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<日本の軍備増強にはそもそも限界がある> 【参考】このテーマの過去記事 http://keyboo.at.webry.info/200707/article_5.html http://keyboo.at.webry.info/200707/article_6.html http://keyboo.at.webry.info/200707/article_6.html http://keyboo.at.webry.info/200707/article_8.html 日米同盟を維持しながら、 いかに「対米追従」から脱皮していくかが 21世紀の日本の外交のテーマになると述べました。 では、米国が完全に日本を向いているわけではなく、 中国の軍拡がどんどん進んでいる現状において、 日本はどうすればいいのか。 本シリーズの締めくくりとして、この問題を考えてみたいと思います。 ここでよく引き合いに出されるのが「核武装論」です。 憲法9条を改正して、非核三原則も見直して、 日本も大幅に軍備を増強して核兵器を持たないと、 破竹の勢いで軍拡をしている中国に対抗できないという論です。 【参考】核武装論(wikipedia) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%B8%E6%AD%A6%E8%A3%85%E8%AB%96 たしかに現在の自衛隊の能力がどのくらいあるのか (実践で機能発揮できるという意味で)は正確にはわかりませんが、 米国の核の傘に頼っている現状は、 安全保障上堅固ではないことを意味するわけであります。 【参考】自衛隊の強さは?(goo) http://oshiete1.goo.ne.jp/qa604393.html 従って、今は米国の「核の傘」があるのでいいのですが、 自主防衛が必要になった場合は、 「ドラえもんがいないのび太」状態になってしまいますので、 「ジャイアン」中国に対抗するためには、 「核」を持たざるを得ないというのがその根拠にあります。 確かにその論は一理あると思います。 日本はその気になれば核兵器も作れるだろうし、 その技術力を生かして、世界最新鋭の兵器を作ることも可能でしょう。 では、核を持てばあるいは軍備を増強すれば全てうまくいくかというと ことはそう単純ではありません。それはなぜか。 もし日本が「憲法改正」して自主防衛の道を歩み始めたら、 いわゆる「普通の国」へようやく一歩踏み出せることになり、 独立国家としては「美しい」かたちになるでしょう。 しかし、実際問題として、 @ 完全な自主防衛路線をとる場合に、日本の安全を守るためには、 一体どれだけの軍備が必要なのか A また、米国を敵に回さない範囲でどれだけの軍備増強が可能なのか という問題が生じるはずです。 @に関しては、中国の軍備状況が不透明であるため、 どのくらい増強が必要なのかはわかりませんが、 世論さえ何とか出来れば、費用はどうにかなると思います。 問題はAです。これは極めて厄介な問題だと思います。 米国は日本が米国の敵対勢力となった上での軍事的台頭は 望んでいないでしょうし、国内世論の問題ないしは世界に対する 「非核三原則」の建前の問題、さらには唯一の被爆国としての 核兵器反対姿勢を放棄することの問題等、 北朝鮮の脅威があるからといって、また技術的に可能だからといって、 一足飛びに実現できる話ではありません。 また、仮に「核兵器」を保有できたとしても、 ● 実際の核兵器の使用には、相当高度な政治的判断が要求され、 今の日本の意思決定システムでは、 その判断は出来ないのではないか。 仮に出来たとしてもタイミングを逸する可能性が高いのではないか。 ● また核兵器を持っている国に核を使用するということは、 「抑止力の崩壊」即ち相手国だけでなく、 自国にも「破滅」も視野に入れた 甚大な被害を及ぼすことになる。 ● さらに、核兵器による中国大陸への攻撃は、「偏西風」の影響で 日本列島に死の灰をもたらし、大気・水・食品を汚染し、 日本国民の中に放射能障害が多発して社会機能が麻痺状態に なる可能性が高く、そうなれば結果的に日本が自滅することに なるので、そもそも実行不可能ではないか。 【参考】防衛力整備における核武装の問題点(国際戦略コラム) http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/190521.htm ということが言えますし、さらに、戦争を遂行する上で 日本という国が抱える決定的な弱点にも留意しておかなければいけません。 それは、 ● 戦争の遂行には莫大なエネルギー資源が必要であるが、 日本はそのほとんどを輸入に頼っている。 従ってどんなに最新鋭の兵器を持っていたとしても、 燃料を止められて運用できなければせっかくの軍事力が発揮できない。 ということです。 つまり、日本は「瞬発力はあるけど持久力がない」という 資源小国が逃れられない弱点を抱えているのです。 従って、それを克服できない以上、 軍備増強にはおのずと限界があるといえるのではないでしょうか。 これは軍備増強を真っ向から否定しているわけではありません。 それだけでは不十分であるということが言いたいだけです。 しかし、軍備増強をするにしても、 他国の理解を得ながらやっていく必要があると思うのです。 是々非々を無理やり押し通すのは孤立を招くだけです。 他国との貿易で成り立っている、特に生活必需品を他国からの 輸入に頼っている日本は、孤立を絶対に避けなければいけません。 物資を止められたら終わりなのです。 シーレーンの安全も、実は米軍に依存しているという事実をお忘れなく。 【参考】シーレーン防衛問題、ならびにアジア諸国との安全保障体制(有事戦略研究会) http://www.iris.dti.ne.jp/~rgsem/sealane.html また、莫大に積みあがった外貨準備である米国債も、 その居場所は日本ではなく、 実はNY連銀の地下倉庫に眠っているのです。 それは非常時には米国政府による凍結が可能ということを 意味するものであり、いわば人質に取られているようなもんです。 おそらく米国はそこまで計算に入れているのかもしれません。 【参考】中国の外貨準備と日本の安全 -- 中村豪一(MRI Security) http://www.mri-security.jp/wiki.cgi?page=2006.11.14+%C3%E6%B9%F1%A4%CE%B3%B0%B2%DF%BD%E0%C8%F7%A4%C8%C6%FC%CB%DC%A4%CE%B0%C2%C1%B4 だから、日本は必然的に他国との協調路線をとらざるを得ないのです。 日米同盟が永遠でないからといって、 また国内の反米感情・反中感情が盛り上がったからと言って、 安易に米国も中国も敵に回すわけにはいかないのです。 嫌いな国でも「戦略的な友好関係」を築いておく必要があります。 一番最悪なのは、米中が組んで日本に襲い掛かるシナリオだからです。 (すいません、今回で終わる予定だったのですが 次回が本当に最終回です) http://keyboo.at.webry.info/200707/article_10.html ←あなたのお役に立てたらクリックしてください(ご参考) 「政治」をもっと深く知りたい方におすすめの本
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