建国された国で、逆にその労働者が資本家から搾取されている。
しかも、堂々と「資本主義」を掲げている国以上に。



こんな矛盾がいつまでも許されていいのでしょうか。


私は普段マーケットの世界にいるため、
「資本の論理」にはどちらかというと否定的ではない立場なのですが、
この中国の状況はひどすぎる。


資本にも「倫理」は求められていいはずです。


これから北京オリンピックまでの一年間は、
それこそ世界の良識が試される一年になると思います。


良識ある一般市民が、
大資本家の「資本の論理」に勝てるかの勝負なんだと思います。



その点から、これまでの右派・左派の対立軸とは
違う構図になるような気がしていて、
イデオロギーの差を越えて、
市民層が結集できるチャンスになることを期待しています。


私は「北京」でオリンピックが開催されることに反対です。


なぜなら、オリンピックとは

「スポーツを介した『平和のための結集』」

であるはずからです。








(終わり)

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
新快速 播州赤穂行きさん、こんにちは。TBどうもありがとうございました。『欧州より』の書き手の寛斗と申します。

中国に関する一連の記事、興味深く拝見いたしました。特に興味深く思われた、そして同感であるのは以下の分析です。

「「純粋なる資本主義」がまかり通る国では、
「成熟した」資本主義国家である先進国と違って
労働者の権利は全く保証されておりませんので、
極端な話、資本家のやりたい放題、使いたい放題になります。」

共産主義が労働者のための社会システムだとは、中国における労働者への搾取を鑑みるに、誰にももはや思えないでしょう。

この点を考えるだけでも(他に他民族の抑圧もありますが)、北京が次回のオリンピック会場となることは、やはり大きな疑念を持って受け止められても仕方がありませんね。





寛斗
2007/08/28 01:27
寛斗さん>
丁重なコメントを頂戴いたしましてありがとうございました。御サイトは「米流時評」のysbeeさんにご紹介頂き、訪問させて頂きました。コメントもさせて頂こうと思ったのですが、時間の関係でTBだけ残してしまい、大変失礼致しました。ドイツはその地理的状況や経済力から言っても、欧州ではキープレーヤーとなるはずなのに、英国の影に隠れてしまっているのか、日本ではその内情がほとんど報道されることがありませんので(ドイツ語の問題もあるのかもしれませんが)、ドイツの情報に触れる機会が少ない我々ドメの人間にとっては、非常にありがたいです(メルケルも日本では「何者?」っていう人が多いと思います(笑))。これからもちょくちょくお邪魔させて頂くかと思いますが、今後ともよろしくお願いいたします。
新快速 播州赤穂行き
2007/08/28 08:14
(続き)
さて、中国に関してですが、ここはまさに産業革命初期のヨーロッパを見ている感じがしますね。でもこの問題が難しいのは、色々非難轟々出ているけれども、なんだかんだ言って世界は安い中国製品に頼っている部分が一方ではあるという事実も否定できないということであり(中国から世界への輸出は未だに爆発的に伸びている)、先進国の間でもなかなか一枚岩になりきれない(資本家vs一般市民、あるいは高所得者層vs低所得者層)ことが、わかっていながら問題がなかなか先に進まない要因の一つのような気が致します。個人的には「やっぱり『ヘン』だよね」って側なのですが。
新快速 播州赤穂行き
2007/08/28 08:14
新快速 播州赤穂行きさん、こんにちは。今回、拙記事TBさせて頂きました。メルケル首相と温家宝首相の会談の内容についてです。翻訳はまだ未完成ですが。

仰るとおりですね。中国の産業を見ていると、本当に、産業革命初期の西洋社会の有り様を彷彿とさせます。労働者は使い捨てで搾取されるばかりです。労働者のための政治システムは中国には無いのでしょうか?という皮肉を言いたくもなります。

私の友人はアジア経済を研究していますが、彼が言うには中国経済は「剥き出しの資本主義」とのことです。私はこの言葉以上に中国経済をうまく表現する言葉を知りません。

それでは、こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。
寛斗
2007/08/28 18:40
寛斗さん>
こんばんは。「剥き出しの資本主義」、私も今の中国を表現するのにこれほどうまい表現はないと思います。だからこそ資本家からしてみれば非常においしい世界になるわけですね。「究極の平等」を目指す理想が、「究極の格差」を生む社会になってしまった。いずれもたなくなるだろうという認識はほぼ皆が共通して持っていることではあると思いますが、なにぶんあまりにも巨大化しすぎたために、この国のソフトランディングを誤れば、世界中に甚大な被害を及ぼしかねないので、非常に難しい問題なんだろうと思います。
新快速 播州赤穂行き
2007/08/29 23:08

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