途転の力学

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help リーダーに追加 RSS 「2010年憲法改正」の意図は何か(日米安保シミュレーション:その3)

<<   作成日時 : 2007/07/07 20:41   >>

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<米国は中国を本当に仮想敵国とみなしているのか>


以上の話は日米安保が機能し、なおかつ中国は米国の
仮想敵国であるという前提での話。


確かに米国は中国の軍事力に対して脅威を感じ、再三警告を発している。
これは日本のマスコミも報道しているところです。

【参考】中国の対応を批判 米中軍事交流で米国防総省高官(産経)
http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070707/usa070707001.htm
【参考】中国軍事報告に関する米国の年次報告書の要旨(iza)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/53821/


ところがどっこいしょ。
話はそう単純ではない。


そして、こっから先が日本のマスコミが報道しない重要なところです。


実は米国と中国は軍同士の連携を進めており、
今年の5月にも、海軍のキーティング司令官が、中国のWu司令官
(すいません、漢字がわかりませんでした)と北京で会談していたのです。



このことは、米国のメディアでも報道されていたので
極秘というわけではなかったのですが、日本のマスコミでの報道はなく、
また政府関係者も実は国会で野党議員から指摘されるまでは
知らなかったというのです。


(その会談の内容をレポートした記事)
【参考】US Commander Calls Chinese Interest in Aircraft Carriers 'Understandable'(VOICE OF AMERICA)
http://www.voanews.com/english/archive/2007-05/2007-05-12-voa5.cfm?CFID=171975800&CFTOKEN=44017454


↓中国Wu司令官と北京で対談するKeating米海軍司令官(VOA)

画像



これも立派な「ジャパン・パッシング」ではないのか。
そして、その会談で話された内容がもっと衝撃的。


中国がかねてから「空母」を持ちたいという野心があったのは
既に公になっている話しですが、それを踏まえてキーティング司令官が
言ったことはなんと、


「空母の開発、建設、そして運用は複雑で難しいが、それでも中国が持ちたいというのなら、米国はよろこんで協力する」

(Admiral Keating stressed the difficulty and complexity of developing, building and operating an aircraft carrier. But at his news conference Saturday Keating said the United States would be willing to help if that is what China decides to do.)

って言ったもんだからビックリ。
知識人からも、「米国は本当に日本の同盟国なのか」という声が上がる始末。

【参考】米国は本当に日本の同盟国か([公式]天木直人のブログ)
http://www.amakiblog.com/archives/2007/06/28/


そして、このことを知らなかった政府関係者も、
野党議員(民主党の浅野慶一郎議員)から指摘されて慌てる始末。

【参考】参議院外交防衛委員会 第20号会議録
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0104/166/16606190059020a.html
(該当部分の引用は最後で)


けど、インターネットで取れる情報なんだから、
政府関係者であれば「知ってて当然」かと思うのですが、
なぜ知らなかったのでしょう。
それとも、「知らぬフリ」をしていたのでしょうか。

【参考】米中国空母建造援助?(海洋戦略研究)
http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/archive/2007/6/2

【参考】中国の大国化、世界の多極化(田中宇の国際ニュース解説)
http://tanakanews.com/070605china.htm


まあ、それはさておき、
なぜ米国はこんな対応を取るのでしょうか。


なぜ、「仮想敵国」であるはずの中国に協力して、
結果的に「同盟国」であるはずの日本への脅威を増すことに
手助けしようとするのでしょうか。


(次回に続く)
http://keyboo.at.webry.info/200707/article_8.html




【参考】参議院外交防衛委員会 第20号会議録
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0104/166/16606190059020a.html

○浅尾慶一郎君 続いて、我が国の周辺の地政学的な状況で伺いますが、中国が空母、航空母艦を建設しようということをしておりますが、外務省としてはこの点についてどういう認識を持っておりますか。

○国務大臣(麻生太郎君) アメリカの国防省が今年の五月でしたか、公表しておりました中華人民共和国の軍事力に関する年次報告書において、いわゆるソ連の未完成の航空母艦の、何というのか、ワイヤーでしたっけ、ワリヤーですか、あれを買ったという、ワリャーグの購入について動きが出てきたという指摘があったということは承知しております。
 また、二〇一五年までに中国が航空母艦を保有し得るといった見方や、早ければ二〇二〇年以降に作戦可能な航空母艦を展開し得るといったような専門家の意見があることも、この紹介された、今申し上げましたが、二〇〇七年の年次報告書で紹介はされていますが、いずれにしても、十九年連続二けたの防衛費の伸びと、しかもその内容は極めて不透明という状況はよくお分かりのとおりだと思いますので、そういったものがこの種のものに使われておるのかどうなのか、私らにはよく分からないところでもありますので、不透明な点というのが一番問題なんだというような感じがしております。

