途転の力学

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help リーダーに追加 RSS 「2010年憲法改正」の意図は何か(日米安保シミュレーション:その6)

<<   作成日時 : 2007/07/10 08:04   >>

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<日本にとって最大の安全保障対策は何か>


今回が本当に最終回です。


(本シリーズのこれまでの記事)
http://keyboo.at.webry.info/200707/article_5.html
http://keyboo.at.webry.info/200707/article_6.html
http://keyboo.at.webry.info/200707/article_7.html
http://keyboo.at.webry.info/200707/article_8.html
http://keyboo.at.webry.info/200707/article_9.html



前回は生活物資やエネルギーの大半を輸入でまかなっている日本が
いくら軍備増強をしても限界がある。
だから、外交的に孤立は絶対に避けなければならず、
協調路線を敷いて、嫌いな国とも「戦略的に」付き合っていかざるを得ない
と述べました。


しかし、一方で力が全ての国際社会においては
いくら是々非々の点から正しいことを言っても、
「ドラえもんのいないのび太」の言うことは誰も聞かないので、
ある程度の「力(=軍事力)」を持つことも必要である、
とも考えています。
これは「日米同盟」が仮に瓦解する可能性を考慮すれば当然でしょう。


完全非武装もありえないし、
他国との対話を無視した完全武装路線まっしぐらもありえない。
要は「バランスが大事」ということでしょうね。


では、他国と「戦略的に」付き合っていく上で重要なことは何か。


それは他国から見て、日本が必要であると認識してもらうことです。
では、日本が他国から必要としてもらえるために必要なことは何か。


それは

「カネ」と「技術力」、そして「魅力的な投資機会の提供」

です。


最近は東芝さんの活躍が目覚しいですが、
日本の原子力技術・環境技術は環境問題を劇的に改善する
可能性を秘めており、引いては資源争奪に起因する地政学リスクの低減にも
大きく貢献する可能性を持っているのです。
その技術は、反日感情の著しい中国も喉から手が出るほど欲しているはずです。

【参考】日本の原子力発電技術が「世界平和」をもたらす可能性(過去記事)
http://keyboo.at.webry.info/200705/article_23.html


次に「カネ」。
日本の「カネ」も日本の国益に適うよう「戦略的に」使うべきです。
国民の大事な税金を使っているわけですから、
「人道的」という美名の元に、何の見返りのない資金提供は意味がありません。


日本の味方になってくれる国に、あるいはこれから日本の味方に
なってくれる国に対して有効的に使うべきだと思います。
それは、国民の生命と財産を守るためです。


「カネ」の使い方でもうひとつ。
それは「プロパガンダ」の強化です。


是々非々を言っていれば世論が味方になってくれるほど
国際社会は甘い世界ではありません。
ボスニア紛争で国際世論を反ミロシェビッチに傾けさせたのは
『真実』ではなく、何と広告代理店による『世論誘導』だったです。

【参考】国際世論を操る広告代理店(国際派日本人養成講座)
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogdb_h19/jog490.html


つまり、是々非々とは別に(本当の真実とはなかなかわからないもの)
世論の是々非々の「判断」は作られるものなのです。


逆に言うと、そのくらい「プロパガンダ」活動は大事であるということです。
先の従軍慰安婦の問題も、中国系反日団体のロビー活動と
政府を挙げてのプロパガンダが功を奏した結果です。
この分野は日本は非常に苦手としているところでしょう。

【参考】慰安婦決議案 米下院委が可決 中国系反日団体が圧力(産経)
http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070628/usa070628002.htm


日本も「電通」や「博報堂」のような素晴らしい広告代理店を
持っているわけですから、もっと日本のことを海外に発信していくことに
「カネ」をかけるべきではないでしょうか(ロビー活動や宣伝)。


「憲法改正」=「軍国主義化」と考えている国は中国・韓国以外に
あるかもしれません。それに対して「そうではない」という
日本の立場・考えを納得してもらえるように「プロパガンダ」する。
これは日本を孤立化させないためにも、言質をとられないためにも
必要な施策だと思います。