○浅尾慶一郎君 これは防衛大臣に伺った方がいいんだと思いますが、仮に中国が航空母艦を配備した場合には、日本の防衛に対して影響が出るというふうに考えるのかどうか、伺いたいと思います。

○国務大臣(久間章生君) 必ずしも航空母艦を有したからといって、日本がそれに対して脅威を感じるかといいますと、それでなくても弾道ミサイルを大分持っておるわけですから、そういうようなことは直接はないわけですけれども、ただ、何のために航空母艦を有するのか、国威発揚のために持つのか、遠いところまで出掛けていっていろんな活動をするために持つのか、その辺の意図がよく分からないので、これから先も注目していきたいと思っております。

○浅尾慶一郎君 中国が航空母艦を持つということについては、様々な、我が国としても注意はしておかなきゃいけないことだというふうに思っております。
 たまたまアメリカのボイス・オブ・アメリカという、これは実質半官半民なんだと思いますが、のニュースで、ちょっと和訳をする時間がなかったものですから、ホームページからそのまま引っ張ってきて大変恐縮でございますが、その中に、アメリカの太平洋艦隊の司令官が、もし中国が航空母艦を持つのであれば、そしてもし彼らが望むのであれば、我々は、我々というのはアメリカですね、彼らが望むレベルまでその航空母艦を持てるためのノウハウを提供しようということを言っているわけであります。
 まず第一に、外務省並びに防衛省はこうした発言があったということを把握していましたか。

○国務大臣(久間章生君) 私は、先生の資料をもらって、そこの部分を和訳をしてもらいました。それで初めて知りました。

○浅尾慶一郎君 外務省、どうですか。

○国務大臣(麻生太郎君) この紙は初めて見ました。

○浅尾慶一郎君 こういうアメリカの、キーティングというのは前、日本にもいた人ですけれども、太平洋艦隊の司令官が、中国が航空母艦を持つのであれば米軍が支援をしますという発言をして、それがボイス・オブ・アメリカに出ているということですから、これ、記者会見で発表したということですが、外務省としてそういう情報を把握していたかどうかという趣旨の質問です。

○国務大臣(麻生太郎君) 少なくとも、今初めて紙を見ましたし、今その種の報告、私のところに上がったことはありません。

○浅尾慶一郎君 アメリカの意図がどの辺にあるかというのはいろいろと分かれるところだと思います。
 彼らとしては、中国が航空母艦というものを持つに当たって、自分たちが技術提供をすれば多少そのコントロールができるという意図があるのかもしれませんが、しかしながら、海軍の現役の軍人が、中国が航空母艦を持つんであれば、それはもし彼らが望むのであればその開発の手助けをしますということは、少なくともそういう情報を、防衛省としても外務省としても、今日の午前中の情報保全隊という形で情報収集するよりかははるかにこちらの方が私は重要な情報だと思いますが、防衛大臣、いかが認識されますか。

○国務大臣(久間章生君) 私は先般お会いしたことがございますけれども、キーティングさんとは、どういう脈絡の中でこういう話になっているのか、本当にあったのかどうか。私たちもよく中国の関係の皆さん方といるときに、航空母艦を持つというのは大変ですよ、維持管理費が大変ですよ、もうアメリカだから今やれていますけどね、日本だってそんなことやったらもう海上自衛隊の一年間の予算が吹っ飛びますからねと、そういうことを向こうの高官に言うことはございますので、どういう脈絡の中でこういう発言が出たのか、それは本当に真意を聞いてみないと分かりませんので、何ともコメントしようがございません。

○浅尾慶一郎君 私も申し上げましたように、必ずしもアメリカの海軍が中国側との関係でお互いの持っている軍事力を高めるために支援しようという発言をしたというふうには私も認識をしておりませんが、少なくとも、我が国の周辺で航空母艦を持つということは、打撃力という観点でいえばこれは飛躍的に大きな話になるわけですから、是非、情報収集をされるということであれば、少なくともそういう方向でされた方が安全保障上いいんではないかというふうに思いますが、その点についていかが思われますか。