最後に「魅力的な投資機会の提供」。


前回の記事で、グローバルに活動する企業家や投資家が
政治家のパトロンとなって、外交政策や地政学的動向に
大きな影響を与えていると述べました。

【参考】「2010年憲法改正」の意図は何か(日米安保シミュレーション:その4)
http://keyboo.at.webry.info/200707/article_8.html


もし日本が彼らに魅力的な投資機会を提供し、
海外から投資資金が流入してくれば(固定資産であればなお望ましい)、
当然彼らにとっては日本が戦争状態になってくれるのは
望ましくなくなるわけですから、それだけ日本の安全性は高まる
と考えられるのではないでしょうか。


日本の味方になってくれる人が増え、
かつ日本が戦争状態になることによって困る人が増えること、
つまり、世界的なネットワークを構築し、
日本と利害関係でつながっている人を増やすことが、
実は最大の安全保障対策になるのではないか。



という、私なりの示唆を得たことで、
今回のシリーズは幕を閉じさせて頂きたいと思います。


最初から読んで下さった方は、
長い間お付き合い頂きまして、ありがとうございました。



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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
電通には創価学会勢力が多く入っていると聞きましたが・・・?
mamachu
2007/07/12 15:38
調べてみないと確証は持てませんが、芸能・メディアに近い業界なので、もしかしたらそういう構図になっているのかもしれませんね。その点は気づきませんでした。
新快速 播州赤穂行き
2007/07/13 21:08
新快速 播州赤穂行きさん、こんばんは。
シリーズを一気に読ませていただきました。大作ですね。最終的な結論は、当たり前のような内容になっておりますが、私は正しい結論というのはそういうものだと思っております。
今日本が弱いのはインテリジェンスですね。「プロパガンダ」と表現されているところです。電通や博報堂にはその手法を利用する形で協力させ、本筋はインテリジェンス組織がきっちり作成するべきですね。ソフトやコンテンツの構築部分はノウハウとして広告代理店が優れていると思いますが、「国をどうしていくのか」という根本的な思想が彼らにはありませんから、すべてをまかせるわけにはいかないでしょうね。
ある意味「変な小細工をしたら会社潰すぞ!」というくらいの圧力をもって彼らを利用するほうが良いかもしれません。
そのためにも、優秀で愛国的な人材がインテリジェンス組織に終結する必要があると思います。
日米安保は永遠ではありませんし、いつまた米国と対立することになるか分かりません。
(つづく)
ナルト
2007/07/18 18:35
(つづき)
ただ、日本国が日本国であるためには、天皇制をきっちり維持して、米国に文化で負けるようなことがあってはならないと思います。
これは私のカンでしかないのですが、最後は「文化の戦い」になるような気がします。
その文化を守り続け、気高くある国を、いくら米国といえども単に強いというだけで、おいそれと攻撃はできないと思うのです。
ナルト
2007/07/18 18:35
ナルトさん>
TB記事へのコメントありがとうございました。「インテリジェンス」組織の構築については全く同感です。もしかしたら、日本は「恥の文化」が残念ながら外交では仇になっている要素があるもかもしれません。外交ではもっと「ずる賢く」なる必要があるのではないかと思います。私も昔は核武装に賛成の立場でした。しかし、以前何かの番組で瀬島龍三さんが、「日本が戦争に負けたのは米国にカネを止められたからだ」とおっしゃっていたことと、記事に引用させて頂いた「偏西風」の話を知って、考えが変わりました。理想論ではなく、リアリティを壊さない観点から考えると、どうしても「当たり前」のような内容になってしまうんですね。これが「当たり前」であると広く認識してもらえればいいんですけど(笑)。
新快速 播州赤穂行き
2007/07/18 23:12
(続き)
また「文化の戦い」になるというご指摘もその通りだと思います。天皇制が日本にもたらした有形無形の影響(とくに庶民にもそれが実感できたのは明治以降だと思いますが)は計り知れないものがあると思います。以前日本国憲法誕生の舞台裏を調べたことがありますが、それがわかっていてか、敗戦しても何とか天皇制を維持しようとされた先人達の功績は本当に素晴らしいと思います。戦後の天皇制は明治以前の本来の天皇制に戻った(政教分離という意味で)という点において、外圧によるものとはいえ、むしろよかったのではないかと考えています。天皇陛下は日本国の「シンボル」として十分な役割を果たされている。そして、そのことをいずれ国民が実感する日が来ると思う。それが「文化を守る」第一歩になるような気がしています。私はおそらく若い世代の部類に入ると思いますが、こういう世代でもそう感じる人が、私だけでなく、だんだんと増えてきていると、これは「カン」なのですが思います。
新快速 播州赤穂行き
2007/07/18 23:13
新快速 播州赤穂行き さん、こんにちは。
「私の核保有論PART2.5」にいただいたTBの返答をこちらにさせていただきます。
2010年憲法改正が中共の台湾侵攻を視野に入れているというのは可能性のひとつとして十分ありえますね。一見関係ないように見える中東情勢がここにきて大きく関係してくるように思います。米国がイランへの対応で忙しいと、台湾までカバーできない可能性があり、その場合アジアの安定をどの国に任せるかという問題が浮上してきます。
そのときに集団的自衛権も認めていない国に、当事国として米国の国益保持を依頼することはしないでしょうから、日本の出方次第では米国は中共に頼るかもしれません。
(つづく)
ナルト
2007/08/23 11:17
(つづき)
米国と中共の軍部の協議は、それがすぐに「日本切り」と判断することはできませんが、米国が可能性のあるシナリオのひとつを補強しておくために中共との意思疎通も無碍にしていないことは確かでしょう。
日米同盟を維持しながらも、米国に「日本侮りがたし」と思わせなければ、米国は日本を駒のひとつとしてしか認識しないでしょう。
それは日本が「最後まで当事国でいられない」ことを意味しており、状況次第でとかげのしっぽとして切られることになります。
そうなると日本と利害関係を同じくする国々を増やすことの意味は格段に大きくなりますね。こういうグランドデザインを描いて戦略的に内政・外交を進めていかなくてはならないと思いますが、民主党では無理ですね。
政界再編して、「国の正しい運営」ができる体制に早くなってほしいと思います。
(おわり)
ナルト
2007/08/23 11:17
ナルトさん>
コメントありがとうございます。米国と中国との関係はまさに「戦略的提携関係」とでも呼べるような事態になっていると思います。経済的にも切っても切り離せない関係になっていますし、お互いがお互いを欲しているという意味でもアジアでのリスク分散を米国はうまく図りにいっている時期であると感じます。「日本に任せられないから中国にも話を」という可能性は十分考えられますので、それは「日本に当事者意識が欠けるからだ(可能性があるからだ)」というご指摘はまさにその通りだと思います。特に外交を仕切るのがライスになってからは、極めて現実的というか、ライスは日本を全く特別視していないのと、これまで外交で目立った成果を挙げられていない焦り(?)もあるのかと思いますが、余裕の面からも露骨に中東にシフトしてきている。
新快速 播州赤穂行き
2007/08/23 19:50
(続き)
六カ国協議の茶番化も外交の主導権がチェイニーからライスに変わった時点で容易に想像できたことだと思うのですが、それが見抜けなかった日本政府は、ナルトさんが常々おっしゃっている「インテリジェンス能力が欠如している状態」なんだろうと思います(間抜けを演じてくれているだけならいいんですけど)。米国がそういうスタンスなので、日本もリスク分散を図らないといけない。安倍さんの今回のインド等3カ国来訪は意味のある外交になってくれればいいなあと期待しています。
新快速 播州赤穂行き
2007/08/23 19:50

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