○国務大臣(久間章生君) 中国の海軍が航空母艦を持ちたいという気持ちを持っていることについては私たちも聞いておりますので、そういう意味では関心は持っていますけれども、それが具体的にどういうふうになってくるのか。
 先ほど言いましたように、その限られた予算の中で片一方を確保しますとほかの分野を削ることになりますから、そういう意味で、中国の、今私たちが言っているのは、軍事費の透明性をきちんとしてくださいよ、疑心暗鬼にみんなをさせないようにしてくださいよ、それが信頼関係のこれから先大事なことなんですよということを言っておりますので、そういう全体の中でこれから先注目していこうとは思っております。

○浅尾慶一郎君 官房長官、直接の所掌じゃないですけど、この点について何かコメントありますか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 空母のことですね。
 これを、今配られたのを拝見いたしまして、ウイリング・ツー・ヘルプと書いてあるので、私もどう理解したらいいのかなというふうに思いました。
 当然のことながら、空母を持てば展開能力は高まるわけでありますから、これがどういう意図を持ってという、先ほど久間大臣が言っておられたように、どういう目的で持つのか、米国としてはどういうゲームプランを描いてウイリング・ツー・ヘルプと言っているのか、確かに是非聞いてみないといけないし、そういう点で、やっぱりさっき麻生大臣がおっしゃったように、中国の軍事情報についてはディスクロージャーがもうなければならないということをつくづく感じるので、やっぱりこういうアクションを取るならば、当然隣国にあるいは世界にそれなりのメッセージをきちっと伝えながら自分たちの意思を示すということが大事なんじゃないかなと思います。

○浅尾慶一郎君 空母があるということは、直接我が国の安全ということのみならず、台湾海峡の、何というんですか、緊張を高める要素もあると思いますね。中国に直接聞いてもなかなかそれは情報は取れないということでしょうけれども、同盟関係にある米国に対しては是非照会をしていただきたいことだと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(久間章生君) それは機会をとらえながら私たちもいろんな情報を探ってみたいと思いますが、ただ台湾海峡について言うならば、近過ぎて空母という意味がよく分からないんですよ、正直な話、先ほど言いましたように。だから、意図がよく分からないと言っているのはそういう意味でして、しかし、中国もこれから先シーレーンといいますか、エネルギーを確保しなければならない。そうしますと、中東、アフリカ、そういったところから資源その他いろんなことを考えるときに、やはり万一のときには出掛けていってそのシーレーンを確保するとか、いろんな思惑があるのかどうか、やはりそこの意図については広い角度から探ってみる必要があるんじゃないかなと思っておりますので、台湾海峡だけを念頭に置いて空母の問題を議論するのはいささかちょっと短絡過ぎるんじゃないかなという気もいたします。


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>「空母の開発、建設、そして運用は複雑で難しいが、それでも中国が持ちたいというのなら、米国はよろこんで協力する」って言ったもんだからビックリ。
知識人からも、「米国は本当に日本の同盟国なのか」という声が上がる始末。<

米国の考え方について二つの理解がありそうです。
1.自由主義・民主主義の国としての米国
実質的・形式的にイスラムが米国の敵だと宣言しているのに対して中国はしていない。
米中がイスラムという最悪の敵に対して共闘する中で中国がイスラムと比較して自由化・民主主義化することを暗黙に期待する。
日本は天然ガスを盗掘している中国に対して軍事対決も辞さないという固い決意を米国に見せていない。だから米国は日中関係は米中関係と同程度に融和的だと理解する。手抜きをやっている日本が米国を責めるのは身勝手というもの。

2.国際金融資本の立場
国際金融資本は自由主義・民主主義にはなんら関係ない。米国を見捨てて中国を利用して世界を牛耳る選択肢もあり得る。

http://meiguoriben.seesaa.net/
美国日本の美しい税制
美国日本
2007/08/27 00:41
美国日本様>
コメントありがとうございました。非常に興味深い視点で参考になりました。私個人的には、「自由と民主主義」というのは「タテマエ」であって、実際の目的は、彼らのゲームのルールである「資本主義」へ移行させることが、米国のいう「民主化」の「ホンネ」の目的なんだろうと思っています。米国が中国に対して融和的なのは、中東に忙しくて中国に構っているヒマがないという理由もあるのでしょうが、それだけではなく、中国が米国の目指す「ホンネ(=資本主義)」の部分を達成しているからという考え方もできるような気がしています。中国の軍拡への懸念は示しながら、人権問題に関して米国から公に非難する声明を聞いたことがないというのは、まさにその「ホンネ」の部分をあらわしているような気がします。 これまではその「ホンネ」と「タテマエ」は表裏一体で矛盾するものではないと思われていたのが、中国への対応でそうではないことが判明したのかなと見ております。今後ともよろしくお願いいたします。
新快速 播州赤穂行き
2007/08/27 09:12

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